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( ^ω^)ブーンと隠のツンξ゚听)ξ

1 :代理:2007/01/02(火) 00:04:01.83 ID:cEG4Y6DL0
今回で終り

2 :コテ助 ◆TROPICDuuU :2007/01/02(火) 00:04:15.68 ID:TLSWIPoO0 ?DIA(50105)
つまんね

3 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:08:32.35 ID:orgssEfW0




                          三




 人通りの無い道を星空なんか見上げながら歩いていると、僕は昔を思い出さずに入られ
なかった。とは言っても今隣に居るのは夜空に負けない位青白い顔のこの男だけであったが。

(´・ω・`)「冷えますね」
( ^ω^)「そうですかお?」

 大した冷え込みではない気がするのだが、その言葉は必要なのだろうか。僕は回りくどい
この男の喋りに苛立ちを感じた。

4 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:10:10.27 ID:orgssEfW0
( ^ω^)「それで、なんでしょうか?」
(´・ω・`)「先ずは私の疑問点から」
( ^ω^)「疑問点?」
(´・ω・`)「えぇ、貴方が会った隠、具合が悪くなったといいましたよね?」

 人の悲しい思い出に踏み込むときはもう少し丁寧に訪問して欲しいものだと思いながらも、
僕は丁寧に答える。

( ^ω^)「お。段々こっちの世界に中てられたようで、みるみる元気がなくなっていったお」
(´・ω・`)「……こっちの世界とは?」
( ^ω^)「僕達の暮らしている世界ですお」
(´・ω・`)「では隠は別な世界に棲んでいる、と?」
( ^ω^)「一種の結界のようなものを張った隠れ里ではないか、と僕は考えますお」
(´・ω・`)「なるほど。その点では同意見です。では貴方はその結界の外に出て川辺で遊んで
      いたから具合が悪くなった、と」
( ^ω^)「お」

5 :書初め(点滴必要):2007/01/02(火) 00:11:07.69 ID:Ep/S9OO30
なんか意外な展開の予感?
wktk

6 :凧(中華風):2007/01/02(火) 00:11:56.84 ID:2jIYeeOg0
wktk

7 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:11:57.24 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「それがおかしいんです」
( ^ω^)「おかしい?」
(´・ω・`)「隠も昔はこちらの世界でずっと暮らしていたものが居たのです」
( ^ω^)「それは確かに聞いたことがあるような……」
(´・ω・`)「だからこの世界に中てられるといった事は起こらない筈なんです。それに彼女の
      口振りからするに、川辺は安全領域だ。まるで辻褄が合わないのですよ」

確かにこちらの世界に来るだけで具合が悪くなるのなら退治する必要など無かったはずだ。

( ^ω^)「……では何故?」
(´・ω・`)「それは……わかりません」

解ってから言って欲しいものだと、僕はやや大袈裟に溜息を吐いた。

8 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:13:31.76 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「次に、『川が凍ってしまう』という彼女の発言です」
( ^ω^)「それは、確かに僕も考えたことがありますお」

 あの別れの日、確かにツンは消えたのだが川が凍るなんてことはなく、今でも山へ行けば
元気に魚が泳いでいるくらいだ。

( ^ω^)「全然川なんて凍ってなかったお」
(´・ω・`)「いえ、注目すべきはそこではないんです」
( ^ω^)「?」
(´・ω・`)「話を聞く限り、その川辺の近くに隠の棲む場所と私達の住む場所を繋ぐ何かがあると
      考えるのが自然です」
( ^ω^)「……確かに」
(´・ω・`)「とすると、この発言は行き来するための通路が塞がってしまう、と言うことになります」
( ^ω^)「お」

 それくらいは僕にだって予想は付いていた。あれから何度も山へ行っているがツンには会って
いないし、そもそもまた会えるのならばあんなに悲しんだりはしない。

9 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:15:21.75 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「時期がおかしいのです」
( ^ω^)「……時期?」
(´・ω・`)「えぇ、これは私がこれまでに集めた、過去に隠と出会った人の話をまとめた物ですが……」

 そう言ってショボンはいつか広げて見ていた日焼けの酷い本を取り出し、パラパラとめくると
ある頁を開き、僕に向かって見せてきた。

(´・ω・`)「ここに、『冬の訪れと共に外界との連絡は断たれ、春の訪れと共にそれは再び繋がる』
      とあります」
( ^ω^)「冬?」
(´・ω・`)「えぇ、冬です。さて、貴方が隠と別れた時、季節は冬でしたか?」

 僕がツンと別れた時。そう聞かれて僕は当時を振り返ってみたが、少なくとも冬ではなかった
はずだ。寒風に震えていたような記憶は無い。

10 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:17:11.35 ID:orgssEfW0
( ^ω^)「……違ったと思いますお」
(´・ω・`)「えぇ、私も話を聞く限りそうだろうなとは思っていました。そして春が訪れても彼女が
      現れることは無かった」
( ^ω^)「……お」
(´・ω・`)「つまり何らかの事情でこの周期が乱れ、その隠は姿を消し、そのままこちらに
      来られなくなった」
( ^ω^)「そう……なりますかお?」

難しい言葉が出てきたせいか内容が上手く把握出来ずに、僕は中途半端な返事をした。

11 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:18:34.56 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「えぇ、これは事実に即したほぼ間違いの無い考えです」
( ^ω^)「と、言うことは……僕はもうツンには……」
(´・ω・`)「……6割6分です」
( ^ω^)「は?」

