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ノパ听)ヒートと( ゚д゚ )ミルナは英雄になるようです

1 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:01:41.51 ID:s1iddvdt0
   /⌒ヽ
  / ´_ゝ`) 忘れた頃にやーってくるー
  |    /    ちょっと第四話を投下しますよ
  | /| |
  // | |
 U  .U

2 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:03:01.58 ID:EaTT1cYOO
ktkr
wktk

3 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:03:41.82 ID:5wvmS/1QO
久しぶり
wktk

4 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:03:45.39 ID:s1iddvdt0
あー、また忘れていた

今作をまとめて下さっているまとめサイト様です
第一話が無いようです
http://sky.geocities.jp/matome_btcm/

5 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:04:41.30 ID:s1iddvdt0
第四話 『ヒートの戦い』

風が吹いている。
風が動いている。
風が鳴っている。

原因は木々の狭間を走る影。

一つは、赤茶色の長髪を持った女性。
一つは、銀色の短髪を持った男性。

二人は戦っていた。

まるでビリヤードの球のようにぶつかり、弾き合い、しかし勢いを止めない。

音は複数。

木々や葉が揺れる音。
遠くで聞こえる滝の音。
そして、至近距離で鳴り響く金属音。

女性は脇差と、巨大な包丁のような刀。
男性は鋭利な片刃が付いた長槍。

それぞれの得物を振り回しながら、木々の狭間で激突している。

6 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:05:52.86 ID:s1iddvdt0
ノハ#゚听)「くぅぅ……!」

押されているのはヒート。

\(^o^)/「…………」

押しているのは男性。

長槍を、遠心力を利用して横殴りするように叩き込む。
ヒートはそれを黒い刀――飛燕でガード。

ノハ#゚听)「……ッ!」

しかし遠心力によって数倍にも膨れ上がった衝撃を逃がすことは出来ない。
このまま耐えれば内部で爆発し、最悪の場合は腕の故障に繋がる。

判断は一瞬。
足腰の力を敢えて抜く。
よって、ヒートの身体は真横に吹き飛ばされることになる。
そのまま森を脱出し、広い空間へと飛び出した。

背後では滝の落ちる轟音。
ヒートが最初に辿り着いた場所である。

適当な岩に着地。
足を滑走させ、受けた衝撃を背後へ逃す。

7 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:07:17.09 ID:s1iddvdt0
ノハ#゚听)「ふぅ……」

溜息を吐くヒートの視線の先に、悠々と森から出てくる男。

\(^o^)/「なかなかの反射神経です」

ノハ#゚听)「まぁね」

槍を軽く振り回しながら、満足そうに頷く男。
その表情は笑み。
その背は普通。
黒い中国風な衣装を着込み、銀髪の先には少し編んでいる髪が風に揺れている。

ノハ#゚听)「いきなり襲い掛かってくるなんて卑怯じゃない?
      とりあえず名前くらいは教えてくれても良いと思うんだけど」

右肩に一閃され、少量の血が流れる傷を見ながら言う。
対して男は笑みを崩さず

\(^o^)/「私の名はオワタ=クン。
       業名は『槍王』……まぁ、それほどでもない名です」

槍王。
槍帝と比べれば見劣りするが、その実力は並外れているはずだ。
最上位ではないものの、上位クラスの業名。
ヒートの相手としては充分に脅威である。

8 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:08:19.73 ID:s1iddvdt0
ノハ#゚听)「えーっと、それで……この武器の使い方を示せってルールでOK?」

右手に持っているのは包丁型の刀。
その巨大な刀身は、ズシリと彼女の腕に重さを伝えている。

\(^o^)/「いえ、その武器の使い方はもう解っているはずですし
       前回と違う方法で貴女を見極めたいと思っています」

ノハ#゚听)「確かに解ってるはいるけど……」

片刃の巨大包丁。
考えることなく、それは切断――つまり攻撃用の刀だと解る。

では、今回の試練で見られる部分とは?

