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( ゜W゜)ブーンが悪魔憑きになったようです

1 :代理:2006/11/12(日) 22:09:11.47 ID:ga3Sq3iIO
最終章

2 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:09:46.76 ID:5W2pYa/yO
キタコレ

3 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:09:49.61 ID:wjqg1YGK0
パラッパラーパラララーン(オープニング)

4 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:11:46.47 ID:5HAy25tTO
いつもより早いなwktk

5 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:14:22.92 ID:iklecO660
代理の方、超乙であります!!

ブーン系小説です。いよいよラストバトル。
描写に若干のグロ表現やいかがわしい表現がありますので、苦手な人には推奨できません。
大丈夫な人は是非どうぞ。

※注意※
本作には神話や伝承が引用されていますが、正確ではない記述が多々あります。
これは物語の都合上の問題であり、作者の信仰や考えとは一切関係ありません。

今日はその11、そしてエピローグを投下します。最初にいっときますが、投下時間がたぶん最長になります。
悪魔や神話に興味のない人を置いてけぼりにし続けるこの物語も、ついに終幕。
作者は投下の間隔があまりよくわかっていないので、さるさん喰らうかもしれません。
もし投下が止まったらバイバイされたと思ってください。

これまでのお話は、以下のまとめサイト様にてまとめていただいております。
ttp://boonnovel.g.hatena.ne.jp/
ttp://vip.main.jp/
まとめて下さっているサイト様、ほんとーにありがとうございます。・゚・(ノ∀`)・゚・。


それでは……最後までお付き合いして頂ければ幸いです。

6 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:16:15.60 ID:iklecO660
その11「生への渇望」


おーん、おーんという耳鳴りを聞きながら、ブーンの意識は再び『無』の空間――ブーンの深層意識へと戻ってきた。
周囲から冷たい闇が消えたことを感じ取り、ブーンがゆっくりと目を開く。

( ´ω`)「……」

周囲には相変わらず何も存在せず、何にも触れることは出来ない。
暗く虚ろな空間は、今のブーンの心境を表わすかのように、どこまでもどこまでも空虚だった。

(  ω )「……思い出したかお」

ふわり、と。
目を開いたブーンの前に、一つの人影が舞い降りた。

曖昧な輪郭をした、闇色の人影。
その背中には六対十二枚の翼がゆらめき、黒い背光のごとくその身を飾っていた。
それは、堕天使『アザゼル』が遺した記憶の欠片であり、ブーンにとっての最後の『鍵』。

( ´ω`)「思い出したお……全て……」

『記憶』の問いかけに、ブーンは俯きながら答える。
その顔には悲痛としか言い表せない表情が色濃く浮かび、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

7 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:16:32.40 ID:ga3Sq3iIO
作者キタワァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!

ここまできたんだ・・・勿論、最後まで憑き合うZE!!!





つか、スレタイ間違えてスマソ('A`#)

8 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:17:36.33 ID:iklecO660
(  ω )「ならば……決断の時だお」

『記憶』が、ばさり、と翼を広げる。

(  ω )「お前は自らの過去と、その過ちを知ったお。お前はブーンでありながら、いまや同時に堕天使アザゼルでもある。
     転生のために分けられた意識と記憶は、今ここに再び一つとなったんだお」

そう言って、『記憶』はブーンの目の前までゆっくりと移動すると、再び口を開いた。

(  ω )「決断しろお。過去の罪と穢れ、それを内包した『記憶』を受け入れるかどうかを。そして……」

ぐう、とブーンの顔に自らの顔を近づけて、『記憶』が問う。

(  ω )「再び、堕天使『アザゼル』として転生する気はあるかを」

ギラついた双眸でブーンを真正面から睨み据えながら。
アザゼルの残した『記憶』は、記憶を失い人間として生きてきたアザゼルを試す。
かつて一つだった彼らは、人間に転生し、輪廻の輪に加わるために二つに分かれ、光と影に住み分けた。

『記憶』と『意識』。
人間になるために二つに分かれた彼らが一つになるということ。
それはつまり、ブーンが再び『堕天使』として転生するということ。
堕天使としての穢れ、その罪、その全てを。
今、再び魂に刻み込むということ。

9 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:18:22.69 ID:uotWULnCO
あぁちくしょう
なんで今日はこんなに豊作なんだ

10 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:18:55.39 ID:mxUz7YlXP
たとえ長くとも……………オレは寝ないぜ。


wktk

11 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:19:00.06 ID:VCep+UtHO
よっしゃあああぁぁぁ!!!!!!
支援

12 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:19:25.01 ID:iklecO660
(  ω )「堕天使として転生すれば……そうすれば、致命傷を負った体は再構築され、無くなった悪魔の力よりもより強い
     『アザゼル』の力を得ることができるお」

『記憶』は続ける。

(  ω )「でも、堕天使として転生したが最後……お前の魂はこれ以上なく穢れて、二度と人間には戻れないお。
     ツンと共に人間として歩むことは出来なくなり、ジョルジュを倒した後に待つのは『地獄堕ち』だお」

そう言って、『記憶』はブーンの額に自らのそれを重ね合わせた。
曖昧な輪郭が額を中心に揺らぎ、ブーンの心を写すかのように不安定に揺らめく。

(  ω )「それでも、お前は転生を望むのかお。許されない罪により、再び冷たい闇の世界に囚われる事を知りながら。
     今ならまだお前は、人間として死ねる。ジョルジュによって堕とされたツンと同じ地獄に行くことも出来るお。
     それでも――」
( ´ω`)「それでも、ボクは転生を望むお」

自らが切り離した『記憶』が次の言葉を綴るよりも早く。
ブーンは大きく頷いて、『記憶』の言葉を遮った。

ブーンの目は静かな色をたたえ、そこには欠片ほどの迷いも見て取ることは出来ない。
あくまでも冷静で、平穏な気持ちをもって、ブーンは自分の運命を決断していた。

堕天使としての転生を望み、ツンを助けることを。

13 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:20:10.58 ID:uPEPOJvLO
どうも。ミルナの人です。作者さん最終章頑張って下さい!!

保守がてら『神話』よりアザゼル
http://kjm.kir.jp/?p=70072
http://kjm.kir.jp/?p=70074

14 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:21:07.12 ID:iklecO660
( ´ω`)「……」
(  ω )「……」

しばし至近距離で見つめ合う。
視線を逸らしたのは、『記憶』が先だった。
ブーンの目の前に居る『記憶』が、ぐにゃりととろけて姿を変える。
翼が縮み、髪の毛が伸び、背はブーンよりも小さくなって。
数瞬の後に、それはブーンの、そしてアザゼルの大切な人へと変貌を遂げた。

ξ゚听)ξ「……どうして?」
( ´ω`)「?」
ξ゚听)ξ「何故、そうまでして……昨日までは声も味も覚えていなかった女のために、自分を犠牲にするの?」

わからない、という風に『記憶』が姿を変えたツンが問いかける。
ブーンはツンの言葉に、かぶりを振って答えた。

( ´ω`)「……ボクにも正直、何故そんなことをするのかなんてわからないお。
     きっと理由なんてないんじゃないのかお」
ξ゚听)ξ「……」
( ´ω`)「ボクが過去を知って、記憶を取り戻して思ったことは一つ。ツンを助けたい、ただそれだけだお」
ξ゚听)ξ「それが例え、今は自分の事を覚えてすらいない人でも? 自分が覚えていなかった人でも?」
( ´ω`)「もちろんだお」

『記憶』が縋るように投げかけた問いかけに、ブーンは静かに頷いた。

15 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:21:12.07 ID:uSwFv1wXO
wktk!!!!

16 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:21:42.44 ID:5HAy25tTO
最近良作の投下がかぶって困るw支援

17 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:23:13.43 ID:iklecO660
( ´ω`)「強いて言うなら、贖罪なんだお。ボクは過去に犯した罪を悔いて、人間に転生するために記憶を捨てたお。
      それは、何も行動せず、ただ自分の望みだけを優先させただけのエゴ。醜い行為だお……。
      その代償が今の状況なら、ボクにできることは、今出来る限りの全てをすること。それがボクの理由だお」

そう言ったブーンの瞳には、強い輝きと穏やかな光が、混然一体となって浮かんでいる。
過去の罪を悔やみ続けながら、地獄で過ごした日々。その間、ずっと願い続けるだけだった幸福な未来。
それを受容するために動かなかった結果、その不条理な結果を打ち崩すため。ブーンは今、決断する。

ξ゚听)ξ「……そう」

ブーンから身を離し、ツンは俯くようにして顔を伏せた。
その顔には強い悲しみと諦観が色濃く浮かび、ツンの美しい顔に暗い影を落としている。
愛しい人のそんな顔を見て、ブーンはたまらず口を開いた。

( ´ω`)「でも……ボクが決断した理由は、それだけじゃないんだお」
ξ゚听)ξ「え……?」
( ´ω`)「確かにボクは、過去の過ちを悔いているお。でも、本当はそんなことはどうでもいいんだお」

ブーンはツンに近づいて、優しく小さな肩を抱きしめた。
今目の前にいるのは、本当のツンではなく、ただ『記憶』の中にあるツンの思い出が形を変えて現れたもの。
そう知っていてもなお、ブーンはツンを抱きしめずにはいられなかった。

( ^ω^)「ボクは、ツンを助けたいんだお。過去の罪を払拭するためでも、アザゼルとしてでもなく。
     ボク個人の気持ちとして……今はツンを助けたいんだお」

それは、アザゼルとしての記憶を持たない頃から、ブーンがずっと持っていた行動理念。ただ一つの、ブーンとしての願い。

18 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:23:32.41 ID:ga3Sq3iIO
悪魔の力を〜手に入れてぇ〜(ry
熱い、熱杉る展開だぜ!!!

19 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:24:09.83 ID:uotWULnCO
鬼束のinfection聞きながら読もうぜ

20 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:24:23.70 ID:iklecO660
ξ゚ー゚)ξ「……ありがとう」
( ^ω^)「どういたしまして、だお」

にこりと微笑んで、ツンから身を離すその瞬間、ブーンは、体の中で何かが組み変わる音を聞いた。
ブーンの一番深い場所、その最奥部。そこで組み変わる、ブーンがブーンとして生きていた証。
ブーンは、この短い会合が、終わりを告げようとしていることを理解した。

( ^ω^)「じゃあ……ボクはそろそろ行くお」
ξ゚听)ξ「うん……。気をつけてね」

そう言ったツンの体が、ポロポロと崩れ、小さな粒子となっていく。
小さな粒子になったツンの体は、さらに小さな粒子となり、やがて周囲の闇に溶けていった。

( ^ω^)「また……会えるおね?」
ξ゚ー゚)ξ「……会えるよ。あなたが生きている限り。必ず、会える」

ふと不安になったブーンが口を開く。
ツンは、ふわり、と優しく笑って頷いた。

ξ゚ー゚)ξ「だから……死なないで」

その言葉を最後に残して、ツンの姿をした『記憶』は、跡形もなく溶け消えた。
しかし、ブーンには解る。
『記憶』は消えてしまったのではなく、自分の中に戻ってきたのだということが。

21 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:25:47.37 ID:iklecO660
( ^ω^)(ツン……ボクは必ず、ツンを助けるお)

冷たい復讐の気持ちのみを抱えていたブーンの心に、暖かい記憶と意思が流れ込んだ。
それは、魂を穢す汚れた記憶。でも、大切な記憶。
ずっと見つからなかった最後のピースを得たかのように。
ブーンの中で組み変わり続けていた何かが、そのスピードを増す。
確実にブーンの属性を負へと傾倒させるはずのそれは、何故か今のブーンにとって、とても心地よい物に思えた。

全てが組み変わり、根本から再構築されるブーン。
やがてブーンの意識はアザゼルの記憶と完全に一つになり、神話の時代と自分の生きた時代の区別が付かなくなっていく。

闇色に染まるブーンの心。その中にしまいこまれた光の記憶。
それら全てを自分のものとして――


――ブーンは再び、現実世界に産声を上げた。


※ブーン
22歳。元貿易公司社員。
アザゼルとして生きた過去を持つ人間。『メリルヴィルの晩餐』が過去に行った『悪魔降ろし』で召喚された堕天使だが、
『鏡』の支配を振り切って、人間に転生していた。
一ヶ月前に『メリルヴィルの晩餐』にツン共々拉致され、悪魔憑きの儀式を受けさせられる。
空席となっていた『禄存』の座につくべく儀式を受けるが、適正が存在しないために失敗。
しかし、ブーンは『アザゼル』の魂を持っていたため、魂が適合。不完全な形で悪魔が癒合した。
『出来損ない』として組織から解放されてからは会社を辞め、最下層に居を移してツンの捜索に打ち込む。