 いきなりそんなことを言われても、主語が無いので言われた本人としてはさっぱりだ。
僕はその言葉の意味を知ろうと質問を投げかけようとする。するとそれを察したのかショボンが
説明を付け足す。

(´・ω・`)「貴方がその隠と会える確率です」
( ^ω^)「え?」

 一体どういうことだろうか。あれだけ絶望的な条件を並べておきながら6割6分会えるとは
如何なものだろうか。

12 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:20:10.92 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「……いえ、表現を間違えました。今日会った彼女が、貴方の出会った隠である
     可能性。それが6割6分です」
( ^ω^)「彼女……デレさん、ですかお?」
(´・ω・`)「えぇ、結論から言ってあの旅の方、彼女は私が思うに6割6分貴方が出会った
      隠です。それに彼女は10割デレさんではありません」

 研究者が6割6分で結論を出していいものかと僕は一瞬眉間にシワを寄せたが、その話が
秘める魅力に負けて文句が出てこなかった。彼女がツンである。それが僕の頭の中を支配
していくばかりで文句を練る暇など無いのだ。
 しかしながら彼女の素振りを見る限り、まるでツンとは思えないのが引っかかった。

13 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:21:20.96 ID:orgssEfW0
( ^ω^)「デレさんではない?」
(´・ω・`)「えぇ。……それはまた別な機会に説明するとして、今は彼女が貴方と出会った
      隠である可能性の元となる根拠を説明しましょう」
( ^ω^)「……それはどのような?」
(´・ω・`)「彼女が吐いている嘘です」
( ^ω^)「嘘?」
(´・ω・`)「と、言ってもこれは私の思い過ごしの可能性もありますが」

 回りくどい。どうしてこうも学者と言うのは回りくどいものか。
僕は続きを催促する意を込めて彼の目をじっと見た。


14 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:22:46.15 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「彼女が何故酒を買いに来ているか、お話はありましたか?」
( ^ω^)「何でも母親の為に良い酒を探しに来ているとか」
(´・ω・`)「……ふむ、そうでしたか。では、良い酒はどれかと聞かれましたか?」
( ^ω^)「……いえ?」
(´・ω・`)「さて、実は私も酒屋の位置を聞かれただけで、酒の勧めを問われはしなかったのです。
      てっきり自分のためかと思い、酒を嗜まれるのですか、と聞いてみても首を横に振る
      だけでした」

 この男は何を言っているんだ。
酒の話なんかより今はツンである証拠を教えてくれといっているのに。

15 :猪(金歯):2007/01/02(火) 00:24:37.00 ID:x4UWcABOO
しえん

16 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:24:39.01 ID:orgssEfW0
( ^ω^)「彼女なりに決めてあるのでしょう。母親の好みの酒などもあるでしょうし」
(´・ω・`)「酒を呑めない彼女が、ですか? しかも決まっているならば酒屋の位置ではなく、
      その酒がある酒屋があるか、を私なら聞きますが」
( ^ω^)「……きっと酒屋の主人に聞くつもりだったのでしょう」
(´・ω・`)「したらば何故彼女はいつ亡くなるか判らない母親を放って、貴方の家に泊まる
      ことにしたのでしょう? 母親のため遥々遠方まで来るような、彼女が」
( ^ω^)「……だから、それが何だと?」

 関係ない話をされた上に、自分の意見を否定され僕は少し語気が荒くなった。
しかも僕だけでなく彼女までもが馬鹿にされているようで不愉快だった。

(´・ω・`)「えぇ、つまり、彼女は酒を買いに来たのではなかった、と言うことです」
( ^ω^)「……結構なご推理ですお」

 酒を買いに来たと嘘をつく者全てが隠になったのでは堪らない。やはり学者は少しばかり
変なところがあるのだなと僕はその話について考えることを止めた。

17 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:26:49.57 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「申し訳ないです。私のように凝り固まった頭の人間は1つ1つ順を追って説明
      しなければ気が済まない性質なんです」
( ^ω^)「そうですかお。それじゃあ僕は妻が心配なもので、これにて……」

 これ以上付き合っていられない、と僕は軽く会釈をして踵を返す。隠だ隠だと僕をかき回して
遊ぶとはなんと見下げた男か。僕は現実を生きると決めたのだ。それに彼女がツンならば
あんな態度をとるわけが無い。

(´・ω・`)「主人。貴方は、山でしか隠に会ってないと言った。さて、久方ぶりに自由を手に
      入れた隠、彼女は、貴方に会いたいと思ったときどうやって会うことが出来ましょうか」

しつこく背中に問いかけてくる男に苛立ちを感じ、僕はもう一度強く言うために振り返る。

(#^ω^)「知らん! 里の者にでも聞けばいいお!」

 しかしショボンは怯むどころか眉1つ動かさず、待っていましたと言わんばかりにこちらを
見据えて口を開いた。

18 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:28:20.82 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「だから私に聞いたのですよ。酒屋の場所を」
(#^ω^)「酒屋の場所など聞いても――」

 その瞬間、網膜の裏側よりももっと奥、頭蓋の裏に張り付いていた映像が稲妻のような閃光
と共に鮮明に再生された。

――甘酒を貰いによく酒蔵に遊びに行くんだお。今度ツンにも甘酒持ってきてあげるお
――うん!