疑問はオワタの口から発せられる。

\(^o^)/「――心、です」

9 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:08:39.33 ID:TNCG/vJi0
つまんねぇww
作者才能ナサス

10 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:09:30.41 ID:s1iddvdt0
暗闇。
広いのか狭いのか、壁や床があるのか解らぬ空間。

その中で声が響く。

('、`*川「おーおー、始まってるね」

身体の各部に包帯を巻いたペニサスが近寄ってくる。
その視線の先には、暗闇に浮かぶディスプレイのような明かり。
ヒートとオワタが対峙しているのが見える。

┗(^o^ )┓「やはり心配です」

画面の前に座っているジュカイが呟く。
その隣に腰を下ろしながら

('、`*川「んー、気持ちは解らないこともないね。
     相手はあのオワタだし……今回試すのは心でしょ?」

┗(^o^ )┓「おそらく、彼女にとって一番悩む試練になるでしょうね」

('、`*川「え? 最後の試練はこれ以下ってこと?」

┗(^o^ )┓「彼女と彼にとっては、ですけどね」

11 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:09:42.91 ID:5wvmS/1QO
支援

12 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:10:44.66 ID:s1iddvdt0
と、ジュカイが一枚の紙を手渡す。
それを見たペニサスは、感嘆の声を吐き出した。

('、`*川「はぁ、よくもまぁ……こんな詳細を出せたわね」

┗(^o^ )┓「英雄神様は内部に入った全てのモノを見通せますからね。
       無論、我々のことも全て御見通しというわけです」

('、`*川「うげっ、私の隠しおやつの場所もバレてるってわけね……」

┗(^o^ )┓「誰もそんなのに興味はありませんよ。
       それよりもこれです、これ」

紙の一文を指す。
そこには、ヒートの過去が記されていた。

┗(^o^ )┓「おそらく彼女自身に過去の一部の記憶がないのでしょう。
       でなければ、あんな性格をしているわけがありません」

('、`*川「だろうねぇ……」

13 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:12:48.44 ID:s1iddvdt0
紙をペラペラと揺らしながら

('、`*川「で、オワタはこのトラウマを引き摺り出すって魂胆なわけね?
     正直言ってえげつないなぁ」

┗(^o^ )┓「同意ですね。
       しかし、いつ発動するか解らないトラウマを持っていては
       英雄になることなど出来ないのも事実」

('、`*川「それも解るんだけどね……」

┗(^o^ )┓「だからこそ、オワタに任せられたんですよ。
       私では絶対に手加減をしてしまうし、兄では無理でしょうしね」

('、`*川「ふぅん……アンタら、似たもの三兄弟だと思ってたけど得手不手があるんだ」

┗(^o^ )┓「失礼な。 これでも私達は人間ですよ」

('、`*川「その身長で言われても説得力ないなぁ」

その身長差、約七十センチメートル。
隣の小さな男を見下ろし、ペニサスは溜息を吐いた。

14 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:14:01.83 ID:s1iddvdt0
ノハ#゚听)「心を見る……?」

滝の激音を背後に、ヒートは呟いた。

今回は戦闘という面ではなく、メンタル面を見るのだろうか。
とはいえ、先ほどから続けているのは正真正銘戦闘行為だ。

追い詰められているとはいえ、ジュカイほどの威圧は感じない。

\(^o^)/「さて、いきますよ」

声と共に飛ぶ。
数十メートルはありそうな距離を、一つの跳躍で飛び越えに掛かる。
その先にはヒート。

ノハ#゚听)「!」

響く金属音。

飛燕が、下方引力を利用した一撃を往なした。
しかし連撃は止まらない。
打ち下ろした衝撃を逃がすことなく、敢えて利用しながらの攻撃が迫る。
それは遠心力を慣性を用いた回転攻撃だ。

15 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:15:21.55 ID:s1iddvdt0
片刃と石突が交互に迫るも、ヒートはそれを見極めて回避していく。
攻撃はしない。
何故なら飛燕は攻撃用ではないし、巨大包丁は重いが故に高速で撃てないのだ。

ノハ#゚听)(この巨大包丁は反撃向きじゃない……一方的に攻撃出来る時にしか使えないんだ)

もしくは武器破壊。
その重さを利用した切断力にて、相手の武器を葬る。

主に二つの使い方を理解出来たが、この状況では役には立たない。

相手は威力よりも高速性をとっている。
そんな時に重い一撃を放ち、避けられた場合は目も当てられない。

\(^o^)/「やはり成長していますね……では、これはどうでしょう?」

声と共に『それ』が来た。

\(^o^)/「十」

数字。
一が十集まったことを表現する数字だ。

ノハ#゚听)「?」

\(^o^)/「九」

カウントダウンだろうか。
それは一定の間隔を以って一へと近付こうとする。

16 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:16:39.43 ID:s1iddvdt0
ノハ#゚听)「それが何――」

