5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

( ^ω^)ブーンはギアスを手に入れたようです

1 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/24(日) 23:59:14.72 ID:W75IUnUX0

まず最初に、前回の投下から二週間も空いてしまいすみません。

まとめはオムライスさんです。いつもお仕事乙です(´・ω・`)
http://vip.main.jp/77-top.html

2 :VIP皇帝:2006/12/25(月) 00:01:26.81 ID:B7ymrT+lO
いやっほい

3 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:01:26.20 ID:z7/sXiEc0

―― 二年前

「君がクーさんだお? おいすー」
「ん? ……君は」
「僕は内藤ホライゾンだお。一応同じクラスなんだから覚えててほしいお」

少年は一瞬、寂しそうな顔を見せたがすぐに元に戻った。
一方、話しかけられた少女はと言えばただただ唖然としていた。

「その内藤君がどうしたのだ?」

誰だこいつ的な視線を送り続けているが、どうやら内藤と名乗る少年には届いていないようだった。

「別に用があったわけじゃないお。ただ、クーさんがどんな人なのか気になったんだお」
「そうか。……君が思ったとおりでいい」
「本当かお? それじゃクーさんは優しい人だお」

屈託のない笑顔で彼は言った。
クーと呼ばれた少女は、戸惑いながら、精一杯に反論をする。

「そんな嘘をつかなくていい。他にもあるだろう? 根暗とか、友達が居ないとか……」
「友達居ないのかお?」
「……そう呼べる者は居ないな。欲しいとも思わない」
「なら僕が友達だお!」
「いや、だから、いらないって……」
「僕がなりたいんだお。ダメかお?」

4 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:05:22.46 ID:z7/sXiEc0

「…………」
「…………」

急に彼女は立ち上がり、内藤の顔を覗き込むように見つめる。
彼女の行動に驚いたのか、内藤の顔が強張る。しかし彼女は見つめることを止めようとはしない。

「……いいぞ」
「……お?」

長い沈黙のあとの言葉に内藤は一瞬反応できなかったが、
頭の中にしっかり巡らせると、だんだんと嬉しさがこみ上げてくる。

「本当かお? やったお!」

無邪気に笑い喜ぶ内藤をどこか寂しげに、しかし嬉しそうに見守るクー。
そこでクーに一つ、疑問が湧いた。何故彼は自分などと友達になりたがったのか。
その真意を知る術を彼女は知っている。しかし。

「クーさん、この前苛められてる子を助けてたお?」

彼の言葉で脳裏に数日前の自分が過ぎる。
しかし、それは彼女に言わせてみれば内藤の勘違いだった。
彼の言うように弱者を助けたことがあったが、強者に対して自分で立ち向かったわけではないからだ。
それでも自分を見ていてくれた内藤の存在に、彼女は少なからず喜びを感じていた。

「クーさんは強いお。憧れるお」

後々、クーはこの言葉に苦しめられることになるのだが、それを内藤が知ることはなかった。

5 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:09:33.84 ID:z7/sXiEc0

「……それはなんだ?」
「お? これかお。これは僕の昔からの癖だお」

両腕を広げ、ぶーん、といいながら走り回る内藤を見て、当然の疑問をぶつけるクー。
それをさも当然のように返す内藤に、クーは呆れ気味に笑う。
高校生にもなってその場で走り回ってしまうのは正直どうかと思うが、それも彼の個性だとクーは考える。
とりあえずは突っ込まずに溜め息を吐いた。

「嬉しいことがあると、こう、走りたくなるんだお。ぶーんって言いながら走ると気持ちがいいお!」
「へぇ……。君は面白いな」
「だから子供の頃はよく友達にブーンって呼ばれてたお」
「ブーン、か」