(;^ω^)「――!」

 全身を何かが駆け巡り、その通った場所全てに鳥肌が立った。そして気付けば僕は
走り出していた。ショボンに別れの挨拶も済ませぬままに、今歩いてきた道を兎に角急いで
駆け戻っていた。彼女と、もう一度彼女をツンとして話をするために。

19 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:32:05.01 ID:orgssEfW0


(;^ω^)「ツン!」

 家の戸を開けるなり僕は叫び、履物を脱ぎ散らかしつんのめりながらも居間へと転がり込んだ。
そこかここかと視線を移し彼女の姿を探す。しかし見つからない。どこに居るのか。もう寝たのか。
 すると僕の声を聞きつけたのか寝室の襖が、すっ、と静かに開かれた。

(*゚ー゚)「どうしたの?」
(;^ω^)「あ……しぃ……」

しぃの顔を見て僕は落胆し、その後直ぐにそれを後悔した。しかし、しぃには申し訳ないと
思えども今は彼女を探すことの方に夢中だった。

(;^ω^)「彼女を見なかったかお?」
(*゚ー゚)「彼女って……デレちゃん?」
(;^ω^)「デレでもツンでも何でもいいお! 彼女はどこだお!」
(*゚ー゚)「彼女なら客間の方へ案内したけれども……」
( ^ω^)「そ、そうかお!」

 それを聞いて直ぐに客間へ向かおうとしたのだが、袖が何かに引っかかって進むことが
出来ない。何かと視線を移すと、しぃが僕の袖を掴んだままこちらを見ていた。

20 :猪(ピンク):2007/01/02(火) 00:33:28.53 ID:G9KmeWzr0
sien

21 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:34:33.50 ID:orgssEfW0
(*゚ー゚)「……ねぇ……彼女は、ツンなの?」
(;^ω^)「いや、それは今から確かめようと……」
(*゚ー゚)「……」
(;^ω^)「……」

 2人の間に重い沈黙が流れる。僕だって彼女の気持ちがわかるが、彼女だって僕の気持ちは
わかっているはずだ。僕は袖を掴むしぃの手を握ると、目を見詰めて放すようにと無言で訴えた。

(*゚−゚)「……そんな目で見ないで……わかってるから……」
( ^ω^)「……」
(*゚−゚)「ごめんなさい……本当に、最初は罪滅ぼしのつもりだったの……」
( ^ω^)「……罪滅ぼし?」

 どうも僕の考えていることと、しぃの考えていることにズレがあるようだった。しかし、しぃの
悲愴な面持ちに僕はそれを訂正することが出来ない。

22 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:36:16.86 ID:orgssEfW0
(*゚−゚)「彼女を見た時は本当に驚いた、ツンにそっくりで。それで私はせめてあの時の罪滅ぼし
     にって、彼女を泊めることに賛成したの」
( ^ω^)「……」

 罪滅ぼしとは僕にツンとの離別を促したことに対してだろうか。僕は客間の彼女にこの話が
聞こえていないかを気にしつつも耳を傾けた。

(*゚−゚)「でも……私、気付いたらまた……彼女に……盛ってしまって」
( ^ω^)「……盛るって」
(*゚−゚)「彼女の椀に……一服、野草を煎じた毒を……」
(;^ω^)「……」

 徐々に姿の見えない悪夢のようなものが形を成していくのを僕は感じていた。毒を盛るとは
一体どういうことだろうか。そしてそれ以上に気になることもある。

23 :VIP皇帝:2007/01/02(火) 00:37:11.38 ID:x4UWcABOO
これのまとめサイトないんだよな・・・

24 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:37:27.17 ID:orgssEfW0
(;^ω^)「しぃ……『また』って……どういうことだお」

 目が渇く。喉が渇く。気管から肺臓の隅までが乾きながらも、掌はじっとりと汗ばんで、全身を
目まぐるしく血液が駆け巡る。

(*;−;)「……ごめんなさい……あの時、彼女が体調を崩したのは、私が食べ物に毒を盛ったから、
     なの。隠に貴方を取られたくなくて……ごめんなさい……でも私、本当に今日はそんな
     つもりは……」

 ぽろり、ぽろり、と涙を溢し始めたしぃだったが、僕にそれを気にする余裕など無い。一体何が
起こったのか、まだ把握仕切れない。


25 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:39:23.00 ID:orgssEfW0
(;^ω^)「しぃ、ちゃんと説明を……」
(*;−;)「……ごめんなさい……私……本当に最低……あぁ……」

 段々と頭の整理が付くにしたがってその内容が見えてくる。つまり、しぃはツンの具合が悪いのを
見て離別を促したのではなく、離別を促すために具合を悪くしたと言うことか。
 そこまで考えてぐらぐらと今までの思い出が揺れ動き、その色、形が変異していくのを僕は感じた。

( ^ω^)「……しぃ、毒を盛ったのかお? ツンに、本当にそんなことをしたのかお?」

 違うと言って欲しい。しかし、しぃを信じようとすればするほど今までの出来事がそれを否定
しようと浮かんでくる。そしてそれは僕に憎悪を抱かせる。裏切られたという失意と、僕だけでなく
大切な人までも陥れたしぃに対する怒りが混ざり合い、体は空しさから脱力しているのに
心は憤懣とし、非常に不安定な状態へと向かっていく。

26 :書初め(点滴必要):2007/01/02(火) 00:40:49.90 ID:Ep/S9OO30
支援

まとめあったら貼って欲しス。。。

27 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:41:05.73 ID:orgssEfW0
(*;−;)「ごめんなさい……ごめんなさい……」
( ^ω^)「……ごめんなさいじゃわからないお。本当なのかどうかを聞いているんだお」
(*;−;)「ごめんなさい……本当に……ごめんなさい……」

