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( ^ω^)ブーンはギアスを手に入れたようです

1 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:01:25.55 ID:7jAMFL3B0
ブーンの命令だお、僕に絶対逆らうなお

2 :北町奉行:2006/12/04(月) 01:02:41.98 ID:WVFvx28A0
相手の目直接見なきゃいけないんですけど

3 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:02:45.39 ID:7jAMFL3B0

「…………」

ただただ、時間だけが過ぎていく。
そんな自分に焦燥しつつも彼は動き出せずにいた。その時を待つようにして。

「もう一眠りするかお」

そう言いながら腕を枕代わりにして机に伏せる。これが彼の、内藤ホライゾンの基本形だ。

「うっす。暇そうな顔してんな」

細身に細目の男がにやけながら話しかけてきた。名前をドクオといい、内藤の数少ない友人だ。
それはドクオにとっても言えることで、机に突っ伏したまま動かないこの男ぐらいしか知り合いがいなかったりする。

「おっおっお。なに自分に話しかけてるんだお」
「んなわけねぇだろ!」

4 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:04:43.67 ID:7jAMFL3B0

「やぁ。お二人とも、この後どうする?」
「おいすー、ショボ。任せるお」
「あぁ俺も任せるわ」

「…………」
「正直スマンかったお。だから背後に回るのは止めてくれお」

ショボと呼ばれたこの男も彼らの数少ない仲間だ。
彼らはいつも行動を共にするのだが、仲間内でただ一人、ショボは成績優秀だ。
本名をショボンといい、性格も穏やかで言うこと無しの人物なのだが、いかんせん、個性的な性癖の持ち主だったりする。

「……ヒッ!?」
「うん、ドクオ君はいい尻をお持ちだ。安産型だね」
「おっおっお」

依然として内藤が椅子から離れようとしないのには、理由があったのかもしれない。

5 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:07:39.77 ID:7jAMFL3B0

これがこの物語のいつもの風景。これが彼の世界だ。

二人のやり取りに耳を傾けながら、机に突っ伏したままの体を少し傾け、窓の方を向く。
空が青い。いや赤いのか? どっちだろう。

途端に速くなる鼓動。それに息苦しさを覚えつつも、彼は待っていたといわんばかりに笑みを浮かべる。

「……そうだお。僕、今日は帰るお」
「なんだよ。つれねーな」
「ごめんお。また今度誘ってくれお」
「遊び人の君に用事ってことは余程のことだろうね。いってきなよ。僕はドクオ君と……」
「あー俺も今日は用事があった気がするぅー。ってことで今日は解散! じゃーな!」
「……チッ」
「おっおっお」

これから自分に何が起こるのか。
分からない、何も分からない。だがそれがいい。だからこそ、尚いい。

6 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:12:25.26 ID:7jAMFL3B0

「こんにちは」

内藤が校舎を出ると、そこには見知らぬ女性が立っていた。
彼が目の前の人物を女性と判断したのは彼女が先に声を掛けたからだ。
膝下まである長いブラウンのロングコート、ファーのフードを被っているためその顔は確認できなかったのだ。

「……誰だお、君は」
「これは、これは。私の名前はツンデレ。ツンでいいわ。よろしくね」
「そのツンが僕に何のようだお?」
「結構警戒心強いのね。まぁーいいけどさ」
「そうかお」

内藤はあくまで冷静を装っての返答。だが、確実に、彼女の登場に内藤は高揚していた。
右の拳に力が入る。足も震えだした。

「力は欲しい?」

7 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:16:16.08 ID:7jAMFL3B0

そう、これだ。
僕はこれを待っていた。僕は彼女を待っていた。その選択肢を待っていたんだ。

内藤は不敵な笑みを浮かべ、ツンと名乗る彼女を見据えた。
その様に、彼女は引きつりながらの笑みで応える。

「どうかしら? えーっと……名前を聞いてないんだけど」

あぁ、そういえばまだ言ってなかったな。と後ろ髪を掻きながら目は合わさずに内藤は名乗った。

「僕は内藤ホライゾンだお。ブーンで頼むお」
「ブーン? ニックネームかしら?」
「……そこまで言わなきゃいけないのかお?」
「ううん、そんなことはないわ。……それで、どうするの? 契約、結ぶ?」

そう、先ほどの話だ。

――力は欲しい?