22 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:26:09.65 ID:o9ddRdtyO
うおおお最終章遂に来たあああ
予定日からはや4日か、待ちくたびれたぜ!
最後まで見届けるぞー

23 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:27:41.82 ID:iklecO660
中方都市 上空


ブーンの下半身を『喰らった』ジョルジュは、落下していくブーンを見るともなしにぼんやりと目で追った。
臓物を撒き散らし、血を振りまきながら落下していくブーン。
悪魔ごと下半身を喰われたその身にはすでに何の力もなく、残った上半身が地面に叩き付けられるのは明白だった。

( ゚∀゚)「……なんだよ。あっさり逝っちまいやがって……」

そう言って、唾を吐き捨てるジョルジュ。
憎々しげな言葉とは裏腹に、しかしジョルジュの顔には、一抹の寂しさのような表情が浮かんでいる。

( ゚∀゚)「せっかく……せっかくよぉ。一緒に居られる奴が出来たと……そう思ったのによ……」

大きくため息をつきながら、ジョルジュはブーンの残りカスから視線を逸らした。
力を失い、命を失いつつあるそれに、ジョルジュはもう何の魅力も感じない。
つい先ほどまでブーンに対して感じていた『親近感』は、ジョルジュの中から消え去っていた。

( ゚∀゚)「ッハ。やっぱり、俺はボッチ……か。一人で生きて、一人で死んで。んで……最後は一人で地獄堕ち、と」

ハハハ、と笑うジョルジュ。
どこまでも乾いた笑いは、砂混じりの空気に混じって、数mも進まないうちに空中へと消えた。
乾いた空気に、乾いた笑い声。
全てを包み込む大空にすら聞き遂げられない嗤いは、どこかもの悲しい。

24 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:28:35.06 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「は、ハハハ、ヒハハハ、は、はひ、ひっ、ひ……」

笑い続けるジョルジュ。
しかしその声は段々と擦れて消えて、やがて彼は空中で俯くようにして嗚咽をあげ始めた。
体がガクガクと震え始め、暗い青色のブルゾンがこすれて耳障りな音を立てる。
ジョルジュの体の中に、逃れがたい虚無感と恐怖がむくむくと頭をもたげていく。

( ゚A゚)「は、はー、はーっ、っひ……嫌だ……もうひとりぼっちは嫌だ……一人で死ぬのなんてゴメンだ……
     何で……何で俺は地獄に堕ちなきゃなんねーんだよ……嫌だ、いやだぁ……」

両腕で自らの肩を抱きしめ、震えを止めようとするジョルジュ。
しかしそれは叶わず、ジョルジュの震えは一層激しくなって心を揺らした。

(;゚A゚)「くそ、クソ、嫌だ、嫌だよォ……一人で永遠に地獄にいるのなんて、絶対に嫌だ……
     俺はただ、仲間が、トモダチが欲しかっただけなのに。なのに、地獄堕ち? クソ、何でそんな……」

ジョルジュはブツブツと呟くように呪詛の言葉を垂れ流し続ける。
その顔には、常に浮かんでいる人を食った凶笑ではなく、恐怖に震える子供のような怯えだけがあった。

( ;A;)「あぁ、ちくしょう……また、狂えなくなってきやがった……。殺して、ぶちまけて、腐らせてれば、
     その間は狂っていられるのに……クソ、ブーン、くそ、てめぇがあっさり死ぬから、デキソコナイが、っく」

ついには両目から涙を流し、体を大きく震わせてひくつくような嗚咽を漏らすジョルジュ。
都市を滅ぼし、全てを地獄に誘うべく行動するあざ笑う殺人者は、
ひとりぼっちになった夕闇の迫る空で、ただ一人泣いていた。

25 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:30:11.80 ID:iklecO660
ジョルジュは27年前、中方都市の最上層で生まれた。
両親は都市政府の要人。
金も人脈も、それこそ有り余るほどに持っていた。

豪勢な食事と、立派な服。
太陽の恩恵を十二分に受けることの出来る、広くて清潔な一人部屋。
欲しい物、欲しくなる物を手当たり次第に与えられて、ジョルジュは何の不自由もない子供時代を過ごした。
その頃のジョルジュは、そんな生活が当たり前であると思っていたし、それ以外の生活は知らない。
同年代の子供達が一生口に出来ないような高価な食事を残飯として捨てても、ジョルジュの心は痛まなかった。

ジョルジュが自分の暮らしに疑問を持ち始めたのは、小等部に入学してから。
退屈な授業を毎日受けて、必要かどうかも判らない知識を詰め込まれる日々。
その中でジョルジュは多くの『友達』を持つことが出来たが、その多くは自分と違う生活を強いられていた。

例えば、服装。
ジョルジュが着ている服は肌触りのいい天然生地のオーダーメイドだったが、友人達はそうではない。
大半が化学繊維の量販品を身に纏い、所々にほつれを直した跡がある。

例えば、食事。
小等部では、毎日の昼食が支給されていたが、友人達の中にはそれを支給されない者達が居た。
その友人達は皆、ふくよかな自分とは違ってガリガリのやせっぽち。
たまにジョルジュの残り物をもらっては、貪るように食べていた。

自分にとって当たり前のように与えられていた物が、与えられていない友人達。
その中で6年間を過ごした彼は、少しずつ自分と友人達との明確な格差を知ることになった。

26 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:30:34.29 ID:uotWULnCO
しえん

27 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:31:08.76 ID:iklecO660
異変が起こり始めたのは、それから数年の後。
ジョルジュが高校生になった頃、ジョルジュの身の回りでそれは起こり始めた。

異変とは、失踪。昨日までは普通に顔を合わせていた者達が、次々と姿を消していく。
隣のクラスにいた誰それが、前の席にいた誰彼が、ある日突然、唐突に消える。
なんの前触れもなく消えるクラスメイト達は、しかし特に騒がれることもなく、
最初から居なかったかのように処理された。

居なくなるのは、決まって家が裕福ではない者達。
この世界の腐った仕組みを漠然と理解し始めていたジョルジュは、最初これらの現象を深刻には捉えていなかった。
『ああ、金が無くなって夜逃げでもしやがったのかな』
そう考えて、一つため息をつくだけ。
親しい友人が消えた時ですら、ジョルジュは同じ反応を返すのみだった。

しかし、ジョルジュは自分の考えが間違っていたことを知る。
ある日、興味本位で下りた最下層で。
ジョルジュは、腐臭と汚物にまみれながらも無邪気に笑う、消えたはずの『友人』に出会ったからだ。

汚らしい自分の姿を隠すでもなく、道ばたで堂々と佇む友人。
ジョルジュはその姿に驚き、ついで人並みの哀れみの声をかけた。
そんな姿で辛いだろう。
こんな暮らしで苦しいだろう。
自分の持つことのできる金が彼らにとって明日を生きる糧となることを知っていたジョルジュは、
悪意無く彼に手持ちの金を渡そうとした。

だが。

28 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:33:13.62 ID:iklecO660
『お前からもらった金などいるものか』

『友人』だったはずの男は、金を差し出すジョルジュの手を払いのけて言い放った。
ぎらぎらと光る双眸でジョルジュを睨み、明確な拒絶を表わす男。
その顔に浮かぶ色は憎しみ。
暗い目はジョルジュを『友人』ではなく、下から睨み上げるように『憎悪』の対象として見ていた。

『お前はそれで満足かもしれんがな。虫唾が走るんだよ、そんな偽善』
『金持ちの家に生まれたからといって、俺達が腹を空かしてる前で残飯を捨てるような奴のくせに』
『友達面して、今更余計なことするな。俺は、組織に入ることが出来て、今とても幸せなんだ』

吐き捨てるようにそう言うと、『友人』だった男はジョルジュに背を向けて歩み去った。
後には、地面に散らばった金と、呆然と立ちつくすジョルジュ。
我先にと金を拾うストリート・キッズから金を取り返そうともせず、ジョルジュはその場に立ちつくしていた。

そしてその時、ジョルジュは気づいた。
自分がいかに恵まれていたのかを。その恵まれた環境のために、どれだけ疎まれていたのかを。
ジョルジュが『友人』だと思っていた関係が、どんなに一方的な物であったのかすらも。

金と地位と名誉。無菌室で育ったジョルジュ。
関係ないと思っていた友人達との格差は、その実最も分かり易い形でジョルジュを完全に隔離してしまっていた。
いると思っていた友人。でも、存在すらしていなかった友人。
そのことを理解した時、ジョルジュは生まれて初めて『一人ぼっちの自分』を見つけ――恐怖した。

29 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:34:21.17 ID:5HAy25tTO
支援

30 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:34:57.86 ID:iklecO660
( ;A;)「クソ、くそくそくそくそくそ、クソッタレが……収まれ、収まれよ……ガタガタ震えんじゃねぇ」

ジョルジュの心臓を満たす、氷のナイフを突き込まれたかのような孤独感。
それに負けまいとするかのように、ジョルジュは強く強く自分の肩を握りしめる。

( ;A;)「違う……そうさ違うんだ。俺はもう温室育ちの一人ぼっちじゃねぇ。家は捨てたし、
     あいつと同じ組織にだって入った。だから、だから……」

家を捨て、名前を捨て、金を捨てて『友人』と同じ目線に立って。
その上で、彼と同じ組織に入信したジョルジュ。
そうすることによって、ジョルジュは『友人』との垣根を取り払い、一人ぼっちではなくなった筈だった。
なのに。

( ;A;)「なのに、何で俺はこんなに震えてんだ……もう寂しくない筈だろ、トモダチだって出来た筈だろ」

そう言って、強くブルゾンを握るジョルジュ。
ブルゾンの縫合がブチブチと千切れ、生地が破ける音を聞きながら。
ジョルジュは、一つのことに気づいた。気づいてしまった。

( ;A;)「……でも、俺はあいつを殺しちまったじゃねぇか……」

ジョルジュの『友人』。同じ組織に入信した仲間。
『友人』になるために入信した組織をジョルジュが抜けようとした時に、ジョルジュの前に立ちふさがった男。
同じ七柱の『禄存』についていた『渋沢』を、ジョルジュは既にその手にかけて、殺している。

31 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:36:04.84 ID:iklecO660
( ;A;)「……ああ、なんだ……。じゃあ、俺はやっぱりボッチなんじゃねーか……」

両目からだらだらと涙を流しながら、ジョルジュはぼんやりと呟いた。
空を赤く染めていた太陽が、ゆっくりと遙か向こうの稜線に沈んでいく。
闇色に染まり始めた紫色の世界で、ジョルジュは一人孤独に浮かんでいた。

風はゆるやかに流れ、ジョルジュの脇をすり抜けていく。
背中に生やした翼の羽ばたきですら、ジョルジュの耳には入らない。
孤独感と、絶望感と、虚無感と。
それらがない交ぜになった、ただひたすらに抑えがたい恐怖心。

人を殺し続け、狂い続けていたジョルジュは、ふと自分の辿ってきた過去を振り返った。
それは豊かな幸福の記憶に始まり、孤独と絶望のうちに収束する記憶。

――『いいよなぁ、お前は。馬鹿みてーに女のケツを追っかけ回して、地獄なんざ怖くねーってな顔して。
   あれかね。俺もそーゆー相手見つけてりゃ、少しはマシだったのかねぇ……』

自分でブーンに言った言葉を思い出すジョルジュ。
その言葉は紛れもないジョルジュの本音で、嘘偽りのない彼の望みそのもの。
孤独を恐れ、殺戮を繰り返し、狂い疲れた殺人鬼の、小さな小さな最後の希望。

( ;A;)「ッハ……。今更、だよなぁ。俺にはもう、誰もいないしよぉ……。共に歩む奴も、
     俺と戦う奴もいない。もう、俺の傍には誰も……いねぇ……」

風邪に掻き消されそうな程に小さな声で呟き、項垂れるジョルジュ。
しかし。

32 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:36:41.77 ID:uhRWsVpAO
支援

33 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:37:16.49 ID:5HAy25tTO
さる-

34 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:37:25.43 ID:iklecO660
    「何を、泣いているんだお」