\(^o^)/「八」

その時だ。

ノハ#;゚听)「!?」

ドクン、と心臓が強く鳴る。
多量の血を押し流し、その分を以って血を己に流し込む。

\(^o^)/「七」

更に数字。
カウントダウンが進むにつれ、ヒートの心の何かが目覚め始めた。
それは足の震えとして表現される。

ノハ#;゚听)「な、何……?」

ガクン、と姿勢を崩しながら呟く。
その表情は青ざめ、もはやオワタを見ていない。

\(^o^)/「六」

尚もカウントダウンは進む。
いつの間にかオワタの攻撃は止んでいた。
ただ彼は、震え始めた彼女の目の前にて数字を口から吐いていく。

17 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:17:16.85 ID:pH+3hNzQ0
なんというか・・・
ぶたくまほどwktkしないな。

使いにくいキャラだからかもしれんが

18 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:17:35.83 ID:s1iddvdt0
ノハ#;゚听)「ひっ……」

声が出る。
それは恐怖の篭った声。
まるで何かに追い詰められたかのような。

\(^o^)/「五」

ヒートの脳裏に何かが蘇る。

罵倒、殴打、激痛、火傷、血液、嗚咽――

断片的な記憶だが、それがヒートに更なる恐怖を与えた。

ノハ#;凵G)「あ、あぁ……」

ポロポロと涙を流しながら

ノハ#;凵G)「ごめんなさい……許して……っ」

懇願。
果たして誰に対してなのか。
その目は、ただただ虚空を見つめていた。

19 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:18:22.66 ID:s1iddvdt0
('、`*川「これは?」

その様子を見ながら、ペニサスが首を傾げる。

┗(^o^ )┓「トラウマ、ですよ。
       さっきの紙に書いていたでしょう?」

ペニサスの傍らに落ちていた紙を手に取る。

┗(^o^ )┓「彼女は幼少の頃に虐待を受けています。
       今現在、資料によれば両親とも行方不明になっていますが――」

('、`*川「……彼女が殺したってこと?」

┗(^o^ )┓「解りません。 彼女の内部分を記したこの紙にも記されていませんからね。
       ただ、これは心の扉を閉じたことによる一時的な記憶喪失ではなく
       完全に記憶から無くしている、という意味です」

('、`*川「完全に無くなっているのに、引き出せるものなの?」

┗(^o^ )┓「オワタが引き出そうとしているのは記憶ではなくトラウマです。
       彼女が今、脳裏で浮かばせているビジョンは付属してきたに過ぎません」

20 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:19:11.48 ID:s1iddvdt0
('、`*川「カウントダウンで引き出されるトラウマ、ねぇ……。
     ってか、今まで彼女は大丈夫だったの?
     日常生活でかなり支障ありそうだけど」

┗(^o^ )┓「ここでは、彼女の精神は丸裸な状態です。
       ただのカウントダウンならいざ知らず、今の状況ではかなり影響が濃いはずです」

('、`*川「ふぅん……ってか、カウントダウンと虐待って繋がる?」

┗(^o^ )┓「詳細は知らされていませんが、何となく想像はつきますよ」

溜息を吐くジュカイ。
やはり、こういうやり方はあまり好きではないようだ。
それを横目に見ながら

('、`*川「で、トラウマ引き出して何がしたいわけよ?」

┗(^o^ )┓「私が思うに心の強化が狙いなのかもしれませんが……。
       いやはや、英雄神様が考えることはよく解りません」

('、`*川「だねぇ」

21 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:19:58.73 ID:s1iddvdt0
カウントダウンは続く。

ゆっくりと。
そして、段々と。

それはヒートの心を確実に蝕んでいた。
まるで目の前の地面が崩れていくような感覚。
背後は崖だ。
逃げようがない。

この忌まわしき数字の羅列が聞こえてくる限りは。

\(^o^)/「四」

言葉と共にビクリとヒートの身体が跳ねる。
よほど恐ろしい思いをしたのだろうか。
さっきまでの威勢は為りを潜め、ただただ子供のように震えるだけだ。

\(^o^)/「三」

ノハ#;凵G)「――――」

もはや反応は無い。
地面に尻をつき、頭を抱えて震えるのみだ。

武器は手放している。

その哀れといえる様子を見ながら、オワタは更に数字を吐く。

22 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:20:49.19 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「二」

その実、オワタは彼女をこういう風に精神的に追い詰めることを良しとしていない。
やはり戦場に身を置いているからには、戦いにて決着をつけたいと思っていた。
三兄弟の中で最も武を主に据えている彼ならば、当然の意思。