ふと何かを思いつくが、しかしダメだと大袈裟に首を振ってその考えは捨て去る。
その様子を見て、内藤が笑いながら言う。

「クーさんも面白いおwww」
「え?」

何を言われているのか分からなく、ただただ内藤を見つめるクーに、内藤は後ろ髪を掻きながら言う。

「これからよろしくお」
「あ、あぁ……。うん、よろしく」

6 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:12:24.16 ID:z7/sXiEc0

数日が経ち、数ヶ月が経つ。
内藤がクーに話し掛け、交友関係を持ってから数ヶ月が立った。
内藤が机に突っ伏し陽の光に当たりながらうとうととしていると、数人の男子が彼の元に集まってきた。

「おーい、内藤。何? 最近クーのやつと仲いいじゃんよ」
「お? そう見えるかお?」
「見える、見える。お前、あんな女のどこがいいの?www」
「……お」
「暗ぇし、話しかけても反応しねぇし、ちょっと顔がいいからってスカしてるよな」
「な! 調子に乗ってるよなwww」
「俺達のこと見下してるつもりじゃねーの?www」
「うわ、うっざ。マジ死ねwwwww」

話しかけてきた連中は、どうやらクーのことを罵倒するために来たようだ。
内藤はゆっくりと立ち上がり、握った拳に渾身の力を込めると、目の前の生徒を力の限りに殴り倒した。
突然のことに殴られた相手は思い切り吹っ飛ばされ、その場に背中から倒れこむ。

「イテェ……」
「もう一回言ってみろお、長岡」
「あぁ……?」
「誰が暗いんだお? 誰がスカしてるお?」

起き上がろうとする長岡の近くまで詰め寄り、胸倉を掴むと内藤は問う。

「誰に向かって死ねとかほざいてるんだお?」

7 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:15:55.56 ID:z7/sXiEc0

「止めないか、内藤!」

声に鋭く反応し、振り返ると、そこにはクーがいた。
その場にいた全員がクーに注目している。常に沈着を貫いていた彼女の怒鳴り声によほど驚いたのだろう。
何より内藤が驚いていた。

「お……。クー、どうしたお?」
「どうしたもこうしたもない。何をやってるんだ、君は」
「いや、こいつらが……」
「言い訳を聞きたいんじゃない。その握った拳で、どうするつもりだったんだ?」

右手では長岡と呼ばれた男の胸倉を掴み、左手はしっかりと握りしめられ、いつでも殴れますと言わんばかりの姿勢だった。
指摘され、内藤はゆっくりと両手から力を抜き、それに伴い長岡は内藤の手を払いのけ立ち上がる。

瞬間、長岡は内藤の腹を蹴飛ばし、痛みにしゃがみこむ内藤を踏みつけた。

「テメェ調子に乗りやがって……。ざけてんじゃねーぞ、内藤!」

悪態をつきながらも尚、内藤を踏みつける長岡に、クーは何かを言おうとしたが
その前に内藤は立ち上がり、もう一度長岡を思い切り殴る。長岡も負けじと内藤に拳をぶつける。それが繰り返し行われた。

気付けば既にその場は乱闘騒ぎとなっており、クー一人では場を抑えることは出来なくなっていた。

8 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:19:25.42 ID:z7/sXiEc0

「謹慎5日間。異議は認めん」
「……分かってますお」
「……うぃっす」

校内で騒ぎを起こした二人には謹慎処分が降され、担任のモララーは溜め息をつきながら二人に問いかけた。

「珍しいじゃないか、内藤。お前が問題起こすなんてな」

内藤は返答に困り、言葉を濁す。
同じくして視線を向けられた長岡も言葉を濁した。どちらかと言えば、話すら聞いていないようだ。
以前より、問題を起こしていた長岡にとってこれは些細なことだったのかもしれない。

「まぁ、いい。しっかりと反省しとけ。それじゃ来週な」

追い出されるようにして内藤と長岡は職員室を後にする。
すると職員室前にはクーが座って待っており、出てきたことに気付くとすぐに内藤の元に駆け寄った。
それに気付き、長岡はふらふらとどこかへ行ってしまった。