突如として背後からかけられた声に、ジョルジュは我に返って、後ろを振り返った。
そして目に入る、漆黒の翼。
六対十二枚の猛禽の翼は紫色に染まりつつあった空を黒く切り取り、禍々しいまでに力強いシルエットを作り出している。

( ゚ω゚)「……ふん。『あざ笑う殺人者』ともあろう奴が、えらく情けない姿を晒しているもんだお」
( ゚A゚)「お、お前……」

ゆっくりと翼をはためかせながら、ジョルジュの前に浮かぶブーン。
その姿を見た瞬間、ジョルジュの中にあった恐怖は、ゆっくりと姿を消していった。

( ゚∀゚)「……ハ。言うじゃねぇか、デキソコナイ……。いや、今はもう、シニゾコナイか?」
( ゚ω゚)「どっちでも構わないお。お前の臭い口がそれ以上喋らないようになるのなら、どちらでも」
( ゚∀゚)「ヒャヒャヒャ!! そいつぁ無理ってもんだ!! 俺の口は死んでも動き続けてやるぜ?」

高らかに哄笑するジョルジュ。
笑いながらも、ジョルジュの内には、奇妙な安堵感があった。

その感覚は、おそらく狂った精神が無理矢理に生み出した代物。
本来ならば安堵を感じるべき状況でないことがその証拠。
しかし、ジョルジュはそれでも構わなかった。
狂うと決めた時から、そんなことはとうに覚悟の内でもあったし、今更その是非を問うても詮無いことだ。

ジョルジュの笑いに顔をしかめるブーン、その顔をニマニマと笑いながら見やるジョルジュ。
もう、寂しくはなかった。

35 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:39:47.96 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「っかし、てめーもしつこい奴だな。退場してろっつっただろうがよ」
( ゚ω゚)「そうしたいのはやまやまなんだお。でも……お前が居る限り、ボクはおちおち地獄にも行ってられないんだお」

ジョルジュの軽口に答えながら、ブーンは自らの体に力を込めた。
背中の翼から流れ込む凶悪な力が、ごく自然にブーンの内を満たしていく。
その力は、かつて『ヴィゾフニル』から得ていた物よりも遙かに強く、純粋な暴力の塊。

( ゚ω゚)「なにより、こちらにはツンがいる。ツンを置いて一人で堕ちるなんてこと、ボクにはまっぴらゴメンだお」
( ゚∀゚)「だから、ゴキブリみたいに復活ってか? しかもその翼、その力。明らかに人間のもんじゃねーだろ」

両目を細めて見やるジョルジュ。

( ゚∀゚)「言ってみろよ。お前は何モンなんだ。天使か? 悪魔か?」
( ゚ω゚)「……ボクは、どっちでもないお。いや、むしろどちらでもあるお」

拳を握りしめ、ジョルジュの眼光を受け止めながら。
ブーンは、強く言いはなった。

( ゚ω゚)「ボクはブーン。神話の時代、堕天使となったアザゼルの生まれ変わり。そして、お前を滅ぼす者だお!!」

そう言って、堕天使は六対の翼を一斉に打ち振った。
風がごうとうなりをあげ、周囲に嵐のごとき烈風を巻き起こす。
今や完全に自分の従属と成り果てた大気をその身に纏い、ブーンは凄まじい勢いでジョルジュに向かって飛びかかった。

36 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:40:47.19 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「ひゃあ――ははははは!!」

醜い嗤い声を上げながら、ブーンの突進を交わすジョルジュ。
ボロ布となっていたブルゾンを引きちぎりながら、ジョルジュはたまらないという風に叫んだ。

( ゚∀゚)「アザゼル!! アザゼルかよ!! 『荒野の悪魔』!! 『神のごとき強き者』!! 『地獄の山羊使い』!!
     そうか、お前がアザゼルか!!」

嬉しくて仕方がないといった表情で耳障りな哄笑をまき散らすジョルジュ。
ブーンは突進の勢いもそのままに、大きく旋回して、そのままジョルジュに再度肉薄した。

( ゚∀゚)「なるほどなぁ!! 『鏡』の中から一匹、一番の大物が抜け出したとは聞いてたけどよ、
     まさか人間に転生してるたぁ、あのクソ荒巻もクソ主様も思わなかっただろうぜ!!」

会えて嬉しいぜぇアザゼル!!
そう言いながら、ジョルジュは右腕に鰐の大顎を作り出すと、ブーンに向かって打ち振った。

( ゚ω゚)「ふっ!!」

頭部を狙って伸びてきた攻撃を、しかしブーンはかわそうともせずに、無造作に手を振って撃退。
濃密な密度の風に阻まれた鰐の首は、カマイタチによる無数の傷跡を負ってはじき飛ばされた。

( ゚∀゚)「おぉっと……あっぶねぇ!! ッハハハァ!!」

速度を緩めることなく突っ込んできたブーンを、大きく上昇して回避するジョルジュ。
ブーンの纏った風がジョルジュの肌を細かく傷つけるが、ジョルジュは全く気にせずに言葉を続けた。

37 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:40:51.09 ID:uhRWsVpAO
さる

38 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:41:12.33 ID:2cH8PHfP0
川相さんかと思った

39 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:41:47.99 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「んだよ、じゃあお前と俺は同類どころじゃなく、完全に似たもの同士なんじゃねーか!!
     他人に運命弄ばれて、救われない。憎悪と復讐に狂った者同士だろぉ!!」
( ゚ω゚)「……お前と一緒にされるのはゴメンだお」

ばさり、と翼を打ち振って制止するブーン。
その顔に苦々しげな表情が浮かぶのを見て、ジョルジュは更に笑みを深める。

( ゚∀゚)「まあそう言うなって。アザゼルのおとぎ話なら、俺もちっちゃい頃から聞いてるぜ。
     神の命を無視して人間の女にホネヌキにされて、そのせいで地獄に堕とされたってなぁ」

ニヤニヤと笑いながら、ジョルジュはその目を細めてブーンに問いかけた。

( ゚∀゚)「千年以上も地獄に繋がれて、どうだったよテンシサマ? 俺達組織に召喚されるまで、
     地獄にいてお前は何してたんだ? 暗く冷たい地の底で、愛しい人のオッパイでも妄想してたかよ?」

ヒヒヒ、と下卑た笑い声をあげるジョルジュ。
そんなジョルジュを見ながら、しかしブーンは静かに首を振った。

( ゚ω゚)「いいや。ボクは、ずっと後悔していたお」
( ゚∀゚)「……へぇ。そりゃ殊勝なこった。それで、お前は救われたってのか?」

あくまで茶化そうとするジョルジュの言葉に、それでもブーンはゆっくりと、はっきりと口を開く。

( ゚ω゚)「救われるわけがないお。ボクの罪は、主が許さない限り消えることはない。後悔してもどうにもならないお。
     そして、ボクが許されることはない。永遠の闇に囚われて、その事は嫌になるほど身に染みたお」

40 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:43:21.99 ID:iklecO660
太陽光に照らされ、暖められた風が、ゆっくりと宙に浮かぶ二人の間を吹き抜けていく。
その風に前髪を揺らされながら、ジョルジュは少しだけ笑いを納めて口を開いた。

( ゚∀゚)「……じゃあ、お前は何で戦ってんだよ。許されない罪を背負いながら。地獄行きを決められながら。
     ずっとひとりぼっちでいることが決まっていながら。それなのに、何で戦ってんだ」

探るような声色で、下からねめつけるように問いかけるジョルジュ。

( ゚ω゚)「ツンを、守るためだお」

はっきりとした口調で返すブーン。
一瞬、ブーンの脳裏に、遙か過去の記憶が蘇る。
白く泡立つ水の奔流。押し流される家屋。そして、失われる大切な人の命。

( ゚ω゚)「ボクのしたことは、もう許されることはないお。でも、ボクができることは、まだあるんだお。
     たとえ自己満足だとしても、何の意味がないとしても。ボクは――」

ブーンとして生きた日々。アザゼルとして生きた記憶。
その全てに共通する気持ちは、ただ一つ。

( ゚ω゚)「――ボクはツンを守る。それだけが、ボクの願い。そして、ボクのすべき事だお」

ブーンはそれだけの事を言い終えると、再びその身に風を纏い、ジョルジュを鋭く睨み据えた。

41 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:43:58.11 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「……ッハ。どこまでもオメデタイ奴だな、てめーはよ……」

ブーンの堂々とした宣言を聞いて、ジョルジュはひび割れた笑みを浮かべた。

( ゚∀゚)「自分は地獄に堕ちる運命だっつーのに。カミサマに惚れた女をぶち殺されたってーのに。
     しかも、自分も死んで堕天使に転生までしたってのに、お前は結局それしかねーんだな」

そう言って嘲笑を浮かべようとしたジョルジュは、しかしその行為に失敗した。
どうしても、馬鹿にするような笑みを浮かべられない。
代わりに浮かぶのは、羨む気持ちと嫉妬の心。

( ゚∀゚)「クソ……せっかく、憎しみに狂った仲間だと思ったのに。せっかく、俺はボッチじゃねーと思えたのによ。
     ぶち殺されて地獄から舞い戻って来たっつーのに、俺も神も憎まず、狂うこともせず。惚れた女を守るってか」

そしてジョルジュはため息を一つ。
喉をのけぞらせて見上げた空は、すでにその大半が夜に支配され、星々が瞬き始めていた。
その中に、一際明るく輝く宵の明星を見つけて、ジョルジュはその光を瞼の裏に焼き付けた。

( ゚∀゚)「んじゃ……無理矢理にでも、お前を連れて行くぜ。やっぱり俺は、ボッチがこえぇからよ」

すう、と目を閉じるジョルジュ。
丁度その時、沈みゆく太陽はその身を完全に稜線へと落としきり、地上から完全に光が消えた。
光の時間は終わり、周囲に闇が去来する。

ごきり、とジョルジュの体が歪に歪み始めた。

42 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:44:59.46 ID:5HAy25tTO
支援

43 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:45:09.21 ID:BeIosyPUO
支援

44 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:45:42.67 ID:iklecO660
ごきごきと異音を響かせながら、ジョルジュの体が歪んでいく。
肩が爆ぜ、腕が膨らみ、腰はねじ曲がって、肋骨が飛び出す。
同時に、その身からぞわぞわと生まれ出る真っ黒い獣毛。
一本一本が縫い針のように鋭く光るそれは、瞬く間にジョルジュの体全体を覆い尽くした。
人間の形を捨てながら。時に人間の形を取りながら。
ジョルジュの体は変化し続け、体積を従来の何倍にも膨れあがらせていく。

( ゚∀゚)「あ゛ー……いてぇ。いてぇな、クソ。何で俺こんなことしてんだ? 何でこんな痛い目にあってんだ?
     俺は痛いのもめんどくさいのも疲れるのも嫌だし、健康に気を遣って長生きしてりゃ満足なのによ」

ごりごりと顎を鳴らしながら、ジョルジュが誰にともなく問いかける。

( ゚∀゚)「でも、お前が強くなっちまったら、俺が殺されちまう。殺されないためにゃ、俺も強くならねーとな?」

獣毛に覆われた体から、より大きな猛禽の翼を生やし、大きく空を叩いて羽ばたくジョルジュ。
足の間からぞろりと鱗に覆われた何かが垂れ下がり、それは先端を大きく割って大蛇の形を取った。

( ゚∀゚)「いてぇ。ホントいてぇな、悪魔に喰われるってのはよ……。でも、その分強くなって狂えるんだよな。
     このままいけば、俺の意識も喰われて消えて、一緒に恐怖も消えるかもなぁ。どう思うよ、ブーン?」

もはや首から上しか人間の部分が残っていないジョルジュは、それでもニヤリと笑みを浮かべた。

( ゚∀゚)「でも、俺は死ぬのも消えるのもゴメンだからな。さっさとお前をぶっ殺して、地獄に堕としてやらぁ」

全長数十メートル。尻尾も入れればその倍にはなるだろうか。全身を黒い獣毛に覆われた狼の体に、純白の翼と大蛇の尻尾。
自分の喰らった悪魔達に全身を捧げたジョルジュは、唯一人間の形を残す頭を狼の額に貼り付けて、ニヤリと笑った。

45 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:47:30.21 ID:iklecO660
ばさり、ばさりと、巨大な翼を打ち振って、ジョルジュが大質量の獣体を浮遊させる。
あたりにはそれだけで猛烈な風が巻き起こり、ブーンの体を激しく打ち付ける。

その形相は怒り。
『フェンリル』の目は爛々と赤く輝き、視界に入る全ての存在に憤怒する。

その叫びは憎しみ。
『ニーズホッグ』の口からは腐臭と共に激しい呪詛と威嚇音が漏れ、這いずる運命を呪い続ける。

その唸りは苦しみ。
『ヴィゾフニル』の翼は烈風を巻き起こし、ただそこであるだけで鋭い悲鳴をあげる。

そしてその哄笑は狂気。
ジョルジュの顔にはもはや欠片ほども人間らしい表情は残っておらず、ひたすらに狂笑をまき散らす。
ぐるり、と白目をむいておどけて見せて、キメラとなったジョルジュは不自由そうに首を巡らせてブーンを見据えた。

( ゚∀゚)「サヨナラだ、ブーン。一足先に地獄に堕ちてな」

獣頭蛇尾、猛禽の翼を持つ巨大な悪魔は、絶対の自信と絶対の力で命令する。
その言葉には、一言一句にいたるまで、滴るような腐臭と呪いが込められていた。
顔をしかめ、目を細めるブーン。

( ゚ω゚)「お断り、だお」

短く言い放って、再びその身に暴風を纏う。
そして、ブーンは一度大きく翼をはためかせると、爆発的な加速をもってジョルジュに突進した。

46 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:48:23.54 ID:ga3Sq3iIO
ブーン・・・アンタ漢や、漢の中の漢やでぇ!!!