 話が出来ない苛立ちが募り、僕はしぃの両肩を鷲掴みにして対面した。それを避けるように
顔を伏せ泣きじゃくるしぃに、更に僕は腹が立ち左手で顎を掴み強引にこちらを向かせた。
それに驚いたのか、しゃくっていた泣き声が止まった。目を大きく見開き睫毛で押さえられる
だけの涙を溜めたしぃを、僕は眉を顰めながら見詰める。

( ^ω^)「しぃ、何でそんなことをしたんだお」
(*゚−゚)「……あの仔は……隠の仔なのよ? 貴方が隠の仔に……誑かされ……」
( ^ω^)「……隠の子?」
(*゚−゚)「だから……」
( ^ω^)「……何言ってるんだお、ツンは隠の子で僕は人の子だお。だからどうしたんだお」

 気持ちが高ぶっていくのが判った。頭の中は沸騰し、どうやって目の前に居る者を説き伏せようかと
次々と台詞が過剰に生産されていく。

28 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:43:53.73 ID:orgssEfW0
(#^ω^)「たったそれだけで……何もしていないツンを、肩書きだけでお前は殺そうとしたのかお!」
(*゚−゚)「それだけ……なんて、わけじゃ……」
(#^ω^)「ツンは、僕は、しぃを信用して……それをお前は!」
(*゚−゚)「だから! ……今日は、繰り返すまいと私は……」
(#^ω^)「遁辞を弄するな! それ以上僕の前で醜態を晒してみろ、怒罵だけでは済まさんお!」

 そう叫び、僕は嫌悪感からしぃを突き放すと、客間へと足を運んだ。先ずは彼女に謝ろう。
勿論しぃも共に謝罪させるつもりだ。

(*゚−゚)「……嘘よ」
( ^ω^)「……お?」
(*゚−゚)「彼女は帰ったわ」

 その言葉の通り客間には誰の姿も無かった。僕もここまで虚仮にされたものかと、怒りよりも
残念な気持ちで一杯になった。

( ^ω^)「……馬鹿にしているのかお?」
(*;−;)「帰ったといえば貴方は探しに行ってしまうもの。……お願い、ここに居て……下さい」
( ^ω^)「……お前とは離縁だお」

 僕はそう吐き捨てて家を出る。背中越しに聞こえる悲鳴にも似た泣き声を振り切り、僕は
暗闇の中あの山を目指して走り出した。
 兎に角彼女に会わなければ。ツンだと言う確証は相変わらず無いが、きっと彼女はツンだ。
希望的観測かも知れないが、僕はそう感じていた。

29 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:46:13.20 ID:orgssEfW0




                          四




 山へと駆けていく道の途中、再び僕はショボンを見かけて話しかけた。

(;^ω^)「ショボン、彼女を見なかったかお!?」
(´・ω・`)「家には居なかったのですか?」
(;^ω^)「それがもう出て行った後で……」
(´・ω・`)「不味いな……」

そう言ってショボンは口元を抑え、なにやら考え始める。

30 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:48:28.02 ID:orgssEfW0
(;^ω^)「……マズいってどういうことだお?」
(´・ω・`)「今回彼女が出てくるまでに9年掛かっています。それと同じようにそれから先暫く
      行き来できる季節が続けば良い。しかし、間髪入れずにまた繋がりが絶たれたと
      したらば……次もまた9年、いやもしかしたらそれ以上……」
(;^ω^)「それ以上って……」
(´・ω・`)「10年、20年、蓋し今生の別れ……」

さらりと言ってのけるその態度に、逆に真実味を感じ僕は震えた。

(;^ω^)「そんな……」
(´・ω・`)「別れが嫌ならば兎に角彼女を山に近づけては駄目です。今すぐに探し出して
      捕まえてください。ただ……」
(;^ω^)「……ただ?」
(´・ω・`)「人は異質を見分ける力に長けています。隠と共に暮らす生活、辛い物になるのは
      火を見るより明らかです。今の生活を続けるならば、このまま家に帰ったほうが良い。
      それに隠というのは――」

 最後まで聞かずに僕は走り出していた。今の生活などさっき捨ててきたばかりだ。僕には
もう戻り守るものが無い。ならば、と僕は彼女を捕まえるため走り出していた。

(´・ω・`)「……一応は止めたよ」

31 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:50:57.56 ID:orgssEfW0


 夜気を感じながら山へと足を踏み入れた僕はそのままあの川へと走り出す。僕達がいつも
笑顔ではしゃいでいた川辺、また涙を堪え別れを告げたあの川辺へ。

(;^ω^)「ツン! どこだお!」

 しかし叫べど見回せど彼女の気配の一片すらも感じられない。もしや既に向こう側へ行って
しまったのかと頭の天辺から血の気が引くのを感じながらも、僕は必死に叫び、駆けずる。

(;^ω^)「ツン! ツっ――ぐ!」

 砂利の上を構わず疾走した為か僕はつんのめり、顔面を強かゴツゴツした石だらけの地面に
打ちつけた。鼻の奥がぐっと詰まり、口の中には細かな砂が無数に入り込んだ。それを唾と共に
脇へ吐き捨てると、僕は再び走り出した。

32 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:52:36.46 ID:orgssEfW0
 上流へ上流へと駆けて行く僕だっだが、やがてこの先に彼女が本当にいるのだろうかと言う
不安に駆られ始める。頭の中でまるで想像が出来ないのだ。
浮かぶのは暗闇の中行き止まりを前にしてただ呆然と息を切らし座り込む自分ばかりで、
彼女の笑顔がまるで浮かんでこない。