8 :VIP村人XL:2006/12/04(月) 01:18:21.76 ID:XgLEGmHqO
今書いてるのか?とりあえず支援

9 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:19:00.36 ID:6aM9SD5xO
様子見です\/
     /\

10 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:19:33.35 ID:7jAMFL3B0

「欲しいに決まってるお」

答えなんてとうの昔に決めてある。悩む必要は無い。
彼女の出現に確信を持っていたわけではなかった。ただ、ひたすらに望み続けていた。

「うん、良い返事ね。そういうとこハッキリしてるヤツって嫌いじゃないわ」
「それはどうもだお」
「それじゃ、アンタに能力を与える。その代わり、その行く末を私に見届けさせなさい」
「私にとって、アンタは……」

聞き取れたのはそこで最後だった。
ツンの不敵な笑みが内藤の視界から消える。力が抜ける。徐々に意識が薄れていくのを感じながら、内藤は倒れた。


11 :VIP村人p:2006/12/04(月) 01:19:40.78 ID:R9ySuMB00
ちょっ何この良スレ

12 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:20:44.46 ID:7jAMFL3B0
とりあえず、ここで一区切り。

>>8
書き溜めながら投下してましたー。

13 :北町奉行:2006/12/04(月) 01:20:59.35 ID:WVFvx28A0
地の文をもうちょっとどうにか出来ないか
まるでチャットだ

14 :VIP村人XL:2006/12/04(月) 01:21:41.86 ID:XgLEGmHqO
とりあえず作者は鳥付けれ。

15 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:23:09.30 ID:7jAMFL3B0
>>13
すまない、善処する。

>>14
把握した

16 :VIP村人p:2006/12/04(月) 01:23:21.68 ID:R9ySuMB00
貴様らは全力で町でブーンしろ

17 :籠屋の銀二:2006/12/04(月) 01:23:33.13 ID:7jAMFL3B0

ジリリリリリという聴きなれた騒音に目を覚ます。
しかし動きは決して速いとは言えず、むしろ遅かった。

「もう朝かお? ……うわ、まだ5時じゃないかお」

折角の土曜日だというのに、と内藤は悪態をついた。昨日、間違えてセットしてしまったのだろうか。
恨む相手がいないことが余計に腹立たしかった。

「陽も昇りきってないお」

部屋のカーテンを勢いよく開けるが、日差しは入ってこない。
代わりにランニング中の中年男性を見つけることが出来た。嗚呼、なんといい朝だろうか。

「……仕方ないお。もっかい寝るお」

こんな時間に目を覚まして、もしかしたら眠れないのではないか。
そんな考えとは裏腹に、眠気はすぐに訪れた。

18 :VIP足軽wwwww:2006/12/04(月) 01:24:12.99 ID:ImWvEAbd0
オレンジちゃんまだー?

19 :VIP村人p:2006/12/04(月) 01:25:04.79 ID:R9ySuMB00
このオレンジがっ!!

20 :VIP勇者:2006/12/04(月) 01:25:32.64 ID:nzkOHuSW0
だまれオレンジ!!!

21 :VIP村人p:2006/12/04(月) 01:25:58.69 ID:R9ySuMB00
まじあのオレンジのおじさんカワイソスww

22 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:26:13.32 ID:7jAMFL3B0

目を覚まし、窓の向こうを確認すると、既に外は暗かった。
ゆっくりと布団から起き上がり、時計を手に取り時間を確認する。

寝過ぎた感は否めなかったが、疲れはとれたのだから何も言うまいとゆっくりと起き上がる。

「……行くかお」

首をパキパキと音を鳴らしながら洗面所へと向かい、冷水で顔を洗い素早く身支度を済ませる。
割と綺麗なマンションの一室。それが内藤の寝床で居場所だった。
本分は学生で、実家も学校とはそう遠くない。そんな彼が何故一人で暮らすのか。
今思えば大人気なかったかもしれないお。そう呟きながら上着を羽織った。
自分が自分としてここに帰ってくることはないだろう。
既に、一室一室が懐かしく、自分の家ではないような気すらしてきている。
この部屋で過ごす最期の一時。彼は惜しむようなそぶりも見せず、勢いよく飛び出した。
飛び出す彼は、微笑んでいた。