47 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:49:05.59 ID:iklecO660
一瞬で十数メートルの距離を詰めるブーン。
風を巧みに操ってジョルジュの無防備な腹部に潜り込むと、ブーンは鋭く右腕を振り抜いた。

( ゚ω゚)「はぁっ!!」

ぼ、と空気が爆裂し、衝撃波が発生する。
音速を超えたブーンの拳は、すさまじい勢いでジョルジュの脇腹にめりこんだ。
しかし、

( ゚∀゚)「ぎゃはははは!! 痒いぜぇ、ブーン!!」

ブーンの攻撃は分厚い獣皮に阻まれ、ジョルジュにダメージを負わせることは出来なかった。
舌打ちをして腕を引き抜くブーン。
動きの止まった堕天使めがけて、ジョルジュの股ぐらから黒い影が走った。

(;゚ω゚)「くぉっ!?」

じゃうっ、と空気を裂いて伸びてきたそれを、紙一重でかわす。
そのままの勢いで後退したブーンは、自分に向かって鎌首をもたげる大蛇の姿を確認する。

( ゚ω゚)「くそ……うっとおしい尻尾だお」

吐き捨てるように言って、『ニーズホッグ』に向かって腕を振る。
ブーンの腕から生み出される、巨大な鎌のごときカマイタチ。
だが、不可視の刃は大蛇の首を落とす前に、より強い大気の渦に巻き込まれてその力を失った。

48 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:49:59.62 ID:mxUz7YlXP
wktk

49 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:50:32.16 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「無駄無駄ァ!! そんななまっちょろい風じゃあ、俺のイチモツにゃ届きもしねーよ!!」

キヒヒヒヒ、と甲高い嗤い声を上げるジョルジュ。
ブーンから喰らった『ヴィゾフニル』を見せつけるように打ち振ると、ジョルジュはその巨体をブーンへと向けた。

( ゚∀゚)「欲しかったんだぜぇ、コレ。やっぱいいよなぁ。俺の『ニーズホッグ』じゃ、腐らせるしか能がねーからよぉ」

うっとりとした表情で、囁くように話しかけるジョルジュ。

( ゚∀゚)「ま、こんな体になった今じゃあ、お前の風を消すぐらいしか使い道ねーんだけどよ。
     どうよ? 自分に憑いてた悪魔で攻撃される気分は」

ジョルジュは、わざわざ『憑いてた』にアクセントをつけて、嫌らしい笑みを浮かべた。
その顔を見ても、ブーンは無言。
口を開く代わりに、十二枚の翼を、ばっ、と大きく広げ――残像が見えるほどの速度で打ち振った。

( ゚∀゚)「うぉっ!?」

ばごん、と音を立てて叩き付けられる風に、思わずよろめくジョルジュ。
あまりの密度に質量さえ感じさせる風は、『ヴィゾフニル』の風をものともせずに突き抜けて、狼の鼻っ柱を強打した。
驚いた表情のジョルジュに向かって、挑戦的に口を開くブーン。

( ゚ω゚)「ナイフで切れない壁があるなら、ハンマーを使ってぶち壊せばいいんだお」
( ゚∀゚)「……やっぱり、堕天使サマともなると一筋縄ではいかねえってか。んじゃ……」

50 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:51:38.83 ID:iklecO660
これはどうよ?
そう言って、ジョルジュは嗤いながら『フェンリル』の大顎をがぱりと開いた。

(;゚ω゚)「っ!!」

『フェンリル』の口内に、全てを飲み込む混沌が生まれたのを確認するまでもなく、
ブーンは持てる力を総動員して横っ飛びに飛んだ。

( ゚∀゚)「ガガウッ!!」

それと同時に、『フェンリル』の口が一気にばくりと閉じられる。
『フェンリル』の力、空間を喰らう能力。
その力は対象であるブーンを捉え損なって、その背後、直線上にあった空気全てと浮かぶ雲、
そしてオゾン層の一部までもを、半径10mの円柱状に喰らい尽くした。

( ゚∀゚)「ちぃ、惜しい!! 逃げ足だけはゴキブリ並。数倍上になってやがんなぁ」
(;゚ω゚)「く……」

さして残念そうな様子も見せずに笑うジョルジュ。
ブーンは背中に冷たい汗を流しながら、歯がみしてジョルジュの楽しそうな笑い声を聞いた。

(;゚ω゚)(やはり、『アレ』だけは止めようがないかお……)

『フェンリル』の空間喰らい。
下手な小細工などの付け入る隙もない程に、絶対的で純粋な破壊の力。
いかなる防御策をもってしても、根こそぎ噛み砕いてしまうその力を止めることは叶わない。

51 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:52:33.55 ID:uhRWsVpAO
このペースは…さるの予感

52 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:52:47.55 ID:iklecO660
( ゚ω゚)(ならば……ボクの力で、直接ジョルジュを叩くしかないお)

へらへらと笑うジョルジュの首。
『悪魔』を制御するために唯一残された、ジョルジュ本来の人間部分。
すべての核となるそこを、叩く。

( ゚ω゚)(チャンスは一度きり……。絶対に、外すわけにはいかない)

そう決めたブーンは、大きく上昇。
ジョルジュのいる水平面上よりも上に陣取って、鋭い目つきで醜いキメラを睨み付けた。

( ゚∀゚)「……はっはーん? なんか楽しいことを思いついた目だな」

不自由そうにブーンを見上げながら、ジョルジュが目ざとくブーンの変化を掴み取る。

( ゚∀゚)「いいぜぇ、ブーン……。来いよ。お前の全身全霊をもって、俺を止めてみせやがれ」

言って、挑み掛かるような獰猛な笑みを口の端に上らせるジョルジュ。
見下ろす堕天使と、見上げるキメラ。
人の形をした人でない者と、人の姿を捨てた人であった者。
二人の間に、一瞬の静寂が舞い降りて。

そして、動いた。

53 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:53:39.66 ID:iklecO660
( ゚ω゚)「ぬあっ!!」

強く叫んで、ブーンが背の翼を打ち振るう。
目にも止まらぬ一挙動で羽ばたいた翼は、その一瞬で周囲の大気を隷属させ、巨大な空気の塊に作り替えた。
ジョルジュ目掛けて放たれる不可視の鉄槌。
その大きさは、先ほどジョルジュに放たれた物よりも遙かに大きく、そして速い。

( ゚∀゚)「やっぱそうくるかよ!!」

眼前に迫り来る大質量の空気の壁に対して、しかし、ジョルジュは小馬鹿にした笑みを浮かべた。
同時に打ち振られる『ヴィゾフニル』。
純白の翼は大量の白い羽をばらまきながら、ブーンが放った物と全く同じ空気の塊を作り出した。
激突。

( ゚∀゚)「ヒャーハハハ!! 風を操るなら、『俺のヴィゾフニル』の方が十八番だぜぇ!!」

猛烈な勢いで吹きすさぶ風の奔流に頬をなぶられながら、あくまでも嘲笑を振りまくジョルジュ。
そして、未だ激突の残滓が残る空間を、キメラの尻尾が走り抜けた。

54 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:54:09.63 ID:5HAy25tTO
さる回避ぃいいい

55 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:55:33.84 ID:iklecO660
じゃりん、じゃりん、と鱗を鳴らしながら、囲い込むように長く伸びてブーンに飛びかかる『ニーズホッグ』。
ブーンを一呑みにできそうな口が大きく開き、そこから鋭い威嚇音と共に毒液が発射された。

( ゚ω゚)「ふんっ!!」

ばふ、と翼をはためかせ、毒液を吹き散らすブーン。
しかし、

(;゚ω゚)「づあっ!?」

ど、という鈍い音とともに、ブーンの太股に猛烈な痛みが爆発した。
慌てて視線を下げるブーン。
そこに手のひらほどの黒い鱗が突き立っているのを発見して、ブーンは小さく舌打ちをした。

56 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:57:01.77 ID:iklecO660
(;゚ω゚)「くそ……忘れてたお、こいつの攻撃を……」

そう言って、鋸歯のような縁を持つ黒塗りの鱗を掴む。
一気に引き抜いた。

(;゚ω゚)「っぐぅ!!」

ブーンの脳内に、痛みが渦を巻く。
しかし、ブーンは金剛石のごとく強い意思の力で、迸りそうになる悲鳴を押し殺した。
細かい肉片をまとわりつかせた鱗を、無造作に捨てる。

(;゚ω゚)(鱗自体の殺傷力は、それほどでもない……でも、痛みがもの凄いお)

気をつけねばなるまい、と思ったブーンが、周囲に目をやる。
するとそこには、すでにブーンを何重にも囲い込んでとぐろを巻く大蛇の姿。

( ゚∀゚)「注意一秒、怪我一生、ってなぁ!!」
(;゚ω゚)「しまっ……!!」

痛みに気を取られて、ブーンはいつの間にか夜の空に制止してしまっていた。
ジョルジュが会心の笑みを浮かべる。
ブーンは全速力で包囲からの脱出を試みる。
その瞬間、『ニーズホッグ』の体表から、数え切れない程の黒い弾丸が発射された。

57 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:57:30.36 ID:uotWULnCO
しえん

58 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:57:42.37 ID:5W2pYa/yO


59 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:57:55.88 ID:iklecO660
(;゚ω゚)「く……そっ!!」

鱗が発射されるのを見て、ブーンは吐き捨てるように言うと、速度を緩めて鱗に正対した。
移動の力を削り、周囲の風を支配下に置くブーン。

( ゚ω゚)「はぁっ!!」

裂帛の気合いと共に、ブーンの周囲に巻き起こる風の激流。
台風の暴風域を軽く数倍するその障壁に、鱗は次々とはじき飛ばされていく。
だが、

(;゚ω゚)「うぐっ、あ!?」

翼の一枚に、鈍い衝撃と鋭い痛み。
まんべんなく全周囲から襲いかかる鱗の一枚が、障壁の合間を縫ってブーンに到達していた。
力の源である翼を傷つけられ、ぐらりと空中で傾ぐブーン。
その一瞬の隙は、荒れ狂う風の隙間を増やしてしまう。

( ゚∀゚)「おおーっとぉ、どしたどしたぁ!? お留守でがら空きでユルマンかシニゾコナイ!!」

下卑た野次も、必死で鱗を防ぐブーンには届かない。
づど、と再び衝撃音。
ブーンの脇腹に深くめり込んだ鱗が、致命的な隙を作り出す。
僅かな隙。しかし、限りなく致命的な隙。
ジョルジュの目がギラリと光り、『フェンリル』の口がブーンの方向に向けて噛み合わされた。

60 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:58:51.63 ID:oiW3YGEp0
支援

61 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 22:59:51.87 ID:iklecO660
――じゃ ぐんっ

背筋が震えるような不吉な音を耳元で聞いたブーンは、突如として体が浮力を失ったことに気が付いた。
がくり、と大きくよろめいて、ゆっくりと落下を始めるブーン。
とてつもない喪失感に気づいて背後を見やったブーンは、
己の翼が五枚、ざっくりと囓り取られていることを発見して愕然とした。