当初、この案を出してきた英雄神に対して文句を言った。
対して、それを聞いた英雄神は頷きながら

――その後に君の本願は達成される。

と言ったのだ。

詳細は不明。
オワタも敢えて聞こうとはしなかった。

戦闘とは、基本的に事前情報が無い状態で始まる。
無論、戦争ならば斥候などを用いて敵方の戦力を調べることも出来よう。
しかし戦闘とは主に個人戦だ。
手を合わせなければ解らぬ要素が圧倒的に多い。

練度、得物、重さ、速さ、視線、足や手の動き、挙動パターン――

オワタはその一つ一つを、その目や肌で感じるのが好きだった。
例えるならば、ガムを噛んでいるかのような感覚である。

23 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:21:15.87 ID:5wvmS/1QO
支援

24 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:21:45.89 ID:s1iddvdt0
噛めば噛むほど味が出て、しかし長く噛めばその味も薄くなる。

オワタはそれ故に短期決戦タイプだった。
最初からアクセル全開で立ち向かい、味が無くなる前に相手を倒す。

今、目の前で泣き崩れる相手はどうなのだろうか。
まだ味を出し切ってはいないのだろうか。

先ほど手を合わせた感覚では、まだ本気ではないと判断出来る。
未だ武器が揃わず、未だ武器の正確な使い方を知らず。
そんな彼女が、あの状況で本気を出せただろうか。

否。

オワタははっきりと否定する。

そして期待する。
英雄神が言っていた言葉。
『その後に君の本願は達成される』

その後とは、カウントダウンの後だ。
果たして、このカウントダウンがゼロになった時に何が起きるのか。

オワタは心の中で期待する。

25 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:22:52.08 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「一」

たっぷりと間を置いて放つ数字。
零まで後一歩。

ノハ# )「…………」

ヒートの目には、もはや何も映ってはいなかった。
まるで機械のように規則的に涙を流しながら、彼女は項垂れる。

脳裏には断片的な過去の記憶。
両親という名の敵に、ひたすら虐待を受ける日々。

嫌だった。
嫌だったが、彼女は何も言えなかった。

何故かは憶えていない。
ただ、嫌だった。

その日々が終わりを告げたのはいつだったか。

少しだけ記憶が無い。
次に映る場面は、血の床に立っている自分。
手には包丁、床には命が抜け出た二つの人体。

この時、彼女の心には喜びという感情があった。
解放感とでも言うのだろうか。
解らぬが、確かに彼女は心の底から喜んだ。

26 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:23:25.39 ID:EaTT1cYOO
支援

27 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:23:48.07 ID:cK1gLiygO
1話から読みたいぽ……

28 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:23:59.22 ID:s1iddvdt0
忘れていたはずの異常感情。
罪を犯したはずなのに、その罪悪感を上回る感情。

それが、彼女の心に再び宿り始めた。

\(^o^)/「零」

彼女を限界までに追い詰めたカウントダウンが終わる。
最後の数字は、追い詰められた彼女の足場さえも破壊した。
そこから来るのは墜落という感情の欠如。

否、感情の入れ替え。

断片的にしか記憶の無い彼女に、一つの反応があったのだ。

過去の歓喜。
それが彼女の抜け落ちた心に入り込む。

もし彼女に記憶があれば、おそらくは心が壊れるだけで終わっただろう。

しかし中途半端な記憶と、そして過去に得た歓喜の味が合わさり
彼女の中で一つの反応を生み出す。

29 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:25:04.94 ID:s1iddvdt0
ノハ#゚听)「…………」

ヒートがゆっくりと顔を上げた。
その頬には未だに涙の跡が残っている。
しかし、その目は普通のそれと異なっていた。

\(^o^)/「…………」

オワタは身構える。
まだ恐怖や緊張は感じないが、黙って立ち上がる彼女に対して警戒の意志を持つ。

ノハ#゚听)「…………」

更に無言。
そのまま彼女は、足元にある二対の刀を手に取った。

一つは逆手に。
一つは順手に。

ノハ#゚听)「うぅ――」

呻き声。
そのようで、しかし違うような声。
まるで己の感情を無理矢理に抑えた声。

30 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:25:44.24 ID:MindhRdfO
まとめマダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

31 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:25:51.02 ID:s1iddvdt0
そして彼女はこう言った。