23 :VIP足軽wwwww:2006/12/04(月) 01:27:13.24 ID:ImWvEAbd0
         _
       _ ,.'´   ヽ
      |/ノj从/メ从ヾ//
      ヽ从(ゝ^ωνゞ/  <ホライゾン・ヴィ・ブーンが命じる
  ヽ    ソ /i/ヾ!=ゞ\   貴様達は、死ねお!!
 ノソ ヾ / `(i|  |iv/? 
(ヾヾ()   ̄ ̄|_ハ_|. 

                Yes, Your Highness!!!!!!!
;y=ー(   )・∵.;y=ー(   )・∵.;y=ー(   )・∵.;y=ー(   )・∵.;y=ー(   )・∵.;y=ー(   )・∵;y=ー(   )・∵.
\/|  |)   \/|  |).  \/|  |).  \/|  |)  \/|  |)   \/|  |).  \/|  |)

                     タ ーーーーーーー ン



24 :VIP村人XL:2006/12/04(月) 01:27:42.69 ID:XgLEGmHqO
イレ⊂ニニニニ( ^ω^)ニニニ⊃ブーン


支援

25 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:29:26.60 ID:7jAMFL3B0

どうしようか。まず何をしようか。
そんなことばかり考えながら、ひたすらに歩く。これは彼の癖のようなものだった。

「何か考えたい時はとにかく歩く。いろんな風景を見ながら考える。
すると時々、たまーにね。いいことを思いつくんだよ」
いつか昔、そう教えられた。何故だかそれは自然と身につき、今でもよく使っている。
そしてその効果も、馬鹿に出来たものでもなかったりする。

「あっ……そうだお」

丁度家から一キロほど歩いた時、彼なりの閃きが起きた。
それがいかなるものであったとしても、彼が彼の方法で思いついたことには変わりない。
自己暗示として、その言葉は正しいと縋っていることも理解していた。

26 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:32:09.80 ID:7jAMFL3B0

どこかに向かっている訳ではないが、出来るだけ、人目につかない場所に。
ポケットから携帯を取り出し、電話帳を調べ始める。誰でもいい、まず試せればそれでいい。

「…………」
「…………」

そう考案する内藤とすれ違う女性。些か、彼女はタイミングが悪過ぎた。
ショートの黒髪に、低めの身長。細い腕に足が、彼の欲求を掻き乱す。
鼓動が速くなるのを全身に感じた。高揚感が身を包み、震えが止まらない。そのまま彼は樮えんだ。

「……おい」
「はい……?」
「内藤ホライゾンが命じる、僕を癒し、尽くせ」

彼の眼光が深紅に輝いた。

27 :VIP足軽wwwww:2006/12/04(月) 01:33:40.91 ID:ImWvEAbd0
          ___
       _/7´i, __\、v、
       }  >-、 /ヘ  ̄`シ |
      i| (ζ7⌒、i ̄ヽ彡!
       |  )Vー- ||-‐ } .ノ
       キ-'≪0> レ<0>|ク
       メヘ    |  ノ、
   , -─‐'´ | ト  、.ーァ/   ̄ ̄ヽ <おまえらオレンジ、オレンジうるさいぞ・・・・・
 /      ヽヽヽ三/       ヽ  
. |    /    >--'         }
..|    /  ,ヘ/        i   /
. |   ./ ,-、>、_>        |.  /
 |  i \ \           | /
  i  |  |´\/          | /
  i |,、 |             .| {
   |\ ̄ ‐┐          レ'
    ト、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
   |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
   |`┬───┬┬──┬ノ
   ヽノ____| .|___|
    コー--ヽ三三三三--ふ
    .{    ├───┘  |
    |  ,ヘ┴-、      {
.   i  -、工ー-'    ,-‐ ゝ
   i      ̄ヽ  /     ヽ
.   {   ,-──‐┴┴───‐┤
   !  /  ,-────────ヘ