( ゚∀゚)「チッ、外したか。でもまぁ、いいか……」

落下を始めたブーンを見上げて、ジョルジュは苦々しげに舌打ちをする。
だが、すぐにぎらついた笑みをその顔に上らせて、『ヴィゾフニル』を強く強く打ち振った。

( ゚∀゚)「自分の持ってた悪魔の力で、死ね!!」

ごう、と音を立てて舞上げられる大気の渦。
渦は巨大なカマイタチとなって、元の主であるブーンを襲った。

( ゚ω゚)「かかった!!」

渦巻く暴力が生み出されたその瞬間。ブーンの目が鋭く細められる。
続いてブーンは、残った七枚の羽を使って大気を収束。強い羽ばたきをもって射出した。
『アザゼル』の力により形成されたそれは、細く、鋭く、強固な風。
まるで槍の様な姿を持たされた風は、その形状に恥じることのない速度と貫通力で飛翔。
渦巻く暴風を一瞬で貫くと、キメラの額、狼の顔の中で笑うジョルジュの頭部に落下した。

そして、命中。

62 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:00:38.13 ID:oiW3YGEp0
支援

63 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:01:17.30 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「風の……槍、か」

自らの額から一筋の血を垂れ流し、ジョルジュが呟く。

( ゚∀゚)「まさか、捨て身で……俺の手が埋まった隙を突いて、こんなモンをぶち込んでくれっとはなぁ……」

そう言って、狂った殺人鬼はニタリと笑った。

( ゚∀゚)「でも、ちょい読みが浅かったみてぇだな?」

がさり、と。
顔を防御していた大鷲の翼をどけながら、ジョルジュは血に濡れた顔面をブーンに向けた。
ジョルジュの首の横から生えた翼は、風の槍を受けて目茶苦茶に破壊されていたが、自身は傷一つ負っていない。
その姿を見て、ブーンの目が驚愕に見開かれる。

(;゚ω゚)「しまった……『アガレス』か!!」
( ゚∀゚)「ご名答ゥ!! わかったところで、安心して死ねよ!!」

ジョルジュが高らかに叫ぶのと同時に、ブーンは巨大なカマイタチの渦に巻き込まれた。
力を使い切って無防備に晒されていた体は、風の奔流に抗う術を持っていない。
それでも体を縮こまらせて、なんとかカマイタチをやり過ごそうとするブーン。

(;゚ω゚)「ぎゃっ!!」

だが、それだけで暴風を避けきれる筈もなく、ブーンの体には無数の傷が刻まれていく。
最後に大きくはじき飛ばされると、ブーンは黒い羽を撒き散らして落下していった。

64 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:03:30.67 ID:iklecO660
(;゚ω゚)「うぐ、ぐ…………っあ!!」

長い落下を経て、ブーンはようやく自由を取り戻した。
ばざっ、と傷ついた翼で空を掴み、再び浮力を得ることに成功する。

(;゚ω゚)「はー、はぁ、っぐ、く……」

声も出ないほどの痛みに呻き、肩を握りしめて苦痛に耐えるブーン。
だが、それよりももっと大きい喪失感が、ブーンの体を大きく震わせる。
ブーンの背中にあった、六対十二枚の漆黒の翼。
それらは噛み千切られ、切り飛ばされて、今やその数を僅かに一対残すのみとなっていた。

( ゚∀゚)「ギリギリで風を操ったかよ……。でも、その様子じゃあもう終わりだな」

限りなくボロボロの姿となったブーンを見下ろして、ジョルジュが上空から嘲笑を投げかける。
その声に反応したブーンは、こちらを向いた『フェンリル』の顎にびくりと体を震わせて、残った翼で回避を計る。
しかし、

( ゚∀゚)「おぉっと、動くなよ!! 動いたら後ろのお姫様がガッツリ死ぬぜぇ!!」

鋭い声で、ブーンを制止させるジョルジュ。
ぎくりと体をこわばらせたブーンは、背後を振り返り、自分とジョルジュの直線上に礼拝堂があるのを確認した。

( ゚∀゚)「チェックメイトだ。ダテンシサマ」

ぬらり、と凶眼を光らせて、ジョルジュは不気味な笑みを浮かべた。

65 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:04:06.12 ID:iklecO660
落下により、キメラを見上げる形となったブーン。
凍り付いたように動かないブーンの、苦々しげな表情を見下ろすジョルジュ。
攻防の前にあった位置関係とは逆転したその光景は、まるで勝敗を表わしているかのよう。

( ゚ω゚)「……正気かお。このまま力を使えば、お前も即座に『地獄堕ち』になるんだお?」

相手の様子を伺いながら、ブーンはジョルジュに問いかけた。
隙を見て攻撃を仕掛けようとする意思が感じられる動き。
だが、ジョルジュはピタリと『フェンリル』の大顎を礼拝堂に定めたまま、ブーンの言葉を鼻で笑った。

( ゚∀゚)「んなこたぁ、とっくのとうに承知の上だぜ。『花嫁』の傍には『鏡』も転がってるしな」

ジョルジュに憑く四体の悪魔、そしてブーン=『アザゼル』を、この世につなぎ止める『鏡』。
地獄の引力を相殺する力を持つ『鏡』を破壊するということは、悪魔達の全てを地獄に還すということに他ならない。
そして、堕天使であるブーンはもちろん、悪魔にその身のほとんど全てを捧げたジョルジュもまた、
悪魔を還した後に待っているものは、『死』、そして『悪魔憑き』に課せられた『地獄堕ち』という運命。

( ゚∀゚)「でもよ。それでも、絶望したお前を地獄に連れて行けるなら、俺はまだ寂しくないような気がしてなぁ」

そう言って、再び暗い笑みを浮かべるジョルジュ。

( ゚∀゚)「動くなよ。動いたら即、全てを噛み砕く。動かなくても、噛み砕く」

きゅう、とジョルジュの顔から全ての表情が消えた。
その顔に残るものは、純粋に目的を遂行しようとする強固な意志のみ。

66 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:05:41.31 ID:iklecO660
( ゚ω゚)「地獄……地獄、かお……」

ジョルジュの言葉を聞いて。
ブーンは呟くように、だがジョルジュに聞こえるように、ゆっくりと口を開いた。

( ゚ω゚)「地獄は……お前が思っているようなもんじゃないお。あそこには一切の光りが無く、救いも無く、
     ただ永遠に続く苦しみと、逃れられない無限の時間だけがあるんだお」

重苦しい口調で、淡々と語るブーン。

( ゚ω゚)「お前がボクを連れて行こうとするのは構わないお。でも……
     たとえお前が誰と行こうとも、それは欠片ほども救いにはならないお。それこそ、砂粒ほどの希望にも。
     地獄堕ちすれば、待っているものは、終わらない苦痛、消えない意識。そして……狂うことも出来ない絶望」

言葉は流れるように口をつく。
それは、ただ経験ゆえに。
神話の時代から地獄に棲まう堕天使は、ただ事実のみをジョルジュに語った。

( ゚ω゚)「それでもいいのなら……その口を閉じればいいお。
     お前にその覚悟があるのなら、お前は地獄に堕ちる資格があるお」

そう言うとブーンは、ふっ、と体の力を抜いて手を広げた。
背に残るは二枚の翼。
傷ついていない場所は無いほどに傷ついた体は、とめどなく血を流し続けている。
しかし、それでも――その姿は、かつて天上の者であったことを証明するかのように、神々しい姿だった。

67 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:06:56.23 ID:ga3Sq3iIO
調子こいて描いてみた・・・今は反省している

http://p.pita.st/?m=uci2rtif


68 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:06:56.45 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「……」

ブーンの語った地獄の現実。
その内容を聞いて……しかし、ジョルジュは迷わなかった。

どうせ、いつかは堕ちる身だ。
ならば、堕ちたい時に堕ちてやる。
それが、唯一の望みにして願い。

そのためにジョルジュは虐殺を繰り返し、周囲を腐敗させ、腐臭を撒き散らして、哄笑を上げてきた。
今日、ようやくその長い苦痛が終わろうとしている。

( ゚∀゚)(孤独に生まれて、孤独を知って。孤独と戦いながら、孤独の内に死ぬ、か……)

いい人生とは思えない。
だが、悪くない人生だった、とジョルジュは思った。
しかも、その孤独への旅路には、ブーンという存在までもが同行するのだ。
ジョルジュにとって、不服であろうはずがない。

( ゚∀゚)「んじゃ、逝く前に……何か言い遺すことはあっかよ?」

心を固め、奥底に沈めて。
ジョルジュがブーンに問いかける。

69 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:08:29.46 ID:iklecO660
言い遺す言葉。
この世での、最後の発言。
だがしかし、ブーンがその言葉を伝えたい人は、未だ深い眠りにつき、
ブーンの言葉が伝わる事は無い。

( ゚ω゚)「ボクが……遺す、言葉は……」

それでも、ブーンは口を開いた。
大切な人。長い長い時の果てに巡り会うことの出来た、約束の人。
その人に伝わることはなくとも、ブーンの言葉は風が聞いてくれる。
この世に存在する物は、全て繋がっているから。
だから、いつの日か、あの人に伝わることがあるかもしれないから。

( ゚ω゚)「ボクが遺す言葉は……後悔や懺悔の言葉じゃないお。そんな物を遺しても、意味はないお。だから……」

だから、言おう。
大切な言葉を。
伝えたい気持ちを。

( ゚ω゚)「ツン……ボクは、ツンと共に生き、笑い、そして死にたかったお……」

それはブーンの望み。ブーンの願い。
ブーンの中にあった全ての行動の原動力にして、大切な大切な気持ち。
それを言い終えると、ブーンは静かに目を閉じた。

――ばぢゅっ

70 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:10:04.30 ID:iklecO660
( ゚ω゚)「ぐけ……ぶぷっ……」

ブーンの閉じられた目が、激痛にかっと見開かれる。
ゆっくりと視線を降ろすと、そこにはバックリと食らいついた大蛇の頭。
『ニーズホッグ』の牙はブーンの胴体に深く食い込み、全てを腐らせる毒液を注入している。

( ゚ω゚)「んぐっぷ、ろぁ……ぱ……」

喉の奥からせり上がる液体は、どろどろに腐り溶けた自身の中身。
ついには盛大にゲル状の物体を吐き出しながら、ブーンの体は痙攣を始める。

( ゚ω゚)「ぶぷるぁ……けぷ……ぁ……」

がぐがぐと小刻みに震えるブーンの体。
やがてその痙攣は小さなものとなり、最後には時折震えるだけとなって、消える。
だらり、と力なく項垂れたブーンの首が、腐った肉をみちみちと千切りながらボロリと落ちた。

( ゚∀゚)「……」

特に感情を込めることもなく、落下していくブーンの頭を見つめるジョルジュ。
その顔には先ほどまでの強い意思の輝きすらもなく、あるのはがらんどうの気持ちだけ。

71 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:10:24.81 ID:Zm010iVa0
wktk

72 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:11:37.80 ID:uotWULnCO
しえん

73 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:13:26.27 ID:ga3Sq3iIO
wktk

74 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:13:38.13 ID:5W2pYa/yO
今夜は名作が多くて困る。

75 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:13:49.38 ID:iklecO660
( ゚∀゚)「……これで、終わり……か。ハハッ、あっけないもんだな」

ひゅう、と風が流れて、ジョルジュの頬を撫でていった。
その風は優しく、そして夜の気温にはない暖かさがある。
キメラとなったジョルジュにも、その風の優しさは伝わった。。

( ゚∀゚)「欲を出すから、死ぬんだよな……。もっと生きたいなんて願わなけりゃ、よ。
     多分、きっちり終わらせて、きっちり気持ちよく地獄に逝けたんだぜ」

相変わらず虚ろな表情で、どこともなく声を重ねるジョルジュ。

( ゚∀゚)「でもよ。やっぱり、地獄は怖いもんな。死にたくない、生きたい、もっと生きたい、って。
     思った。思っちまった。だから、死ぬ」

そう言って、ジョルジュは星の瞬く夜空を見上げた。
夜空はどこまでも澄んでおり、空には一欠片の雲すら見ることは出来ない。

( ゚∀゚)「そうだろ、ブーン?」

微かに自嘲めいた色をにじませて、ジョルジュが呟くように問いかける。

( ゚ω゚)「……そうだお」

そして、ジョルジュの頭部の後ろに膝をついていたブーンが、静かにその言葉に応えた。

76 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:15:42.11 ID:ga3Sq3iIO
くるか・・・最後の一撃!!!