「…………」
「おっおっお。やってしまったお。……今週は学校に来れないお」
「……君は本当にバカだな」
「ごめんお」

「……でも、ありがとう。私を庇ってくれたんだろう?」

9 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:23:32.31 ID:z7/sXiEc0

「……別に、気にしなくていいお。ついカッとなっただけだお」
「そうか」
「だお」

その場に沈黙が流れる。静かな職員室がよりいっそう静かに感じられる。
二人とも下を向き、顔を合わせようとはしない。それが何故なのか、二人にも分かってはいなかった。

「……しかし、私もバカだな」
「お?」
「先ほどの者達を始末していたら見つかってしまってな。私も謹慎処分だそうだ」

ははは、と笑うクーに疑問が湧いた。
全員。彼女は全員を倒してしまったという。たった一人で。
そんな筈がない、と内藤が発する前に、彼女が先に口を開いた。

「さぁ、帰ろう。明日も明後日も明々後日も、どうせ休みなんだ。学校にいても良いことなんて何もない」
「お……」

今この場で追及するべきか。しかし聞いたところで彼女は本当のことを言わないことを内藤は知っていた。
ならばと内藤は思考を止め、今この時間を楽しもうと彼女の手を引く。

「そうだお。帰るお、クー」
「あぁ、帰ろう」

「……内藤。その、少しいいか?」

10 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:26:23.74 ID:z7/sXiEc0

「お。なんだお?」
「ちょっと歩かないか? 話したいことがあるんだ」
「おっおっお」
「歩きながら考えたり、話したり。その方が上手くいくんだ。たまにね」
「そうなのかお」

「……前から。その、考えてはいたんだが……」

少しだけ顔を朱に染めながら、クーはゆっくりと口を動かす。
しかしその声はか細く、内藤の耳には届かない。聞き返すと余計に頬は赤を帯び、顔は俯いてしまう。
困ったような顔をしながら、歩みを止めずに内藤は彼女の言葉を待つ。

「……呼んでもいいか?」
「お?」
「その……。君の事を、ブーンと呼んでもいいだろうか?」
「……お?」

一呼吸をし、真剣な目つきになる。同時に、それを見ていた内藤の顔も強張る。

「君が、初めてだったんだ。私を見ていてくれた。人はたったそれだけのことと言うかもしれない。
 それでも。話しかけてくれたのも君だけだった」

恥じらいながらも、クーは自分の気持ちを隠さず素直に伝える。
内藤は、そんなクーを見て素直に愛おしいと思った。それは、だからこその行動だ。

内藤はクーの手を引き、歩き始める。

11 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:30:03.68 ID:z7/sXiEc0

「悪かったお。長岡」
「ん?」
「常識的に考えて、いきなり殴りかかるのは自分でもどうかと思ったお」

頭を下げ謝罪する内藤に、止めてくれ、と肩を持ち上げ視線を戻させる長岡。
続けて申し訳なさそうに話し出す。

「俺も悪かったと思ってる。悪ノリだったんだ。正直言えば、あいつのことは何とも思ってない」

あいつとはクーのことだろうと内藤は思った。
良くも悪くも、何とも思っていない。それは喜ぶべきことではない。

「把握したお。……でも、少しでいいお。クーを見てあげてほしいお」
「ん……。クーねぇ」
「あ、少しでいいお。いや、ほんの少しだけだお! いや、やっぱりダメだお!」
「なんだよそれwww」

内藤と長岡が交友関係を持ったのはこのときだ。
同時に、ドクオやショボとの仲がよりいっそう強まったのもこの時期になる。

クーが死んだ。

12 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:33:55.80 ID:z7/sXiEc0

「ほら、起きなさいよ。ブーン」

肩を叩かれ、目を覚ますとそこには見知らぬ女性が座っていた。いや、内藤はこの女性を知っている。
忘れるはずも無い。動き出せずにいる自分に“足”をくれた恩人なのだから。