(;^ω^)「ふぅ……ツン! ツン!」

それを払い除けるように僕は必死に叫んだ。先ずは必死になれ。僕はもう後悔だけはしたくない。

 ふと違和感から触った唇がぷっくりと腫れていた。手に付いた水気が幾ら拭っても取れないと
思ったら、拭っていた膝から出血をしていた。けれども僕には全く関係なかった。今までの罪の
報いを受けているようで、心地良ささえ感じていた。


33 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:54:47.78 ID:orgssEfW0

 僕の予感は的中した。誰も居なかったのだ。これ以上川が無いと言うのに彼女はどこにも
居なかったのだ。何故居ない。もしや彼女はツンではなく本当に旅の人でこんなところなど
通ることもなく家路についたのか。そんな考えが浮かんでくる。

(;^ω^)「ツン……ツン……」

 それでも僕はじっとしていることが出来ず、再びゆっくりと今来た道を引き返し始める。
一歩一歩砂利を踏み締めながら僕は川面に映る月を眺め、それをいつか見たツンの
後頭部と重ねていた。
 だがその月が振り返ることは、なかった。


34 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:56:39.49 ID:orgssEfW0
 気付くと僕はまたあの川辺に居た。もう戻って来たのかと思いながら僕はゆっくりと腰を下ろす。
やはり居なかった。川辺だけ探して言うのもなんだが、彼女はもうどこにも居ないという絶望感が
僕の心をどんどんと食んで行き、その痛みから僕は涙を流し始める。

( ;ω;)「……」

 声もなく、只涙を流した。悲しみが止まらないのだ。最初から会えない悲しみよりも、目の前に
居たのに気付けなかった悲しみと言うのは相当大きいようだ。そんな僕の鼻の先を、柔らかい
微風が撫ぜた。否、それは布だった。

ξ゚听)ξ「大丈夫ですか?」

そしてそれは宿望の権化だった。

35 :猪(金歯):2007/01/02(火) 00:58:03.81 ID:x4UWcABOO
wktk!

36 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:58:12.14 ID:orgssEfW0
(;^ω^)「ツン!」
ξ;゚听)ξ「えっ!」

 僕は無心で彼女を逃がすまいとその手首を掴み、続いて肩に手を掛ける。やっと捕まえた。
もう死んでも放さない。絶対に放したくはない。

ξ;゚听)ξ「あ、あの……私……」
(;^ω^)「ツン! もうそんな小芝居どうだって良いんだお! 全部わかってるんだお!」
ξ;゚听)ξ「わかってるって言われても……私がわからないんですけど」
(;^ω^)「何なんだお……何なんだお!」
ξ;゚听)ξ「と、とりあえず落ち着いてください」
(;^ω^)「落ち着いてる場合なんかじゃないお……」

 いつまで経っても終りの見えない問答に、僕は歯痒さを感じつつも一体どうしたら良いものかと
思慮に暮れる。

37 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 00:59:42.40 ID:orgssEfW0
ξ;゚听)ξ「兎に角、放してくれませんか?」
(;^ω^)「嫌だお」
ξ;゚听)ξ「え、え〜……じゃあずっとこのままなんですか?」
(;^ω^)「ツンだって認めて僕と山を降りるまでだお」
ξ;゚听)ξ「もう、誰ですかそれ」

 本当に彼女はツンじゃないのか。残りの3割4分に当たってしまったのか。それとも何か、
彼女は記憶でも失ってしまったと言うのか。僕の頭は混乱し、今現在何が確かかさえ
朧になっていく。

(;^ω^)「誰なんだお……」
ξ;゚听)ξ「私はデレです。もう忘れちゃったんですか?」
(;^ω^)「僕は……」

 ただあの男の話に浮かれていた馬鹿だったのか。まともな思考が出来ない僕はどうすることも
出来ず、その手を離してしまった。あれだけ強固だった意志が、萎えてしまったのだ。

38 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:01:11.75 ID:orgssEfW0
ξ;゚听)ξ「もう……御礼もせずに失礼したことは承知の上ですけど、これはあんまりです」
(;^ω^)「いや、その……」
ξ゚听)ξ「兎に角、早く奥様の所に帰ったほうがいいんじゃないですか?」
( ^ω^)「……しぃとはもう終わったお」
ξ゚听)ξ「え?」
( ^ω^)「縁切りをしたお。もう、会うことも無いお……」

 突風が2人の間を吹き抜けた。パタパタと揺れる髪を気にすることなくこちらを見つめる彼女の目が
戸惑いに揺れていた。

( ^ω^)「い、いや、別に責任を感じることじゃないお。もっと別な理由があって……」
ξ゚听)ξ「……そう、ですか」

 ゆらゆらと覚束無い足取りで川辺へと歩いていく彼女。その後姿を見ながら僕は儚さを
感じていた。此の世は、なんて脆いものかなと。

39 :猪(青):2007/01/02(火) 01:01:25.38 ID:G9KmeWzr0
wktk

40 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:02:49.69 ID:orgssEfW0
ξ゚听)ξ「……よいしょっと」

 辺にしゃがみ込んだ彼女は両の手で水を掬うと、それを上に持ち上げ掬い取った水を再び
川へと零した。その行動の意味が図れず僕はただそれを見守った。

ξ゚听)ξ「サカナは、手では取れないんですね」
( ^ω^)「?」

 振り返った彼女の目はあの日の紅色を浮かべていた。あの日見たツンの目の輝きを、
彼女はしていたのだ。

( ^ω^)「……ツン?」
ξ゚听)ξ「酷いですね」
( ^ω^)「?」
ξ゚听)ξ「あんなに幸せそうな様子を見せて、さよならの時になってそんなことを云うなんて
       随分と意地悪に……いえ、貴方はあの頃より意地悪な御方でした」
(;^ω^)「……ツン」