>>74
禿同

77 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:15:39.45 ID:iklecO660
風が吹いている。
先ほどまでの攻防の時とはうってかわって、穏やかで暖かい風が。

( ゚ω゚)「お前は……最後の瞬間に、まだ生きていたいと思ったお。だから、『フェンリル』ではなく、
     『ニーズホッグ』でボクにとどめを刺そうとした」

ゆっくりと口を開くブーン。

( ゚ω゚)「生きたいという欲が、自分を殺す。だからボクは死なず、お前は死ぬんだお」
( ゚∀゚)「だよな……」

大きくため息をつくジョルジュ。
ブーンは、ジョルジュの首に手刀を当てていた。
避けようのない零距離からの攻撃。
何かの行動を起こそうとした瞬間、ブーンはジョルジュの首をはね飛ばすだろう。
ジョルジュの力をもってしても、その攻撃を防ぐことは不可能だ。

( ゚∀゚)「まずったなぁ……せっかくのチャンスだったのによ。無駄にしちまった」
( ゚ω゚)「ボクのチャンスも、一度きりだったお。どちらが死んでも、どちらも死んでもおかしくはなかったお」
( ゚∀゚)「よせよ……慰めなんていらねぇ。現実を受け止めるぐらいはさせてくれよ」

ジョルジュがチャンスを逃した瞬間。
その瞬間こそが、ブーンの、たった一度のチャンス。

78 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:16:00.20 ID:P/quBY3aO
wktk

79 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:17:56.59 ID:iklecO660
( ゚ω゚)「ボクの力。『スケープ・ゴート』。一人の相手に対して、一度きりの切り札。
     翼の一枚を代償に、死を一度だけ回避するお」

そう言ったブーンの背には、すでに一枚しか翼は残っていない。

( ゚∀゚)「『地獄の山羊使い』らしい力だな……お前もギリギリだったわけだ。
     ッハ、死線なら何度も潜ってきたのによぉ。最後の最後で……ついてねぇぜ、まったく」

ククク、と喉を鳴らして、楽しげに笑うジョルジュ。
その笑いには、もう腐臭も禍々しい色も残ってはいない。

( ゚∀゚)「最後に、聞かせてくれねぇか。俺をぶち殺さなくても、『鏡』をぶち壊せばそれでよかったんじゃねぇのか?
     どうせお前も、いつかはアソコに還るんだしよ。なんで、こんなまどろっこしいことしたんだよ?」

いっそ清々しいほどに虚ろな表情で、ジョルジュが背後のブーンに問いかける。
その問いに、ブーンはしばし逡巡した後、

( ゚ω゚)「……ボクも、結局は生きていきたかったのかもしれないお……」

迷うように。だが、はっきりとした声で答えた。
その答えに、ジョルジュは破顔一笑。
最後に、ブーンにだけ聞こえる声で何事かを呟くと、すぅ、と静かに目を閉じた。

『あざ笑う殺人者』の首が、夜空に舞った。

「生への渇望」終

80 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:19:55.63 ID:MbbJvbo00
終わったのか?

81 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:21:30.76 ID:mxUz7YlXP
とりあえず作者乙

82 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:21:59.24 ID:/N8bYdQv0
エピローグwktk

83 :携帯より:2006/11/12(日) 23:22:22.42 ID:ARYUdkQ0O
さるった…

84 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:22:56.88 ID:ga3Sq3iIO
いよいよ・・・終局か・・・。



何か物悲しいな(*´・ω・`)

85 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:23:11.57 ID:iklecO660
エピローグ


静かな。とても静かな夜だった。
破壊された礼拝堂は、吹き飛んだ天井から差し込む月の光に照らされて、青白い空間を作り出している。
静寂の空気が支配する空間。
そこにあるのは、眠り続けるツンと、軍用コートを着た男の亡骸、その亡骸と手を繋ぐようにして息絶える女性。
そして、自らの存在を支える『鏡』をもった、一枚の翼を背負う傷だらけの堕天使のみ。

( ゚∀゚)『……いいことを、教えてやる』

堕天使の傍らに転がる生首が、低く呪詛を垂れ流すかのように口を開く。

( ゚∀゚)『その鏡は『八咫鏡』。かつて彼の国が象徴として奉っていた神器。まぎれもない神話の時代の遺物。
     もう、この世に現存する神器は、それ一つしかない。儀式の核となりうる最後の神器を破壊すれば、
    以降『悪魔降ろし』は未来永劫行われず、地獄の悪魔共がこの世に這い出ることは無くなる』

もちろん、お前もな。
そう言って、かかかと笑う生首。

( ゚∀゚)「選べよ。儀式の執行者がいなくなった『鏡』から、無制御に悪魔が垂れ流されるこの世を作るか、
     それとも『鏡』を破壊して、悪魔のいないクリーンな世界を作るか。どっちにしろ、死んだ俺には関係ねーし、
     ヨゴレきったお前は、もはや人間に転生するこたーできねぇ」

86 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:23:50.68 ID:ga3Sq3iIO
>>83
ちょwwwwwwwwwwwwww作者!?wwwwwwwww

87 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:24:18.30 ID:iklecO660
( ´ω`)「……ボクは……」

生首に視線を移そうともせず、堕天使は『鏡』を持ったまま項垂れる。
その姿は悲哀。
絶望を越えた時の果てで掴んだ未来が絶望しかなかった事に対する哀しみ。

( ゚∀゚)『まだ、生きたいなんて思ってんのか? やめとけやめとけ。神の居ないこの世界で、
     お前の罪が許されることはねぇ。現にこんだけ腐りきっても、洪水一つおこりゃしねぇ』

馬鹿にするように、生首が『無いはずの肩』をヒョイとすくめる。

( ゚∀゚)『ゲームオーバーだ。終わりだよ。お前の夏休みはこれにて終了。とっとと地獄に還ろうぜ?』

どこまでも人を食った嗤いを浮かべて、生首は饒舌にベラベラと喋った。

( ゚∀゚)『それとも……世界をスケープ・ゴートにして、自分のエゴを貫くか? 『鏡』を割らなきゃそーなるぜぇ。
     言っとくが、『花嫁』の烙印は消えねぇ。悪魔共にしてみりゃ、いいご馳走だ。
     惚れた女の傍に居るためだけに666匹の悪魔全てを相手取って、この世に地獄の戦争を巻き起こすかよ?』
( ゚ω゚)「っ、ボクは……っ!!」

耐えかねたように、生首を見やる。
しかし、そこに転がっているのは、人の頭大の瓦礫のみ。
ヒャヒャヒャ、と耳に障る笑い声を遺して、生首は忽然と姿を消していた。

88 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:26:09.12 ID:iklecO660
( ´ω`)「ボクは……」

堕天使は考える。
自分のしたいことは何かを。
自分の望みは何なのかを。

( ´ω`)「でも、ボクは……」

そして、堕天使は同時に考える。
自分の罪を。
自分の成したこと全てを。

( ´ω`)「ボク……は……」

呟きが夜気に消え、辺りに静寂が戻ってくる。
もう、おしゃべりな生首も転がっていなければ、耳障りな嘲笑も聞こえはしない。
そこには静寂と、死体と、人間と、鏡を持って立ちつくす堕天使のみがいた。

( ´ω`)「………………」

沈黙する堕天使。
そのまま彼は、長い長い間そのまま立ちつくした。
立ちつくして、立ちつくして、それでもまだ立ちつくして。
空がうっすらと明るさを取り戻そうとする頃に、深く大きなため息をついた。

そして―――

89 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:26:38.41 ID:ga3Sq3iIO
wktk


というより、ハラハラしてる俺ガイル

90 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:26:53.78 ID:iklecO660








――――破砕音









91 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:28:11.64 ID:iklecO660
鋭く短い、何か硬質の物が壊れる音を聞いた気がして。
ツンは、重い瞼をゆっくりと開いた。
ぼんやりとにじむ視界。
長い長い間閉じられていたかのように、ツンの眼は空気に触れると激しい痛みを訴えた。
ぽろり、と涙がこぼれ落ち、白い陶磁器のような頬を伝って落ちる。

ξ゚听)ξ「ここ……は……」

見覚えがあるような、無いような。
そんな妙な既視感が押し寄せ、ツンの頭は混乱する。

自分は何をしていたのだったか。
自分はどうしてここにいるのか。

何も思い出せず、唐突に会社を休んでしまってどうしようといった些末ごとが浮かび、
ツンはとりあえず頭を軽く振って全てを振り払った。

ξ゚听)ξ「……?」

その時、ツンの視界に入る物があった。
キラキラと輝く無数の破片。
元は鏡であっただろうと推測される物体は、力任せに叩き付けられたかのように砕け散り、
広い範囲に渡って散らばっている。

破片の周囲には、無数の薄汚れた羽。
ぱっと撒き散らされたように見えるそれらは、破片と同じく視界一杯に広がっていた。

92 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:28:34.74 ID:rgEteBuKO
http://c-au.2ch.net/test/-/sake/1160214305/n

93 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:28:39.83 ID:ga3Sq3iIO
ブーン・・・。

。・゚・(ノД`)・゚・。

94 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:29:01.87 ID:P/quBY3aO
遂に終りを迎えるか…

95 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:30:13.67 ID:EFIbRVFT0
◆◆◆◆◆10秒規制乙、VIPで2ch最速1000記録出さないか?◆◆◆◆◆
スレ立て日時:24:00ジャスト
↓↓24:00にここにアクセス↓↓
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1163343600/

時計あわせはhttp://www2.nict.go.jp/cgi-bin/JST.plや桜時計など
なぜあらかじめ立つスレのURLがわかるのか 等の疑問はまとめサイトへ。
http://www.viplog.net/mach1000/

過去最高記録:49秒(現在2ch史上最速)
( ・д・)マチュイ・・・
http://ex10.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1117035000/

現在の会議室
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1163339903/

96 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:30:20.54 ID:iklecO660
ξ゚听)ξ「……あ……」

視界一杯に広がる、薄汚れた無数の羽。
その羽を見た瞬間、ツンの脳裏に蘇る記憶があった。
見た筈もない優しげな笑顔と輝く翼。
そして、視界を覆う水の奔流。
おいしいと、言ってくれた声。
曇天に舞う純白の翼。

ツン自身の、体験していない筈の記憶。
でも、それらは全て曖昧で、掴もうとした瞬間にほとんどがかき消えてしまった。

ξ゚听)ξ「あ、あ……あぁ……」

忘れてはいけないのに。
消してはいけないのに。
なのに、消えていくのを止められなくて。
どうしていいかわからず、ツンは困ってしまって。

泣きそうになるツンは、しかしたった一つだけを掴み取ることに成功する。

ξ゚听)ξ「ぁ…………」

それは、知らないはずの誰かの、知らないはずの体温。
生の温度。生きていることの証。
そして、その体温は、記憶にある物の他にもう一つ。

97 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:31:29.89 ID:iklecO660
ξ゚听)ξ「……暖かい……」

ツンは、自分を抱きしめていた力強い両腕に、今更ながらにやっと気づいた。
その腕は傷だらけで、傷がないところを探す方が難しいくらい。
でも、腕はそんなことはお構いなしに、強く強くツンを抱きしめて離さなかった。
伝わってくる体温。背中に感じられる心音。
遠い過去に置いてきた筈の、その温もり。
生きていることの証であるそれらを感じて、ツンの心の中に暖かみが生まれる。

そっと傷だらけの腕を抱きしめて、目を閉じ頬を寄せる。
さらさらとツンの髪の毛が流れ、黄金色の流れをその腕に作った。
じんわりと伝わる体温は、やがてツンのものと一つに溶け合い、全く新しい温度を作り出す。
それはとても自然な成り行きで、そうなることが当然といわんばかりの現象。

しばしその体温を感じてから、ツンは目を開き、背後にある顔に目を向ける。
ボロボロの傷だらけ、とても見られた物ではない顔。
しかし、ツンはその顔を見て、何故だか、とても愛おしいと思った。

ξ゚ー゚)ξ「……おはよう」

口をついて出たのは、傷を心配する言葉でも、誰かと誰何する声でもなく、ただ親しい人にかけるような挨拶の言葉。
その言葉を聞いて、背後の男はにこりと笑う。

( ^ω^)「おはようだお、ツン」

その顔は安らぎに満ちていて、自分が世界一幸せであることを全く疑っていないようだった。

98 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:32:24.55 ID:iklecO660
そして、朝日が昇ってくる。
遙か遠くの稜線から白光が差し、世界に光を溢れさせる。

空には、未だに夜の部分が多い。
紫色に染まる夜の領域は、しかしいずれ太陽に駆逐され、闇の世界へと退散するだろう。
終わらない夜は、世界が生きている限り来ることはない。


静かに一組の男女が抱き合う世界。そこに朝日が差し込んだ。
明るい光。
生の温度を感じさせる光。
大地の全てのものに、平等に注がれる自然の恩恵。

その光に照らされて、鏡の破片と散らばった羽が闇を振り払う。
床一面に広がった灰色の羽は、一瞬だけ純白に輝き、溶けるようにその姿を消した。
鏡はその場に残り、その一つ一つに明るい世界を映し出す。

その破片の一つ。
最も大きいその中に。
朝焼けの空に輝く明けの明星がちらりと瞬き、しかし、すぐにそれは見えなくなった。

後には、ただ明るい空だけが広がっている。



( ゚W゚)ブーンは悪魔憑きとなったようです 〜完〜

99 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:33:00.36 ID:d7nI3fMe0
乙ww感動したwww

100 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:33:51.64 ID:x7Zk329hO
不覚にも濡れた

101 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:33:54.24 ID:/N8bYdQv0
( ^ω^)乙だお。楽しませてもらったお。

102 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:34:32.65 ID:5W2pYa/yO
作者さん乙

103 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:34:50.19 ID:ga3Sq3iIO
作者、お疲れ様・・・いいラストだったぜ

104 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:35:07.05 ID:uPEPOJvLO
うわああああ!!乙!!