28 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:34:34.13 ID:7jAMFL3B0

「……はい」

人気の少ない、小さな公園に男と女が一人ずつ。
男よりもやや年上のその女性は、彼の命令に全く背こうともせず、ただ従順と従う。
公園のベンチに座る男は、ズボンのファスナーに手を掛け、ゆっくりと降ろす。
勃起し、勢いよく飛び出した一物を彼女に見せつけると、彼女は何も言わずにそれを口内に咥えた。

「ん……んぁ……んん…………」

その様は、「させられている」のではなく「している」という方が正しいと思わせるものだった。
彼女の恍惚な表情と、意欲的な態度。
依然として咥えながらも、自らの手で扱き続ける一連の動作に、強制はなかった。
彼女の舌使いは慣らされたもので、常日頃から商売として扱っているからこそのものだ。
寒さで冷えた彼女の手も、熱く滾った一物にとっては程度に冷たく、心地いいものとして受け入れられた。

「いいお……そのまま、そのまま咥えてろお……」

29 :VIP村人x:2006/12/04(月) 01:34:44.06 ID:YniyJMNKO
流行りネタにはすぐ便乗

30 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:37:26.40 ID:7jAMFL3B0

続けること数分、彼は絶頂に達した。
昇り詰める際に彼女の頭を抑え、口内に発射される液体を吐き出さないようにしたのだが、
彼女は全く抵抗しようとせずに、自らその液体を飲み干した。
そのまま休むことなく、自らの唾液と精液で汚れた一物を綺麗に舐めとり、
徐々に縮小していく一物を本気で愛しているかのような恍惚とした表情で唇を重ねた。

「も、もういいお……」

内藤は自ら萎びたものをしまい、そそくさとその場を立ち去った。
急に気が弱くなったのは放出した際の疲れからか、それとも罪悪感からなのか。
自分でも分からなくなり、そこから立ち去るしかなかったのだ。

「……え?」

彼女の瞳から輝きは薄れ、徐々に正気に戻っていく。
輝きを失うにつれ一時的な記憶障害も治まっていったが、口内に残る苦味だけは消えなかった。

31 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:40:11.44 ID:7jAMFL3B0

「おぇ……うぇぇ…………何よこれ……」

彼女は涙を流しながらその場で戻し、一人悪態をついていた。
その味を彼女は知っていたが、それを認めることは出来なかった。気付けば公園のベンチに倒れていて、口内には精子の味が。
認めるどころか、理解すらできない。自分はどうしていたのか。何があったのか。何も分からない。
その恐怖は更に彼女に吐き気を催した。

その様を一人、無表情で眺めている男がいた。内藤だ。
先ほどまでの、自分に求め続ける彼女の姿はそれは美しいものだった。
荒々しい息遣いに、寒さで震える細い指。何より口内のぬくもり。
だがしかし、今の彼女はどうだろう。その日に食べたであろうものを全て吐き出し、辺りに唾を吐き散らす。

「前者だったお」

場所は人通りの少ない、公園の前。無論、そこに電灯はなく
時間は既に日も落ちる頃で、お互いに、顔を確認できるほど明るくは無かった。

32 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:43:14.04 ID:7jAMFL3B0

この能力を説明された覚えは無い。
だが、体は知っている。それが何故なのかも分からないが、それでも知っている。
だったら好きに使うだけだろう。リミットも、条件も知らされてはいないのだ。
自分で確かめるしかない。

だから自分は自分を捨てた。
今までの自分が嫌で、何も出来ないのが辛かったからだ。

「さて……今日は帰るお」

厚着をしてきたはずだったのだが、行きよりも寒く気だるさを全身に感じた。
家までそう遠くない。しかし足取りは重く、動きはお世辞にも早いとは言えない。

公園に響き渡る女性の泣き声を、小さな微笑で返した。

33 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:44:13.20 ID:7jAMFL3B0
ここでもう一回、区切って休憩ですー。
少ししたらもう一話分投下して、今日はお終いです。

34 :水汲みおしち:2006/12/04(月) 01:45:08.22 ID:EZ8fFDazO
これはイイ

35 :VIP村人p:2006/12/04(月) 01:45:24.43 ID:R9ySuMB00
otukare

36 :水汲みおしち:2006/12/04(月) 01:46:10.07 ID:EZ8fFDazO
どれくらいで完結予定?