 今度こそ自信を持って言えた。彼女はツンだ、もう間違えようが無い。ならば何故あのような
素振りを見せた。何故今になってこのようなことを口走っている。

41 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:04:55.93 ID:orgssEfW0
( ^ω^)「何故、他人の振りをしたんだお。……そんなに僕が憎かったのかお?」
ξ゚听)ξ「……御二人の、その幸せそうな顔を見て、どうして名乗り出ることが出来ましょうか」
( ^ω^)「関係ないお……そんなもの――」
ξ゚听)ξ「愛する人の幸せを、どうして壊せましょうか!」
(;^ω^)「……ツン」

言葉が無い。尻込みをしているわけでもないのに、言葉が浮かばないのだ。

ξ゚听)ξ「別れてより幾星霜……幾らでも考える時間はありました。体の不調の原因も疾うに
      把握していました」
(;^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「そして今日、私はやはり人とは相容れぬ存在だと、悟りました」

 どうしたらいい。引き止めればいいのか、立ち去ればいいのか。判断の付かない僕は、ただ
立ち尽くし彼女の表情を窺うしか出来ない。

42 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:06:53.51 ID:orgssEfW0
ξ゚听)ξ「でも、私はツンではありません」
( ^ω^)「?」
ξ゚听)ξ「私はデレです。だから……私達の別れは、寂しくないはずです」
( ^ω^)「……ツン?」
ξ゚听)ξ「数時間だけの付き合いの私達の別れに悲しみはありません。そう、しましせんか?」

 笑っていた。月光を背に彼女は笑っていたのだ。それがあまりに綺麗で僕はそれを承知
しそうになる。しかし納得できるわけがないのだ。

( ^ω^)「……嫌だお」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「僕はツンが好きだお。離れたくないお。ずっと一緒に居たいお」
ξ゚听)ξ「……もう、遅いんです」

 びゅう、と北風が僕らを撫ぜていった。冷たいその風に僕は既視感を覚える。予感は不安を生み、
不安は妄想を作り上げていく。

(;^ω^)「……ツン?」
ξ゚听)ξ「もう、お別れです」

妄想は現実となり僕に襲い掛かってきた。

43 :猪(入れ歯):2007/01/02(火) 01:07:46.51 ID:x4UWcABOO
面白いんだけどいまいちレスがつかんね

44 :書初め(蛙の子は蛙):2007/01/02(火) 01:08:51.25 ID:Ep/S9OO30
正月にVIPしてる人間なんて、そりゃ少ないだろ……
面白いし、なんとか最後まで読みたいが、もう眠い……
親戚まわりで疲れた……

45 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:08:52.90 ID:orgssEfW0
(;^ω^)「何、言ってるんだお……」
ξ゚听)ξ「もうすぐ冬が訪れます」
(;^ω^)「……冬って」
ξ゚听)ξ「もう直ぐ私は此方より去る運命にあります」
(;^ω^)「何故……」

何故別れる必要があるのか。忌み嫌いあっている仲であるわけでもないのに、何故。

(;^ω^)「今から急いで離れるお!」
ξ゚听)ξ「もう……間に合いません」
(;^ω^)「やってみないとわからないお!」
ξ゚听)ξ「止めてください……」
(;^ω^)「別れることを何とも思わないのかお!」
ξ゚听)ξ「止めてください!」
(;^ω^)「ッ!」

46 :猪(青):2007/01/02(火) 01:10:33.20 ID:G9KmeWzr0
>>43
スレタイに「〜ようです」が付いてないからじゃね?

47 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:10:36.87 ID:orgssEfW0
ξ゚听)ξ「別れるのが辛くない筈がないです……こんなにも、待ち焦がれていたのに!」
(;^ω^)「だったら――」
ξ゚听)ξ「だから!」

一呼吸置いて、彼女は悲しそうに呟いた。

ξ゚听)ξ「だから……他人のまま、さよなら……しましょう」
( ^ω^)「……嫌だお」

だが僕は受け入れない。

(;^ω^)「嫌だお! そんなの! そんなの悲し過ぎるお!」
ξ゚听)ξ「……半日とは云え、お世話に……なりました」
(;^ω^)「嫌だお! 行くなお! ツン!」

 必死な僕とは対照的に彼女は、にっこりと微笑んだ。月光を乱反射し、煌く水晶の様な
大粒の涙を浮かべて。

ξ゚听)ξ「さようなら……私、忘れません」
(;^ω^)「ツn――」

48 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:12:44.81 ID:orgssEfW0
――居ない。まただ、この頭にぽっかりと穴が開いたような感覚。誰も居ない。風も無い。
そして、ツンが居ない。

(#^ω^)「何故だお!」

 静寂を引き裂くように僕は叫んだ。あの日泣いた僕は、今日叫んでいた。世の理不尽に
嬲られ、全てを奪われ、僕は叫んでいた。川辺に走り、そのまま川の中へ飛び込む。
滅茶苦茶だ、訳がわからない。川底に額を叩き付けた。2回、3回、4回、5回――。

( ;ω;)「ぶはっ!」

 水面から顔を上げ、ぼやけた視界の中で僕は光を求めて辺りを眺め回す。
すると月明かりの元に見つけた光は、くすんだ朱色。細長く伸びるその光は、いつか僕が
彼女に渡したあの髪留めだった。
手を伸ばしそれを手に取り確かめると、僕の頬を冷たい水が滴り、ぴちゃん、と川面に
音を立てて、落ちた。