ノハ#゚听)「――うぉぉぉぁああぁぁぁぁっ!!!」

叫びと共に動き。
腰を一旦低く構え、しかし動作は止まらずに

\(^o^)/「!?」

ヒートが地を蹴る。
まるで頭突きをするかのような姿勢だ。
比較的近い場所に立っていたオワタであるが、その反射神経が彼女の動きを捉える。

彼女は右腕に持った得物を振った。
本来、その重量故に片手では扱い難いとされた包丁型の刀だ。

それは高速を以ってオワタに襲い掛かった。

\(^o^)/「ッ!」

思わず地を蹴る。
方向は背後へ、だ。

32 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:27:04.95 ID:s1iddvdt0
回避を選んだオワタだが、その目は更に見開かれる。

丁度、ヒートの腕が自分の直線状へ来た瞬間。

ノハ#゚听)「はぁぁッ!!」

手を離したのだ。
その動きは投擲として表現される。
包丁型の刀は、その切っ先をオワタに向けたまま飛翔。

それは、こちらの動きを最初から読んでいた動きだった。

高速で来るそれを、オワタは槍の一撃で往なす。
弾かれた刀は回転をしながら地へと落ち
ガシャン、という硬質な音を立てながら、滝の傍らにある大岩の上で跳ねた。

その音を耳に入れながらも、オワタはヒートから視線を外さない。

ノハ#゚听)「――ぁぁぁぁぁああああ!!」

何故なら、彼女はその間に跳躍して接近していたからだ。
逆手に持った飛燕が光るが、攻撃力はほとんど無いと言っても良い。
ならば何をするのか。

ノハ#゚听)「うあぁっ!!」

眼前に拳。
ヒートの右腕から発射された拳だ。
咄嗟の一撃を、槍の腹で受け止める。

33 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:28:02.73 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「ぐッ!?」

続いて衝撃。
それは腹部。
視線を下げれば、ヒートのか細い足が直撃している。

しかし止まらない。
そのままの勢いで、華奢な身体からは想像出来ない一撃が炸裂した。

下半身が無くなったかのような錯覚。
その妙な感覚を受けながら、オワタは空中から地面へ叩き落とされた。

一瞬で視界が回転し、青や緑の色が混ざり合う。
そのまま衝撃。
どうやら、滝の側にある森の中へ突っ込んだようだ。

仰向けの姿勢で、土煙を被りながら

\(^o^)/「ふ……ふふ……」

笑う。
それは歯応えのある敵に出会えた喜びからか。

\(^o^)/「まだだ、まだ味わえる……!」

身を起こす。
節々が悲鳴を上げるが全て無視。
槍が折れていないことを確認し、先ほどまでいた場所を目指す。
草を掻き分け、己が滑走して削れた地面を逆に歩いていった。

34 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:29:08.71 ID:s1iddvdt0
視界が開ける。

時間的には昼か。
擬似太陽が天高く昇り、地面を明るく照らしていた。
滝が美しく輝き、発生した霧によって濡らされた木々が光っている。

数多大小の光を目に入れながら、オワタの目は素早く上下左右を見る。

ヒートは――

\(^o^)/「!」

いた。
先ほど、包丁型の刀が落ちた岩上にいる。
そこは最初に武器が設置されていた場所だった。

今、赤茶色の長髪がこちらを向いている。
背を向け、手元で何かの作業をしているようだ。

その無防備な背に槍の切っ先を向け

\(^o^)/「英雄神の言っていた意味が解りました。
       こちらも相応の本気で相手をさせてもらいます」

威圧の意味も籠めて言葉を発する。
しかし反応は無い。
まるで聞こえていないかのようだ。

35 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:29:59.27 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「成程……眼中に無い、と言いたいわけですか」

納得しながらも構えは解かず

\(^o^)/「その認識、甘いと言わざるを得ませんね!」

声と共に跳躍。
一直線に高角度で飛び、ヒートの頭上を位置取る。

そのまま降下。
槍の切っ先が彼女の頭を狙っている軌道だ。
最初の接触と同じ状態。
あの時の彼女は、不意打ちに対応出来ずに右肩に傷を負った。

\(^o^)/(今度はどうですか!)