「学校に行く時間でしょ?」

時計を指差し、彼女は不敵な笑みを浮かべ内藤を見据える。
内藤もゆっくりと立ち上がり、支度を始める。

「そうだったお」

家のドアを勢いよく開け、内藤は飛び出していった。右手には鞄。その足取りは軽い。

「ケリをつけてやるお、ショボ。……そして復讐してやるんだお」
「ちょっと待ってよ。私も行くからさ」






13 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:34:45.96 ID:z7/sXiEc0
6話終了です。
7話まで少し時間があきますー。

14 :おせち(200円):2006/12/25(月) 00:37:28.72 ID:O17qm24JO


15 :猪(進化系):2006/12/25(月) 00:38:27.66 ID:P/y7WqKt0
ほれ
http://up.spawn.jp/file/up59893.htm

16 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:46:19.00 ID:z7/sXiEc0
そろそろ7話投下します

17 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:46:50.42 ID:z7/sXiEc0

「退け、長岡! 僕の邪魔をするなお!」

しかし長岡は一向に退こうとはせず、向かってくる内藤を見据えその場に立ち尽くす。
激昂した内藤を見ると、長岡は寂しそうに笑う。

「そういや、お前との喧嘩って決着ついてなかったよな……。まぁ、いいか」

内藤が長岡を突き飛ばし、そのまま走り去ろうとするが長岡は内藤の腕を掴み放さない。

「行かせねぇよ。何があったか知らねぇけど、お前が変な方向に向かってるようなら……俺は全力で止めるぞ」
「黙れお! 僕に近づくな!」

内藤の瞳が輝く。






18 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:49:41.27 ID:z7/sXiEc0

学校に向かう途中、内藤は今まで疑問をぶつけることにした。
まず、何より聞きたかったこと。内藤が彼女に出会ったときからずっと考えてきたことだ。

「……ツン。聞いてもいいかお?」
「……内容によるわね」

ツンデレは意地の悪そうな笑みを浮かべながら言葉を返す。

「どうして、僕にこの能力を与えたんだお?」

神妙な面持ちで内藤は訊ねた。聞かれた内容に対して全く動じていない様子から、これは聞いてもよかったのだろうと分かる。
問い掛けから数秒。彼女が口を開く。

「最後に分かるんじゃない?」

内藤は不満げに言葉を噤む。期待していた答えを貰えなかったばかりか、余計に疑問が増える結果となってしまった。
ツンデレは変わらずに意地の悪い笑顔で内藤を眺めている。

「最後ってのは、どういうことだお?」
「それもそのうちね。……他に、聞かなくていいの?」

時間は午前十時。既に登校時間は大幅に回っている。
しかし、内藤の歩みが速まることはなかった。

「答えるかどうかは、別だけどね」

19 :おせち(200円):2006/12/25(月) 00:50:07.27 ID:O17qm24JO
wktk

20 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:52:54.91 ID:z7/sXiEc0

一歩々々、目的地に近づくにつれ内藤の鼓動は速くなる。
今日限りで表向きにすら一般的な生活は出来なくなってしまうことを内藤は分かっていた。
それでも歩みを止めることはしない。しかし足取りは徐々に重たくなっていく。
結局、最後の最後でこの安全で生ぬるい生活を捨て切れなかったんだなと内藤は自嘲した。

「お、そうだお」
「どしたの?」

校舎も既に目前。ここでようやくもう一つ、聞かなければならないことを思い出す。

「前にこの能力……。えーっと、何だお?」
「名前なんて無いわよ。つけたきゃ自分でつけなさい」
「……今更つけようとも思わないお。この前、能力が相手に効かなくなったんだお」

ここにきて初めて、ツンデレが表情を変えた。
分からないわね、と言わんばかりに首をかしげ、そう口にする。

「手順はちゃんと踏んだんでしょ?」
「手順なんかあったのかお。何も説明されてないからそんなもの知らんお」
「あっれ、そんな筈は……」

ツンデレが急に立ち止まる。今度は、おかしいな、と言わんばかりの表情で考え込んでしまっていた。
途端、何か思いついたようにして先ほどの意地の悪そうな顔をすると、ニヤつきながら内藤の後姿を眺め始める。