37 :北町奉行:2006/12/04(月) 01:46:14.55 ID:WVFvx28A0
コーギア知らん奴にはちとキツイネタか?

38 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:48:10.44 ID:7jAMFL3B0
>>18-21
オレンジはないですwww

>>36
そう長くはならないと思うんですが、投下速度はあまり早くないです。

>>37
もうちょっと解説的なものを織り込んでみます。

それじゃいきますー。久し振りの投下と寒さで震えが止まらないから困る。

39 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:48:50.52 ID:7jAMFL3B0

現実は勿論、彼は夢の中でも意識があることが多い。
特別な訓練をしたわけではなかったが、夢の中では自由に動くことが出来て、全ては彼の思いのままだった。
ただ、それも必ずではない。何となく、今日はいけるな。そう感じる時があるのだ。
それすらも夢の一部なのかもしれないとは思いつつも、その夢を見ることは彼にとって楽しみにもなっていた。

「お……。体が軽いお」

辺りには何も無い。ただ真っ白な空間に自分が一人。
その何ともいえない心地よさに身を委ね、ただひたすらに、その場に浮遊する。
目を閉じているのか、開けているのか。体も原形をとどめていないのかもしれない。ただ心地よかった。
だから彼女の存在にも気付かなかった。

「やぁ、内藤。久し振り……いや、昨日も会ったか」
「お……?」
「また寝ているのか? 少しは外に出たほうがいいぞ」
「止めてくれお……。夢の中でくらい好きにさせてくれお……」

40 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:51:16.28 ID:7jAMFL3B0

「君は起きていてもそうじゃないか」
「これは僕の性分だお。どうにもならないお」

そんなこと偉そうに言ってどうする、そんな顔で女性は苦笑した。
内藤にはこの女性が誰だか分かっていたが、分かった上で目を合わせようとはしなかった。

「……考え事かい?」
「…………」
「それなら、尚更。外に出てみるのもいいと思うぞ」
「……把握したお。でも外に出たくないのが問題だからそれは出来ないお」

自嘲気味に内藤は話した。そんな彼に、彼女はため息ひとつで返す。
こんなちょっとした動作にすら、懐かしさを感じていた。

41 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:54:23.79 ID:7jAMFL3B0

「なぁ君ならどうする?」
「お? 何だお?」
「力があり、何でも出来る。そんな時、君ならどうする?」
「ん……僕には難しい話だお」

素直な意見だった。彼女の言う力が、いまいちピンと来なかったのもある。
それに、彼女が急に可笑しな話題を提示してくるのも、珍しいことではなかった。

「そうかもしれないな」
「でも、それを悪用したいとか、人を困らせようとかは考えないお」
「……君らしいな。私も、君くらい強くありたい」

彼女が弱弱しく笑い、僕もつられて笑う。
そんな僕がおかしかったのか、彼女も大きく口を開け、笑った。

42 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:56:56.66 ID:7jAMFL3B0

「…………」

目覚めは最悪。今日一日、もう何もいいことは起きないんじゃないかと思ってしまうほどだった。
昔のことを夢に見るなど、ここ何ヶ月かずっとなかったというのにと
ボサボサに伸びた髪の毛を掻きながら、内藤は洗面所へと向かった。
寝癖を直すために頭から冷水を被り、すぐにタオルで乾かす。冷たさで目も覚めるため、一連の動作は習慣づいていた。

「えっと……今日は……」

カレンダーを一見し、今日が日曜だということが分かった。
続いて時計を見るのだが、なるほど。休日でなければアウトだった。セフセフ。
パンを一枚取り出しトースターに入れてテレビをつける。何一つ変わらない、今まで通りの生活だった。

「お……メールが着てるお」

相手はドクオ。今日遊ばないかという内容だったが、内藤はその誘いを蹴った。
どうにも、彼らと一緒にいたいと思えなかったからだ。

43 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 01:59:23.81 ID:7jAMFL3B0

「ごめんお、今日は家族に会いに行かないといけないんだお」
「そうか、ならしゃーねーな。ショボには今日は無しって言っとくわ」
「二人で遊べばいいおwww」
「バーローwwwんなこと出来るかwwwww」