距離が縮まる。
風を切る音と共に、その切っ先をヒート目掛けて――

ノハ#゚听)「…………」

彼女がこちらを見る。
グルリと首だけを動かして。

その奇妙な挙動を視界に収めながらも、オワタは攻撃の意思を収めなかった。

36 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:31:25.57 ID:s1iddvdt0
切っ先が触れるか触れないかという距離。
その瞬間。

\(^o^)/「!?」

ガクン、と強制的に方向修正。
見れば切っ先が何かに絡め取られている。

ジャラリ、と金属が擦れる音と共に現われたのは鎖。
ヒートの右腕に掴まれているそれは、まるで蛇のように槍に巻きついていた。

結果、バランスを失ったオワタは何とか右足で着地

ノハ#゚听)「あぁぁぁっ!!」

出来なかった。
オワタの喉元に入ったのは左手刀。
発射されたそれは、相対速度の影響で通常のそれと比べるまでもなく高威力だと解る。

衝撃波のようなモノが四散するような錯覚。
手加減無しの、明らかに喉どころか奥にある骨さえも狙った一撃。

\(^o^)/「ッ!」

しかし、オワタはその驚くべき反射神経を用いて防御。
いや、防御というには御粗末過ぎる。
ただ単に首を動かしただけの挙動。
鋭い手刀はオワタの首の右側を抉るように貫く。

37 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:32:37.48 ID:s1iddvdt0
出血。
浅く切り裂かれた皮膚から、多少の血が流れ出る。
しかし、危険な部位をやられたわけではない。
そう判断したオワタは着地と同時に岩を蹴る。

後退。

今の彼女に近付くのは危険だ。
まるで別人のような凶暴さ。

一旦体勢を立て直しにかかるオワタだが

\(^o^)/「やはりですか!」

後退の姿勢で見る。
背後へと飛ぶオワタを追撃するように、ヒートの身がこちらに向かった跳んだのだ。

呆れるほどの攻撃性だ。
今までの彼女からは考えられない。

\(^o^)/(この隠し持っていた凶暴性……。
       両親を殺した時に芽生えたのか、それとも最初から在ったのか……)

解らぬが、一つだけ言える点は

\(^o^)/(彼女は典型的な『バーサーカー』だということですね)

38 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:33:37.46 ID:s1iddvdt0
人が本当に追い詰められた場合、その時にとる行動は幾つかのタイプに分けられる。

ただ怯えて泣くか。
現実逃避して無感になるか。
突如として笑い出すか。
それとも心を壊して再起不能になるか。

彼女は違った。
バーサーカーと呼ばれるそれは、精神的に追い詰められた時に発動する一種の火事場の馬鹿力だ。

よくある話で、穏やかな性格だった人間が、突如として別人のような凶暴性を発揮することがある。
原因はイジメであったり、ショックを受けた場合、死に直面した場合と様々だが
共通点は『精神的な追い詰め』だ。

それが彼女の中に芽生えたのだが
このレベルともなると、もはや異常と言える。

\(^o^)/(成程……)

内心、冷や汗を流しながらも理解。

今の彼女はただのバーサーカーではない。
剣術・戦闘の知識と凶暴性が合わさった、言わば戦闘狂。
その攻撃力や速度は、知識として持っている情報を全て再現するだろう。

たとえ、己の身体が限界を超えようとも。

39 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:34:31.38 ID:TNCG/vJi0
しかし バーサーカーは盛りがついていた、、、
奴のそそり立った一物が襲ってくる!!

                   
 
                    完

40 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:34:42.93 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「ならば」

攻撃が来る前に行動。
空中で身を回し、降下速度に更なる加速を掛ける。
着地時の衝撃が増えることになるだろうが、今攻撃を受けるよりもいくらかマシだ。

向かってくるヒートから逃げるように着地。
そのまま森の中へと身を走らせる。

この木々が鬱蒼と茂っている状況で鎖を振り回すことは不可能。
無論、槍も扱いにくくはなるが、ここは槍王としての技術の見せ場だろう。

\(^o^)/「さぁ、来――」

おそらくはいるであろう上空を見て、呟きが止まる。
理由は一つだ。
風を切り裂きながら落ちてくる一本の黒い線。

否。

\(;^o^)/「あれは!?」

驚きに目を見開きつつもサイドステップ。
直後、包丁型の刀がその身を叩き落としてきた。

41 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:35:46.28 ID:s1iddvdt0
轟音。
そして衝撃。

頭上にあった木々の枝は全て断ち切られ、地面に一筋の傷を作り出す。
土煙が上がり、切られた葉や枝が雨のように降る。
よく見れば、その包丁型の刀の柄尻に鎖が接続されていた。

あれは元々、包丁刀の付属品である。
最初にあの刀を見つけた彼女には、その鎖が目に入らなかったのだろう。
しかし、今の彼女はそれを使いこなしているようだ。

その様子を見ながら

\(^o^)/「……鎖の遠心力を利用した攻撃ですか」

要はモーニングスターと似たような使い方だ。
鎖を目一杯伸ばし、そのまま縦に振り下ろす。
重心は自ずと先端に集中し、遠心力の力を最大に受ける。

そこから来る一撃は脅威の一言。
一瞬でも判断が遅れ、防御でもしようものなら槍ごとやられていただろう。

土煙によって見辛くなった森中。
こうなれば、頼れるのは気配と音だ。

42 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:36:47.18 ID:s1iddvdt0
その時。

ジャラリ、と音が響いた。

見る。
視界の少し上。
余った鎖が落下した音だと解ったのは数瞬後。

つまりヒートは鎖を握っていない。

では、何処に?