49 :エピローグ ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:14:15.34 ID:orgssEfW0
 しん、と静かな家に、僕は1人で座っている。静かだと言うだけで感じる広さがここまで
違うものかと、ここ3日間ずっと同じことを考えていた。
 何もする気が起きなかった。大きな別れが僕に残した物は無く、ただ全てを奪いつくされた
気がしていた。髪留めを握ったまま、僕は寝床で食事も摂らず、ずっと黄土色の壁を見ていた。

(´・ω・`)「大丈夫ですか?」

 その声に僕はゆっくりと右を向く。そう言えば昨日からこの男が家に来ていたような気もする。
何故来たのかは覚えていない。

(´・ω・`)「……気持ちはわかりますが、そうしていても何も変わりはしませんよ」

 何を言っているのだ。僕の悲しみを知っての事か。この体中の温もりを全て奪われたような
脱力感を知っての事か。しかし僕に反論をするような気力は無い。代わりに僕はゆっくりと呟く。

( ^ω^)「不幸と言うのは……いつ来るか、判らないものですお」
(´・ω・`)「……」

50 :エピローグ ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:15:51.46 ID:orgssEfW0


(´・ω・`)「僕と一緒に隠の研究をしませんか?」
( ^ω^)「……隠の?」

 既にあれから2週間が経っていた。普通の生活が出来るくらいに回復した僕にショボンが
そう持ちかけてきたのだ。

(´・ω・`)「いつ会えるか判らない彼女を只待つより、その方が幾らか有益だとは思いませんか?」
( ^ω^)「……そうかも知れませんお」

 確かに彼の言うとおりだ。仕組みを調べることが出来れば、こうしてただ手を拱いているだけの
生活から脱却することが出来る。
 ただ、本当は忘れればいいのかも知れないとも思う。しかし今の僕には到底そんなことは
出来ないのだ。

(´・ω・`)「実は既に外に看板を掲げたのですがね」
( ^ω^)「勝手に何をしているんだお」

 そう言って僕は笑った。久々に腹の筋肉を使った気がする。それが僕の全身に活気を
送ったのか、僕は急に体が軽くなったのを感じた。

51 :エピローグ ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:18:04.95 ID:orgssEfW0
(´・ω・`)「看板を上げれば旅の人からも情報を集められますからね」

 いつの間にか我が家を乗っ取られてしまったが、1人で住むには広すぎると感じていたので
丁度良い。そう思いながら僕は大きく伸びをした。

     「すみませーん」
(´・ω・`)「噂をすれば、客のようですね」
( ^ω^)「忙しくなりそうだお」

 僕は力強く立ち上がり、髪留めを懐に仕舞った。今度は僕が会いに行く番だ。そう心の中で
呟き、戸口へと向かう。そして隙間から漏れる日光を浴びながら、僕は意味も無く笑った。

( ^ω^)「どうしましたかお?」
      「その……落し物をしまして」
( ^ω^)「……お?」

――その涙声に聞き覚えがあった。

52 :エピローグ ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:19:39.25 ID:orgssEfW0
      「私……大事な……髪留めを……お……落とし……」

瞬間、涙が溢れた。こんなことが起こり得るのか。これは幻聴か。返事を、返事をしなければ。

( ;ω;)「かっ……ぁみどめ! っはぁ! ぁあ! かみっ……どめ……」

 思ったように声が出ないんだ。目の前に彼女が居るのに戸に手が届かないんだ。
涙で世界が歪んで、把手が全然見えないんだ。

ξ;;)ξ「ブーン!」
( ;ω;)「ツン!」

 僕達は抱き合った。今までの年月を埋めるように、ギュッと。涙でびしょ濡れの顔を
乱暴に重ね合わせては、また抱き合う。いっそこのまま潰れて1つになってしまえば良い。
そうすればもう離れ離れになって悲しむことも無いんだから。ずっとずっと、このままで
居れば良い。

(´・ω・`)「ふぅ……参ったな。幸せもまた、いつ来るかわからないってことかな。ねぇ、デレ……」



−終−

53 :猪(青):2007/01/02(火) 01:21:51.31 ID:G9KmeWzr0
乙。

ショボンの最後の台詞が気になるぜー!

54 :書初め(蛙の子は蛙):2007/01/02(火) 01:22:38.25 ID:Ep/S9OO30
乙でした。
ちっと唐突だけど、お正月だし、ハッピーエンドもいいよね?

55 :猪(ギャンブラー):2007/01/02(火) 01:22:48.02 ID:+2GJ4YKw0


凄くおもしろかったです

56 : ◆HGGslycgr6 :2007/01/02(火) 01:23:15.60 ID:orgssEfW0
 さて、いかがでしたでしょうか。
やたら古臭い空気に憧れて書きながらと言うスタイルを使って今回挑戦してみました。

 結論から言えば、書きながらは合わない。もっと話練れたなぁってのが感想です。
やっぱり書き溜めが良いですわ。疲れるし。誤字とかもうね……。

 兎にも角にも、読んでくださった方、支援してくださった方、ありがとうございました。

57 :猪(入れ歯):2007/01/02(火) 01:26:34.44 ID:x4UWcABOO
>>56
乙でした!ハッピーエンドで本当によかった

58 :看護士と初詣:2007/01/02(火) 01:29:07.89 ID:orgssEfW0
 いっつも主人公ボッコボコにしちゃうんで、次は絶対ハッピーエンドって決めてました。
でも完全無欠のハッピーエンドには中々ならないですね。ハッピーエンドはムズイ……。