「アンタ、運悪いね」

ツンデレの言葉は、内藤に届かない。

21 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 00:56:21.19 ID:z7/sXiEc0

規定の時間を過ぎた校門は、いつもと変わらず閉まっている。
閉まったまま開く気配の無い校門を前に、内藤はその場に立ち尽くす。
内藤の遅刻のために、その決まりが変わることは無い。つまりは、内藤は一介の学生に過ぎないということだ。

「…………」
「どうしたの? 入らないわけ?」

ツンデレが急かすと、内藤は微笑みながら返す。

「勿論、入るお。……何か嬉しいんだお」
「何が?」
「……何でもないお」

訳が分からないわ、とツンデレが先に校門をよじ登る。
その様は全く無駄がなく、まず動きが違う。慣れているようにも見える。

「ツン、凄いお……」
「そう? どうやってアンタの部屋に入ったと思ってんのよ」
「ちょっ……。外からからかお? 僕の家、五階だお!?」
「冗談に決まってるじゃない」

そうこう話をしているうちに、ツンデレは鉄格子の頂上に達していた。
スカートを抑えながら一気に降りると、得意げに内藤に微笑む。

「どうよ?」

22 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 01:00:51.90 ID:z7/sXiEc0

「そういえばさ」
「お?」
「何で一人で住んでんの?」

ふいに内藤が立ち止まる。それにつられてツンデレも止まり、振り返る。

「……あれ、聞いちゃ不味かった?」
「いや、そんなことはないお」

一瞬ためらってから、内藤は口を開く。
笑顔がデフォルトの内藤の表情は、あからさま過ぎるほどに暗く落ち込んでいた。

「……僕の実家って結構有名で、簡単な話が金には困らなかったんだお」
「へぇ。お金持ちか」
「いつも両親は出掛けてて、兄弟もいないからいつも一人だったお」

寂しそうな顔で、しかし全く寂しそうには聞こえない声調で話す。
思い出しながら話しているのか、所々で詰まりながらも淡々と続ける。

「誰も居ないのはいつものことだから苦痛には感じなくなっていったお。
 でも、親がたまに帰ってきたかと思うと妙に親面してくるのが堪らなく嫌だったんだお」

口調には怒りのかけらも感じられず、むしろ冷め切った感を感じさせる。
また、先ほどから少しずつ会話から感情が抜けていることに、ツンデレは言いようの無い違和感を感じていた。

「厨二病だお。それで、半ば強引に一人暮らしを始めたんだお」

23 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 01:03:53.25 ID:z7/sXiEc0

「家族、嫌いなんだ」
「無関心なだけだと思うお。むしろ、家族と呼ばないんじゃないかと思ってるお」

彼女にとってはちょっとした興味本位だったため、これ以上続けられても困ると
内藤の言葉を遮るようにしてツンデレは言う。

「まぁ、アンタの家族問題把握してもしょうがないしね。行きましょうか?」
「だお。行くかお」

昇降口には数名の生徒がいる。
丁度、休み時間なのだろう。各々、飲料水を買うなり談笑していたりと自由に過ごしている。
ふと内藤が見渡すと、見知った者がいることに気付く。
それに気付き、ツンデレは先に釘を打った。

「ここから私は一切、手を貸さないから。分かってると思うけど」
「把握したお」
「最後に一つ、言っておくわ」

何だお、と聞き返す前にツンデレは内藤の耳元に囁く。

「この能力。継続力はあるけど、能力自体は持続しないから。覚えておいてね」

振り返ると、既にツンデレはいなかった。

24 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 01:07:21.71 ID:z7/sXiEc0