\(;^o^)/「!?」

思うと同時に真横から気配。
視線を動かす間もなくバックステップで跳んだ。

しかし間に合わない。
ようやく視線を向ければ、そこには狂気の色を瞳に浮かばせた彼女の顔。

ノハ#゚听)「消えろぉぉぉぉぉぁぁあ!!!」

叫びと共に攻撃が来る。
右足からの蹴り上げ。
速度は高速。

43 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:37:46.08 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「ぐっ!」

これは連撃の序章に過ぎないだろう。
槍でガードするには早すぎる。

思い、咄嗟に蹴り上げを足で防御した。

衝撃が来る。
しかし、それは思っていた衝撃とは違った。

\(^o^)/「なっ……」

彼女は確かに蹴った。
だが、それはオワタの身体を狙ってはいなかった。
狙ったのはオワタの出した足。
蹴り上げに見せかけたそれは、彼の足を思い切り前方へと蹴り出したのだ。

そこから起こるのは、互いの弾き飛ばし。

オワタの身体はバックステップ+ヒートの蹴りの分だけ飛び
ヒートは蹴り出した分だけ背後へ飛ぶ。

44 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:38:36.98 ID:s1iddvdt0
彼女は何故、背後へ飛んだのか。
理由はすぐに判明した。

彼女の背後に見えるのは、未だ土煙を上げる包丁刀が落ちた場所。
そこにあるのは鎖の先端。

思うと同時にヒートは鎖を確保する。
そのまま地を滑走するも、途中にあった木を用いてブレーキ。
身体に掛かる慣性を利用しながら、鎖を思い切り振った。

音を立てながら動き出す巨大な包丁。
慣性を使いながら振ったせいなのか、その速度は最初から高速だ。

途中の木々が邪魔をするが、その速度故に全てを叩き折る。

そのまま回転。

短く持っていた鎖を、段々に伸ばしていく。
遠心力が掛かり更なる速度を以って回転する包丁。
横薙ぎ気味に木々を切断し、切り株の数が増えていく

45 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:39:42.18 ID:s1iddvdt0
その回転刃に飛び込む影があった。

\(^o^)/「みすみすやられるつもりはありませんよ」

槍を腰溜めに構えながら、一直線にヒートの元へと走る。
横からは風を切る音と共に迫る包丁刀。

それが直撃する前に、オワタは地に伏せた。
轟、という背筋が凍るような冷たい音を頭上に聞きながらやり過ごす。

立ち上がりながら駆け出す。
高速で迫るオワタの影を見て、ヒートは一つの選択を取った。

ノハ#゚听)「ッ!」

真上へ跳躍。
高く跳んだが故に、鎖の回転も止まって彼女に追従する。
ヒートが鎖を引けば、更なる加速を以って包丁刀が彼女の手元まで走った。

柄をしっかりと掴む。
そのまま振りかぶり落下運動。
狙いは眼下のオワタだ。

46 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:40:46.44 ID:s1iddvdt0
そして叫ぶは彼女の狂気。

ノハ#゚听)「死ねぇぇぇぇえええぇえ!!」

言葉が終わる前に激音が響いた。
多量の砂煙と土砂が舞い上がり、その威力の高さを表現する。

一面、薄茶色に染められた視界。
その中で動くは剣撃の気配。

\(^o^)/「ッ!!」

ノハ#゚听)「ぁぁぁあぁ!!」

両者気合の声。
ぶつかる金属。
そして切り裂かれる茶の色。

それらは高速で動き、響き、己の存在を吠えた。

47 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:41:49.42 ID:s1iddvdt0
オワタの基本は刺突。
遠心力を利用した大振りは、確かに強力ではあるが制動に難がある。
故に高速で的確に、というポイントを優先しての攻撃だ。