感動した!!!!!!


105 :sage:2006/11/12(日) 23:35:09.87 ID:qSeo6PhR0
( ^ω^)

106 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:35:26.34 ID:iklecO660
ああ、終わった……物凄く長く長くなりましたが、これにてこの物語は終了です。
読んでくださった方々、支援してくださった方々、本当にありがとうございます。
絵を描いて下さった方には、深い感謝を。
全ての人のwktkなどの書き込みが、書いている間の原動力でした。

さて、馴れ合いは不謹慎ではあるのですが、もしもここがわからない、この伏線はどうなった、
などの質問があれば、お気軽にどうぞです。

107 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:36:24.61 ID:P/quBY3aO
作者乙!!熱い物語だった!!!

108 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:36:26.90 ID:uPEPOJvLO
生への渇望
http://kjm.kir.jp/?p=70108

109 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:36:47.91 ID:ga3Sq3iIO
じゃあ、一番気になる質問から逝こか
ずばり、ブーンはラストの時点で生きてるのかね?

110 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:38:28.77 ID:mxUz7YlXP
なんだよこの作品、ふざけんなよ。

wktkで風呂に携帯持っていっちまったじゃねえかよ。寒いんだぞ、風邪引くかもしれないぞ。慰謝料ry


うん、なんつーか作者乙

111 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:39:02.40 ID:OrbEYRxVO
正直に言うと、物足りなかった
多分外見をカッコ良くしようと懸命だったのだろうけど、それと同じぐらいキャラのバックグラウンドに説得力を持たせて欲しかった

なんて言っても俺は少数派だろうけど。乙

112 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:39:27.14 ID:ga3Sq3iIO
>>110
バロッシュwwwwwwwwwwwwww

113 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:39:43.16 ID:mxUz7YlXP
じゃぁ質問

渋沢の悪魔は何?

114 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:39:52.30 ID:iLC1HJ/U0
このドラマに参加しよう!
VIPのみんなで楽しく盛り上げよう!!
http://hishiki.s9.xrea.com/cgi-bin/dorama+++2/dorama.cgi

115 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:40:45.89 ID:o9ddRdtyO
乙!おつ!感動した!
長く見させて貰ってたがこんなにブーン小説に夢中にさせられたのは運命に喧嘩のヤツ以来だぜ 良作をありがとう

116 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:42:05.49 ID:iklecO660
>>109
これはもう、確実に生きてます。しかも、罪を赦されて、人間として。
黒い堕天使の羽が灰色になり、最後に純白となって消えたのが、何気にそれを示しています。

>>113
渋沢の悪魔はぶっちゃけ考えていn……げふんげふん。
最初はグレイマンという悪霊を考えていたのですが、最後まで出てくることはありませんでした。

117 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:42:41.66 ID:o9ddRdtyO
質問
流石兄弟はその後どうなったんだ?悪魔に浸食され尽くして地獄落ちしちゃったとか?

118 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:43:10.73 ID:P/quBY3aO
ギコとかの過去も詳しく知りたいな

119 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:43:47.63 ID:amAKoc9bO
ドクオとかの死に様があっけなくて残念
だが乙

120 :sage:2006/11/12(日) 23:47:08.24 ID:qSeo6PhR0
おもしろかった

121 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:47:14.94 ID:iklecO660
>>110
自分のように風邪引かないようにwwww

>>111
ジョルジュにしろ、ギコにしろ、しぃにしろ。
バックグラウンドを書けたキャラは少ないし、しかも数レスしかかけませんでしたからね……
感じる人は多分、結構いるんじゃないかと。

>>117
流石兄弟はホムンクルスであり、悪魔を縛る魂を持っていません。
それ故に悪魔に浸食されますが、浸食されきったとしても、
生物的に死ぬだけで地獄堕ちはしません。地獄堕ちする魂を持たないからです。
悪魔の力は失いましたが、彼らはその機能が停止するまで、人間として生きる筈です。

>>118
ギコは……残念ながら地獄堕ちしました。
しかし、自分の作品だと、ギコは必ず死んでいる……。好きなキャラなのにorz

122 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:51:05.09 ID:ga3Sq3iIO
>>116
ア・ナール、把握した
つか、グレイマンて…特殊能力は物理反射か?wwwwwwwww

じゃあ、本筋とは関係ないかも知らんが…物語の舞台のモデルはTO〇Y〇ミ〇ニア〇でFA?w

123 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:51:28.77 ID:uPEPOJvLO
最後です。
http://kjm.kir.jp/?p=70123


下手&雑でごめんね(´・ω・`)

作者さん改めてお疲れ様です!

124 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:51:34.52 ID:mxUz7YlXP
質問攻めいくぜ

@ショボンはどうなった?
Aアナザーストーリーとか書く予定ある?
B次回作は?

125 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:53:54.89 ID:ga3Sq3iIO
>>124
俺漏れも、ヒッキーとの戦い以前の部分を描いた外伝とか見たいわwwwwwwwww

126 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:54:58.07 ID:o9ddRdtyO
あー追加で質問
メリルヴィルの晩餐の目的って結局なんだったのかね?

それに対する『花嫁』の役割ってのも劇中じゃ余り語られなかったし(ジョルジュ曰く、花嫁を食えば儀式が起こせてこの世の人間を皆奈落落ちさせられるとかうんたら言ってましたが…)

127 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:56:01.32 ID:WpY8WItT0
作者乙

128 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:56:20.79 ID:OrbEYRxVO
質問大杉ワロタ

129 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/12(日) 23:56:29.16 ID:iklecO660
>>122
グレイマンは死の象徴。なので、印をつけた相手に死の幻影を見せる能力・・・と考えてました。
まあ、そんな暇もなくジョルジュが勝手にぶち殺してしまいましたが。

>>123
そんなことないんだぜ?
何枚も描いていただけて超嬉しかった。サンクスコ。

>>124
1 ショボンは最後まで最下層にこもっていたので、終盤には特に関わってきませんでした。
2 アナザーストーリーとして書きたい物語はあるのですが(ギコ・しぃ・ドクオ・ジョルジュの背景など)
  特に予定はありませんし、書くつもりはありません。
3 次回作はいくつか候補を考えているものの、コレといって決めているものはまだありません。

130 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:56:36.47 ID:P2+YAgQ3O


131 :ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:58:36.07 ID:P/quBY3aO
作者の好きな悪魔の力を教えて欲しい

俺はファフニールが好きだった…ギコかっこ良かったよ…

132 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:00:31.81 ID:GgeeyP1YO
そう言っていただければ幸いです。

修行します(`・ω・')


133 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:01:36.87 ID:zD4hdcah0
>>122
つーか、メガテンは大好きだけどもミレ○アムはちょい違うかもしれないw
「ブラックロッド」という小説の舞台設定を一部参考にしているので、それが一番似ていますね。

>>126
幕間をもう一つ入れる予定だったのを、まとまらなくて削ってしまいましたからね・・・
組織の目的は、世界に悪魔を溢れさせること。そして、その悪魔をすべて支配して、
「世界征服」をすることです。子供の理屈のようですね。
『花嫁』の役割は、生け贄となる魂をすべてまとめる役割のようなものです。
ツンを喰えばその印はジョルジュのものとなり、儀式を執行することが出来る・・・と。

つーか、回収できていない伏線がこんなにあったとはorz

134 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:01:51.19 ID:GgeeyP1YO
安価忘れてました…>>129

135 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:02:00.08 ID:ICfHAHtW0
http://erotyabin.gotdns.com/user/erotyabin/cgi/uproda/img/upsf003750.jpg

↑馬鹿がクリックするとチャットに繋がる不思議な画像

チャットに繋がってしまったあなたへ
まず落ち着いてください
急いで画面を閉じたりパソコンの電源を切ると
かえってあなたが危ない状態になります
まずは「こんにちは」と打ってみましょう

メッセージがでて入れない場合は時間をおいて再入室汁!!!
再入室しないで逃げたら大変

136 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:02:17.95 ID:S6hIGpucO
ギコがブーンと同じようにメタトロンの化身…と考えてた自分がいた。妙にブーンの事知ってる風だったし悪魔を宿した天使…みたいな感じでw

やっぱりドクオの時に水で綺麗サッパリ〜って言ったのはアザゼルの伏線だよね

作者に質問
なんでジョルジュは渋沢を殺したのかkwsk?

137 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:03:31.92 ID:GgeeyP1YO
ミスorz
>>123です…

138 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:04:54.45 ID:F+NyZXvDO
>>133
そっか、思い込みスマソ

つか、没にした設定とか有ったら教えて欲しいんだぜ?

139 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:05:24.37 ID:F68bIKNo0
ふゃ!

140 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:07:55.61 ID:zD4hdcah0
>>131
ジョルジュの『ニーズホッグ』ですかね。やはり最後まで出てきた悪魔でもあるし、
使いようによっては最強なので。
ただし、悪魔として見て好きなのは、北欧系。そして堕天使系と、ソロモン72柱の悪魔です。

>>136
ああ、その伏線に気づいていただけで凄くうれしいwww
ジョルジュが渋沢を殺したのは、自分を邪魔する存在を排除するためです。
ちなみに、ジョルジュは悪魔憑きとなった直後に、地獄堕ちの運命に狂って組織を脱出しています。
絶望と恐怖に狂ったジョルジュは、その勢いのまま立ちふさがった渋沢を殺害。そして最下層に逃げました。
あれです、死ぬことかんがえて「うわあぁぁぁぁぁ」ってなる状態みたいなもんです。

>>138
あんまりないんですが、実は荒巻もアガレス自身だったとか、
ショボンがアバドンの光の分身アポロンだったとか、ですかね。
某悪魔男に被るのでボツにしてしまいましたが・・・・・・

141 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:08:03.37 ID:2RVau+090
リアルタイム見逃したぁああああああああああOTZ

142 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:08:16.52 ID:r8l4VEAiO
神話の世界観がわかって面白い本はありませんか?

143 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:08:50.94 ID:2RVau+090
あ、絵書いてきたけどどうしよう。UPの仕方ワカンネ(´・ω・`)

144 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:10:27.90 ID:QqMozrPo0
悪魔で思い出したが、このサイトもう更新しないなw
ttp://tinpoppo.web.fc2.com/zantei.htm

145 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:11:15.85 ID:HmmmbkiRO
質問責めにしてすいませんが…もう一つ
組織の他の信者(七柱以外)達は劇中ほぼ全く出てきませんでしたが、ブーン達が戦ってた間どこで何をして居て、んで今後どうなっちゃったのかkwsk

146 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:11:24.50 ID:R+m4g7/3O
作者乙!ところでツンが生贄に選ばれた理由は?