数回のメールのやり取りを終え、もう一度布団にもぐりこむ。
ドクオがショボと二人で居たがらないのにはワケがある。分かってて言ったのだ。
僕が行くと言って待ち合わせ場所に行かなければどうなっていただろうか。
考えるだけでも笑えてくるな、と内藤は一人ニヤついていた。

さて、今日はどうしようか。そんなことを考えながら、昨日のことを思い返した。
途端に鼓動が速くなり、手足が震えだす。
彼女に恨みがあったわけじゃないが、そこにいた。たまたま通りかかったから、実験台として選んだのだ。
その場に居合わせてしまった彼女が悪いのだ。

そう自分に言い聞かせた。

44 :VIP足軽の子:2006/12/04(月) 02:01:51.95 ID:ImWvEAbd0
さる

45 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:02:06.45 ID:7jAMFL3B0

「……そうだお」

内藤はもう一度、携帯を手に取りドクオにメールを送った。遊べるようになった、今からでも大丈夫か。
返事は早かった。ドクオも、助かったと言わんばかりの内容で返した。
ショボに説得しきれなかったのだろう、彼もなかなかの苦労人だ。

「……おっおっお」

「ドクオ、嫌いじゃなかったお」
「ショボも、友達として今までありがとうお」

着替えながら呟く。彼らの存在は自分の中でとても大きく、深くに位置していた。
しかし、それも昨日までのこと。
今までの自分はもう捨てたから。彼らの助けはもう要らない。
いや、これからはもっと助けてもらうのだ。僕の腕として、指先として働いてもらわなくてはならない。

彼は上着を着ると、ゆっくりと扉を開け、外に出た。

46 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:05:32.02 ID:7jAMFL3B0

待ち合わせの時間につくには少々早かったが、それも“実験”の時間を考慮してのことだった。

この力が何なのか。
そこまで分からなくとも、その効力について少しでも知りたい。
だから、少々遠回りにはなるが人通りの多い道を選び、早めに家を出たのだ。

前方に、いかにもDQNですと言わんばかりの格好をした集団を見つけた。

「……お前らでいいお。いや、お前らがいいお」

距離にして数十メートル。こちらの声は届かないだろう。
しかし視線には気付いたらしい。仲間の一人が親玉と思われる者にこちらを指差し話している。
僕はなんと言われてるんだろうか。僕が誰だか分かっているのか。
内藤の頭にはそれだけが巡り、回っていた。

ゆっくりと、少しずつ互いに向かっていく。
相手が不快な笑みを浮かべながら近づいてきていることを確認すると、内藤も嘲笑で返した。

47 :内藤ホライゾン:2006/12/04(月) 02:06:04.71 ID:VXL196Hs0
( ^ω^)<内藤・ヴィ・ブリブリタニアが命じるお!!
       とりあえず脱げだお!!!!!!!!!!!!!!!!!!

48 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:07:33.64 ID:7jAMFL3B0

回りは人ごみで溢れている。これなら誰にも聞かれないだろう。

「何だ? お前……」
「全員、この場で服を脱ぎ捨てろお」

彼らにだけ聞こえる程度に、内藤は告げた。
途端、彼の片目は真紅に輝き、その瞳を見た全員が同じくして片目に輝きを持つ。

「……しかたねぇな、脱げばいいんだろ? おーい、てめーら。脱ぐぞー」
「おう、脱いでやるよ」
「まぁしょうがねーよな」

厚着している内藤でさえ、寒さで手が悴んでいる。
季節は冬、既に12月に入ったというのに、彼らはその場で服を脱ぎ始めた。中には女もいる。
すれ違う者も全員が振り返った。それも必然だろう。
公共の面前に、まったく恥ずかしげもなく服を捨て裸でいるのだ。

49 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:10:48.93 ID:7jAMFL3B0

ただひたすらに、その場に立ち尽くす。
5、6人ほどの男女が、ただ何をすることもなくその場に立ち尽くしていた。
辺りには人が集まり、それを囲んでいる。
体を震わせ、歯をがちがちと言わせながらただそこに立ち尽くす。