「……どういうことだお?」

去り際にまで、訳の分からないことを言い消えたツンデレに、内藤は悪態をつきながら校舎へと進んでいく。
結果的には、何も分からなかった。内藤にとって、余計に謎が深まるだけとなってしまった。
しかし今は忘れようと逸る気持ちに身を任せ歩みを進める。

「あれ、内藤じゃねーか。今日はまた大遅刻だな、おい」
「ギコ、おいすー」
「昨日はどうした? お前が途中で帰るなんてな。モララーもとうとう切れてたぜ」

ギコがへらへらと笑いながら内藤に向かう。
ゆっくりと、鼓動の高鳴りを一身に感じながら内藤もギコに近づく。

「……早速で悪いけど、働いてもらうお。僕の為に」
「はぁ? 何言ってんだ、お前……」
「気にするなお。ただ、僕に着いてきて力を貸してくれればいいんだお」

ギコの片目は紅に染まり、同時に内藤の片目も紅に染まる。

「分かった」

途端にギコは俯き、内藤の数歩後ろを常に維持しながらついてくる。
内藤が走れば同時に走り、急に止まれば人形のように急停止をしてその場に立ち尽くす。

ショボの視線に内藤は気付かない。

25 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 01:10:42.82 ID:z7/sXiEc0

内藤が向かうのはショボのいるであろう自分の在籍する教室。
ゆっくりと、しかし着実に近づいていく。
見飽きるほどに何度も通った廊下ですら真新しく感じられる。鼓動も速くなる一方だった。

教室に着くが室内には数名の生徒しか居らず、その中にショボは居なかった。

「……おかしいお。ギコ、次の授業は何だお?」
「…………」

ギコは口を閉ざし、俯いたまま何の行動も起こさない。
内藤は悪態を着きながら教室に入り、次の授業の内容を確認する。
ギコも同じタイミングで動くが、やはり一定の距離を保っているため教室には入らない。

「……体育。外かお」

休み時間中にショボを呼び出すつもりだったため、内藤にとってこれは計算外だ。
授業、学業に対してショボが真面目な人物だということをよく理解しているからこそ
内藤はグラウンドへと急ごうと教室を出る。

しかし、階段を降りようとする内藤の足がそれ以上進むことは無かった。

「やぁ」

26 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 01:13:47.72 ID:z7/sXiEc0
7話終了です。
本日の投下はこれで終わりとなります。読んでくれた人d(`・ω・)ノシ

本当は一気に8話投下して終わりにしたかったんだけど思いのほか長くなったので2話に分けることに。
多分次の投下はすぐ出来る。……と思うんだけどな

27 :猪(ばくち打ち):2006/12/25(月) 01:16:09.96 ID:oI+EyOSIO
面白かったよ、乙

28 :女教師と初詣:2006/12/25(月) 01:51:26.07 ID:NINExsAf0
乙!
いつも見てるからねー!!

29 : ◆FpeAjrDI6. :2006/12/25(月) 01:51:43.78 ID:z7/sXiEc0
やっぱり今日中には無理でした(´・ω・`)
見直し含めて明日投下できればいいなと考えてます。

30 :猪(乱視):2006/12/25(月) 01:53:17.95 ID:NgmRpRG/0
あああ

31 :VIP皇帝:2006/12/25(月) 04:54:00.79 ID:05DzoRmiO
ギアスって強制力って事?

32 :初夢(猿の夢):2006/12/25(月) 05:28:38.66 ID:u/aftc6hO
うん

33 :ナースと初詣:2006/12/25(月) 07:08:18.49 ID:NINExsAf0
ほっほっほっ

34 :初夢(空も飛べるはず):2006/12/25(月) 08:12:15.28 ID:URofykizO
ギアスはルルの中にあった王の力を目覚めさせただけだから…

ブーンにはない(ry
何でもない。

35 :書初め(佳作):2006/12/25(月) 11:08:30.23 ID:P8eMOW6ZO
>>34
思わぬネタバレを食らった

21 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.02 2018/11/22 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)