147 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:11:59.61 ID:F+NyZXvDO
>>140
なるほど、(*´・ω・`)が飛〇了な展開もあり得たのかw
・・・それはそれでオモロそうでしたな

148 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:12:00.52 ID:zD4hdcah0
>>142
自分も色々本を読んできましたが、特にこれというものはありませんね……。
逆に、一つの本に頼ったりするよりも、書き始めてネットで検索した結果の方が面白かったです。
アザゼルにしても、いくつもの見解があったりしますし、風邪を操る力をもっていたというのも、
検索した結果で初めて知ったくらいなので。

>>143
ttp://www.uploda.org/ を使うと幸せになるかもしれません。作者がwwww

>>144
後でじっくりと見せてもらいましょう・・・フヒヒヒw

149 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:12:38.50 ID:nGreeAYyO
>>140
確かにニーズホッグはある意味最強かもしれないね

しかし、作者は相当悪魔好きなんだなwww

150 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:13:15.99 ID:2RVau+090
>148
Thx。ちょっとトリミングでサイズ直してUpります(`・ω・´)

151 :142:2006/11/13(月) 00:15:47.31 ID:r8l4VEAiO
THANKS

二話から見てたけど終わったなぁって気分だ
今まで乙でした

152 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:16:42.88 ID:NtWWEybIO
|  | コトリバコオイトキマスネ
|  | ∧∧
|_|(´・ω・`)
|呪|o   ヾ 
| ̄|―u'    □ <コトッ
""""""""""""""""

ことりばこ本館  【8箱+4箱】 
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1159996503/

153 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:16:54.51 ID:GgeeyP1YO
できればテュポーン出して欲しかったとか思ったり。

あ、強すぎるからダメか('A`)

154 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:18:00.55 ID:2RVau+090
とりあえず
ミルナ
ttp://www.uploda.org/uporg577950.jpg.html

155 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:18:20.18 ID:zD4hdcah0
>>145
ジョルジュが最下層で出会った友人、渋沢のように、そのほとんどが組織の教えを都市内で垂れ流す、
ただの人として活動しています。組織が信者を必要とする意味は『悪魔憑き』候補を探す以外になく、
それ故に今回の戦闘すらもほとんど知っている者はいない筈です。

>>146
ツンが過去、魂を穢され、浄化されたとはいえ、神話の時代に生きた女性だったからです。
その他に特に理由はないのですが、強いて言えばそれが理由となります。

>>149
それはもう……。この話の前身である話を思いついて、かれこれ5年ですか。
その頃からメガテン……いやいや、悪魔好きでしたからね。
つーても、別にサタニストってわけではありませんが。

156 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:22:02.46 ID:zD4hdcah0
>>153
暴風を操る魔神テュポーンですか……それはちょっと強すぎるwww
一応アザゼルを最強として作っていたので、女神や神クラスの悪魔は出さないようにしていたので。
しかも、ブーンと被る!!ボツですなw

>>154
ナイスミドルktkr!!GJであります!!

157 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:22:19.63 ID:F+NyZXvDO
>>155
構想5年か・・・道理で展開が熱かったわけね

個人的にはクー with アリアンフロッドとか見たかった鴨

158 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:24:38.47 ID:2RVau+090
ドクオ&クックル
ttp://www.uploda.org/uporg577954.jpg.html
荒巻
ttp://www.uploda.org/uporg577961.jpg.html



159 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:27:40.04 ID:2RVau+090
ギコとしぃ
ttp://www.uploda.org/uporg577967.jpg.html

一応、ジョルジュ、ブーン、ショボンも書いたけどスキャナが今手元にないんだよねー・・・

160 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:28:06.40 ID:nGreeAYyO
>>154
渋いの一言に尽きるw

>>155
5年もかけた作品…作者凄すぎるwww

質問応答ありがとう作者さん

161 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:28:17.08 ID:zD4hdcah0
>>157
クーはクーフーリンとか……名前合わせで男神だけどw

>>158
うほっ、美青年wwwwクックルを描いて貰えたのはとても意外でウレシスw
しかし、ドクオはやはり美形として捉えられることが多いのか……。
陰鬱な小男みたいなイメージがあったので、意外といえば意外だったりして。

162 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:30:21.62 ID:2RVau+090
5年もかけてたのか…濃厚な訳ですw

>161
あ、このドクオ修正前だったw;
手元のは目にクマがあったりしてます。些細だけど

>感想
有難うございますm(_ _)m

163 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:30:36.19 ID:SLIKaFXLO


164 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:32:01.52 ID:F+NyZXvDO
>>161
ちょwwwwwwwwwナイスwwwwwww組み合わせwwwwwwwwwwwwwwww

空風鈴が一番好きな悪魔なヤシなだけに尚更だぜ

165 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:34:42.71 ID:HmmmbkiRO
つまり信者なんて名ばかりで組織のことを広め回るだけの存在で、入団(これは語弊があるやも知れないけど)した信者の中に悪魔憑き候補が居たら強制的に儀式で悪魔を憑かせる
こんなところですかね

166 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:34:47.81 ID:zD4hdcah0
>>159
しぃが好みすぎる件について。嫁に下さい……とか言ったら焼かれそうだな、ギコに。
コートの描写をしていてよかた……作者冥利につきますな。他のが見られないのが残念至極。
よければ、また総合にでも投下して下さい。wktkして待ってます。

>>160
物書きの構想○年は、実はその大半が妄想しているだけだったり。
でも、長年の考えをこうして形に出来たのはとても嬉しいです。


さて。名残惜しいですが、そろそろ幕引きをしましょうか。
読んでくださった方々、支援してくださった方々、絵を描いて下さった方々、本当にありがとう。
そして、まとめて下さったお二方に、この場を借りて多大なる感謝を。
できればまた、次回作にてお目にかかれることを願っています。

それでは。

167 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:35:21.27 ID:DyFFVhtIO


168 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 00:36:15.50 ID:zD4hdcah0
カキコの前にはリロードしような、俺……
>>165
ぶっちゃけそうです。組織は七柱が全てと言っても過言ではありませんので。

では。

169 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:37:17.97 ID:Monl3XOYP
本当に乙


オレも寝よう

170 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:37:18.10 ID:GgeeyP1YO
>>161
シリアス作品のドクオは美形が王道なんだぜ?
ヴィゾフニル
http://kjm.kir.jp/?p=70138

171 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:39:28.66 ID:2RVau+090
>167
本当にお疲れ様です!
じゃあ総合に今度投下しようっと。

172 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:39:30.22 ID:HmmmbkiRO
>>166
質問にもちゃんと答えてくれて、楽しかったよ
また次回作立てるつもりでしたらそのときに〜

173 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:40:07.05 ID:GgeeyP1YO
>>162さん、遅ればせながら激しくGJです(`・ω・`)

…弟子にして下さい

174 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:43:17.12 ID:2RVau+090
…みなが寝た後にジョルジュ投下
ttp://www.uploda.org/uporg577971.jpg.html

ノシ

175 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:48:53.10 ID:GgeeyP1YO
>>174

実はまだいるw乙です!おやすみなさい

176 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:53:48.08 ID:F+NyZXvDO
風呂入ってる間に>>1落ちか・・・。

(*´;ω;`)

アンタの作品にはホント、楽しませて貰えたよ
今回のスレ立てで恩に報いられたかな?

じゃあ・・・また別の作品で会える事を祈ってますYO

最後に・・・ホント乙だったぜ!!!(*`・ω・´)b

177 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:59:23.69 ID:m8Xijm55O
ドクオって極端だよなw
見てられないくらいのキモメンwかめちゃめちゃイケメンか

178 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:01:25.56 ID:SLIKaFXLO
個人的には七つの大罪も出して欲しかったなあ

179 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:07:45.93 ID:F+NyZXvDO
>>178

ルシ様
蠅王
ベリアル
アバどん
レビィアたん

・・・あと何だっけ?


180 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:09:44.18 ID:SLIKaFXLO
確かルシファー、サタン、リヴィアサン、アスモデウス、ベルゼブブ、マモン、ベリアル

181 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:11:44.96 ID:F+NyZXvDO
>>180
大御所ばっかだな
thnx

182 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:12:51.22 ID:GgeeyP1YO
>>177

だから人気なんじゃ?
そもそもドクオはVIP生まれ?

183 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:17:11.72 ID:SLIKaFXLO
ちなみにドクオ(毒男)は独身男性板のイメージキャラクター。元々は可哀想なキャラクター

184 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:17:23.90 ID:2RVau+090
>175
Σ(*ノノ)

>177
私の場合、ドクオは取りあえず「ネガティブでガリでもてない要素がある」としか考えてなかったり
顔はともかく性格に難があるとか、チビとか、ブサとか。
ドクオは独身男なので必ずしもブサって決まってないんだよなー

>七大罪
そういや系統が二種類合って悪魔の面子とか罪の内容が違うらしいな

185 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:26:05.15 ID:GgeeyP1YO
>>183

知らなかったw
てっきりVIPPERを象徴したキャラだからイケメンとブサメン両タイプあるのかと。

186 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:38:18.89 ID:SLIKaFXLO
VIPから生まれたのは内藤や荒巻、ジョルジュ………

187 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:39:26.61 ID:F+NyZXvDO
>>186

ツンやクーは?

188 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:41:35.12 ID:HmmmbkiRO
ドクオは独男板だっけか

189 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:56:50.30 ID:2RVau+090
>187
ツンは「ツンデレのAA作ろうぜ」ってスレが立って決まったはず。Vipだったかな。
そのせいか、ツンは内藤とよくカップルになってるようで
クーは知らないけど、素直クールをAA化したんだろうからツンと同じ由来じゃないかな

190 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:58:18.25 ID:F+NyZXvDO
>>189
なるほど、把握した
わざわざd

191 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 02:35:48.52 ID:uEMj14Fc0
>>1
もういないだろうけど1乙

192 :ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 02:36:06.29 ID:bQYz7+bi0
空気読まずに今北乙

193 : ◆DIF7VGYZpU :2006/11/13(月) 02:45:15.09 ID:oXRGwMDI0
>>174
なんとなく雑談で残るスレは好ましくないので、こんな時間にこっそりと。
ありがとうございます。ファッキンなジョルジュ、超カコイイ!!

>>191-192
わざわざ総合からサンクスw

では、本当に ノシ

194 ::2006/11/13(月) 05:25:28.78 ID:kgcNXMvYO
なんとなく保守

195 :VIP村人s:2006/11/13(月) 06:44:30.04 ID:nCduNm8oO
まだ読んでないけど乙

196 :VIP村人h:2006/11/13(月) 07:41:03.25 ID:JlA5dyiKO
保守

197 :VIP皇帝:2006/11/13(月) 07:45:35.26 ID:y4iQMSlVO
ツンは本名パフェたん

198 :VIP乙女:2006/11/13(月) 08:37:41.04 ID:aw4bDWVh0
  〈ヘ '、 〉 /ヘ. ヽ i / ハヘ i / 、
  ゝ i. 〈 / _,,ノゝ.ソゝ',,_ ソイ/ヽ′
   < ヽ )c(:::)     (:::) /7>′
   く. ゝゝ ````````` ノ く パフェたん……
      メ /` 、--z=< メ
       ,'`"' <爪k  .:!
       !  ヽ ''^'' ヽ ヽ

199 :VIP悪魔:2006/11/13(月) 09:47:10.19 ID:2B3gsR20O
age

200 :VIP悪魔:2006/11/13(月) 10:05:29.69 ID:IHIpV67r0
saga

201 :VIP侍:2006/11/13(月) 10:47:01.60 ID:KCbZUCUjO
作者 乙



202 :VIP奴隷:2006/11/13(月) 11:10:09.64 ID:uBX+RTdqO
更新される度にまとめ読んでた。作者超乙

203 :VIP村人g:2006/11/13(月) 11:15:04.90 ID:sLf10c430
乙ww

204 :VIP村人b:2006/11/13(月) 11:47:30.43 ID:HkJjE9Xx0
作者乙!超乙!

205 :VIP村人m:2006/11/13(月) 12:54:56.54 ID:SLIKaFXLO
改めて乙

206 :VIP足軽mp3:2006/11/13(月) 12:56:51.90 ID:PLU6ewXL0
総合落ちたまま立ってないんだな…なんてスレ違いだが

207 :VIP侍:2006/11/13(月) 13:01:03.22 ID:ingmmuJSO
乙!

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