その中の野次馬に紛れ、内藤は叫んだ。

「おまえら馬鹿かおwww やめとけおwww」

その言葉に彼らは即座に反応し、目を醒ましたかのようにその寒さの正体に瞬時に気がつく。
服を着ていない。
辺りには見物人が溢れ、自分を含めた仲間か全員が見世物にされている。
何がどうなっているのか。理解などできずに、ただ寒さに耐えながらその場に座り込む他なかった。

既にその場に、内藤はいなかった。

50 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:13:11.61 ID:7jAMFL3B0

「おまたせおー」
「おう……遅ぇじゃねぇか……内藤…………」
「やぁ、速かったね。まだ時間の五分前だよ」

ドクオの目には薄らと涙が溜まっており、ショボは達成感で満ち溢れていた。
何があったのか。聞く必要もない。
彼らには、とても感謝している。そしてこれからもだ。せめて今日だけは気兼ねなく馴れ合っていたい。

「それじゃ、行くかお」
「そうだな。……んでも、行くとこ決めてねーぞ」
「内藤はどこか行きたいところでもあるのかい?」

「……だお。君たちにはついてきて欲しいんだお」
「どこにだよ?」
「僕にだお」

51 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:14:49.07 ID:7jAMFL3B0
これにて本日の投下を終わりにします。

こんな夜更けにお付き合い頂きありがとうございました(´・ω・`)
正直誰も来ないだろうなと思ってました。

52 :VIP足軽の子:2006/12/04(月) 02:16:13.03 ID:ImWvEAbd0
>>51
おもしろかったよ
このスレ落としていいよね?
保守すると批判食らうし

53 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:17:34.73 ID:7jAMFL3B0
>>52
ありがとうございます。落としておkです(`・ω・´)

54 :駅前食堂のメグ:2006/12/04(月) 02:18:17.21 ID:EZ8fFDazO

小説は初めて?

55 :VIP足軽の子:2006/12/04(月) 02:19:51.48 ID:mqE3Sy+b0
DQNがカレンのようにしゃがみ込むのはなんともキモいな

56 :VIP村人Ecup:2006/12/04(月) 02:22:05.85 ID:XgLEGmHqO
まとめ依頼出してきた


作者乙。続きを楽しみにしてるよ。

57 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:22:08.48 ID:7jAMFL3B0
>>54
そうでもないです。
半年くらい前に何度か。以前のものが全て一人称だったのでおかしなことになってますorz

58 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:25:41.99 ID:7jAMFL3B0
>>56
ありがとうございますー。
かのオムライス先生ですか。恐れ多いです。

59 :駅前食堂のメグ:2006/12/04(月) 02:25:59.83 ID:EZ8fFDazO
>>57 差し支えなければその作品名を教えてもらいたいんだが
次回の投下も楽しみに待ってるから、絶対途中で逃げるなよ?完結はさせろよ?

60 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/04(月) 02:30:08.27 ID:7jAMFL3B0
>>59
不幸で探すといいですお。
逃亡はないと思うのですが、そう思わせるほど期間が開いてしまえば申し訳ない。

そろそろ寝ます。
こんな時間帯でしたが、お付き合い頂きありがとうございましたー。

61 :VIP村人Ecup:2006/12/04(月) 02:31:10.64 ID:XgLEGmHqO
長くなってもいいが、しっかりと完結してほしいな。


62 :VIP魔法使い:2006/12/04(月) 03:09:55.04 ID:twea8ym4O
色々と解りにくいと俺は感じた。

まぁ 頑張れ

63 :VIP村人P:2006/12/04(月) 08:41:09.21 ID:pVfi7G0dO
あの能力って「お前は何回も俺の言うことに従え」って命じるのは無効なの?

64 :VIP盗賊:2006/12/04(月) 11:29:45.29 ID:LN71VGLsO
>>63
俺の言うことは何でも、何度でも聞け
ならいけそうな希ガス
能力に何度もかけるのは無理じゃね?

65 :VIP村人f:2006/12/04(月) 11:31:11.84 ID:mqE3Sy+b0
結局持続期間はどんだけなんだろうな

66 : ◆XgI/rbqqYw :2006/12/04(月) 12:30:54.78 ID:aSlBbN1F0
wktk

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