59 :VIP皇帝:2007/01/02(火) 01:41:01.70 ID:G9KmeWzr0
あ、良かった。
普通にハッピーエンドだったんだな〜
何か深読みしすぎたorz

60 :猪(入れ歯):2007/01/02(火) 01:59:03.40 ID:x4UWcABOO
最初から読み返したいんだけどまてめてくれるサイトないのかな……
正月だから仕方ないかorz

61 :猪(白髪):2007/01/02(火) 02:14:47.07 ID:x4UWcABOO
そういえばツンに母親がいたよな
あれってもしかしてデレなの?
作者さんまだいたら答えてください

62 :女医さんと初詣:2007/01/02(火) 02:34:11.28 ID:orgssEfW0
>>61
言っていいものかとも思いますが……設定としてはそうです。根拠としては

>(´・ω・`)「世の中には似た人が3人居るといいますしね」
>(´・ω・`)「えぇ、結論から言ってあの旅の方、彼女は私が思うに6割6分貴方が出会った
       隠です。それに彼女は10割デレさんではありません」

らへんが大きいところです。

63 :猪(白髪):2007/01/02(火) 02:53:11.75 ID:x4UWcABOO
>>62
わざわざ答えてもらってありがとうございます


64 :猪(カレー味):2007/01/02(火) 03:00:15.36 ID:G9KmeWzr0
しぃはどうなったんだろう?

65 :猪(マヨラー):2007/01/02(火) 03:16:23.08 ID:f/KDinQkO
乙!
今回もクオリティ高いな。

66 :猪(マヨラー):2007/01/02(火) 03:34:47.93 ID:f/KDinQkO
誰か最初のスレと二番目のスレの過去ログか落ちたスレくれないか?
読み返したい所があるけど、無いから読めない orz

67 :猪(早すぎ):2007/01/02(火) 03:58:35.64 ID:LN4m5jmFO
これはまとめ欲しいところだな……どこかなかっただろうか?

68 :アールス:2007/01/02(火) 06:38:01.91 ID:orgssEfW0
>>66
もう居ないかな

@ttp://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1167311497/
Attp://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1167396599/

dat ttp://up2.viploader.net/mini/src/viploader97288.zip


 1つ1つレスは返してないけど、俺が強がりを言いながらも書き続けられるのはレスのお陰。
本当に感謝してる。
 あと今更だけど、隠(おぬ)は鬼の元みたいなものです。言葉と概念だけ借り書きました。
詳しく知りたい人はググれば色々出るかと。俺は良く知らないもんで。

69 :すもも:2007/01/02(火) 11:05:11.05 ID:uzYjvyxSO


70 :ほうれんそう:2007/01/02(火) 12:24:16.68 ID:f/KDinQkO
>>68
d!

71 :たかな:2007/01/02(火) 13:24:01.98 ID:x4UWcABOO
まだあったのか

72 :キャベツ:2007/01/02(火) 15:34:57.77 ID:LN4m5jmFO
まだ居たらいつもどんな風に書いてるか教えてくれないか? 参考にしたい

73 :キャベツ:2007/01/02(火) 16:54:31.36 ID:x4UWcABOO
保守

74 :エシャレット:2007/01/02(火) 17:52:56.35 ID:Aky0li7IO
まとめドコー?

75 :しゅんぎく:2007/01/02(火) 18:33:32.77 ID:G9KmeWzr0
まとめなど無い

76 ::2007/01/02(火) 19:57:55.68 ID:orgssEfW0
>>72
どんな風にって言われても……流れ的なもの?
流れだとしたなら

@何かを見聞きしてムラムラする
Aそっからキャラの特徴、世界観、オチらへんのどれかを固める
B話の流れや設定を講義の合間とかに紙に落書き気分で書きなぐる
 (参考までに今回のはこんな感じ→) ttp://up2.viploader.net/upphp/src/vlphp1140.jpg
Cワードを立ち上げて、Bを見ながらキャラを動かす。動き方で修正とかする。
Dざっと完成したらいらなそうなのを涙流しながらガリガリ削ってく。
E誤字脱字チェック

と言うような感じ。参考になるかどうかは自信ないが。

77 ::2007/01/02(火) 20:01:26.67 ID:orgssEfW0
ごめん、解像度でかすぎた
ttp://up2.viploader.net/upphp/src/vlphp1142.jpg

78 :コクサッキー:2007/01/02(火) 20:11:32.14 ID:NoDhfTPz0
本格的なプロットだねぇ。
でも実際打ち込むのはすごく根気がいると思う。
尊敬するぜ

79 :にら:2007/01/02(火) 20:45:25.91 ID:G9KmeWzr0
これは凄い。
素直に尊敬できる

80 ::2007/01/02(火) 20:45:34.30 ID:Pn5SxbgT0
ほれ
http://sneg4vip.com/ameloda/1167/445776.htm

81 :おおば:2007/01/02(火) 20:53:15.49 ID:Sk7ww0V20
紙に落書き気分で書きなぐるとか言っときながら
マジなプロット書きやがって…
とか思ったら中央付近に山崎がwww


82 ::2007/01/02(火) 21:21:39.90 ID:orgssEfW0
恥を忍んで訊くが、プロットって実際どういうものなんだ?
この紙に書いてるようなのが「プロット」なの? 未だにそれがよくわからん……

83 :277:2007/01/02(火) 21:26:45.00 ID:Ep/S9OO30
おお、人様のプロットなんて、初めて見た!!

なるほど、こうやって書くのね……多謝。

84 :あさつき:2007/01/02(火) 22:37:46.46 ID:x4UWcABOO
クオリティタカスwwwwwww

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