対してヒートは回転。
遠心力を大きく受ける大刀を横薙ぎに振り回し、しかし制動を掛けない。
まるで独楽のように高速回転し、オワタの胴体や首を切り飛ばそうと襲い掛かる。

二人は多重に激突し、弾かれながらも勢いを止めない。
周囲の木々は切断され、穿たれ、叩き折られる。
轟音を立てながら倒れる大木を横目に、二人は高速の攻防を展開する。

そこには策など皆無。
ただただ己の攻撃本能だけを頼りに身体を動かす世界。
一瞬の隙が敗北に直結するはずなのだが、その美しささえ見出せる攻防は終わらない。

片方は武人。
片方は狂人。

強さの種類は違えど、根本的な性質は似通っている。

だからなのか。
二人は傷を受けながらも、倒れずに互角の攻防を繰り広げる。
火花が散り、甲高い音が場を支配し、周囲の物質は悉く破壊されていく。

48 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:43:01.41 ID:s1iddvdt0
撃音響く無言空間。

もはや呼吸さえしていない。
呼吸という一瞬の隙が、この高速攻防においてどれだけ危険なのか。
二人とも理解しているのだ。

だが、やはり人間という生き物の性質上、酸素はどうしても必要である。

\(^o^)/「――フっ!」

オワタが隙を見つけて息を吐く。
溜まった二酸化炭素が噴出し、新たな酸素を欲す。

この時、人間はどうしても無防備になってしまう。
何故ならば、身体を動かすのに息を吸う必要があるからだ。
武術を嗜む者ならば聞いたこともあるだろうが
攻撃を仕掛ける瞬間で最も有効なのは、相手の肩が下がった瞬間である。

そこを、今のヒートが逃すわけがなかった。

反応速度が僅かに鈍る瞬間に、攻撃の速度を上げる。
オワタから見れば相対的に速度の上がり方が倍に見えるわけだ。

一呼吸の間を以って切りかかり――

49 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:44:10.05 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「――?」

想像した痛みは来なかった。
思わず瞑ってしまった目を開き、状況を確認する。

目の前、上段に包丁刀を構えたヒートが立ち竦んでいた。

ノハ#;凵G)「…………」

その目からは大粒の涙。
腕を震わせ、懸命に何かに対して耐えているような表情だ。
歯をガチガチを音を立てて震わせながら

ノハ#;凵G)「ご、ごめ……ごめんなさい……っ……!」

\(;^o^)/「?」

謝罪。
違和感のある反応に、オワタは思う。

\(^o^)/(まさか、彼女の理性が勝って……?)

50 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:45:11.37 ID:s1iddvdt0
狂気を理性が抑える。
それが本当に達成されれば、ある一つの可能性が出てくるのだ。

『狂気を抑えた力』

つまり暴走部分だけ取っ払い、純粋な力のみを引き出している状態。
もし叶うならば、彼女の戦闘能力は飛躍的に上がることだろう。
何しろカウントダウンを聞くだけで強くなれるのだから。

\(^o^)/(英雄神様の狙いはこれでしたか――)

敢えて危険を冒してまでトラウマを引き出し、更には彼女の理性が勝るのを期待する。
何処かで失敗すれば、彼女の心は破壊されてしまうだろう。
英雄神はどうにも博打が好きなのか、人生を軽く見ている節がある。

\(^o^)/(まぁ、アレですからねぇ……)

心の中で吐息し、雑念を頭から取り払う。
今は目の前のことを見届けなければ。

ノハ#;凵G)「うぅぅ……うぁぁ……!」

戦っているようだ。
内に潜む狂気と、成長して得た理性。
果たしてどちらが強いのか。

51 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:46:19.75 ID:s1iddvdt0
ノハ# )「……ッ」

息を詰める声と共に、ヒートの身が背後へと傾いた。
そのまま身体を倒す。

見れば、彼女の顔色が悪い。
考えれば当然だ。
あの攻防の中、彼女は一度たりとも呼吸をしていない。
呼吸という行為が戦闘において邪魔なのだと狂気が解っていたからだ。

今、彼女は苦しそうに息を吸っている。
それはつまり、狂気の呪縛から逃れ掛けている証拠。

\(^o^)/「……大丈夫ですか?」

とりあえず声をかけてみる。
応答次第で、これからの対応が決まるだろう。

ノハ#;゚听)「ハァ、ハァ……! オ、オッケー……」

微かに腕を上げる。
が、武器を手放しておらず、更には震えているところを見ると怪しい。

\(^o^)/「貴女の名前は? 何故、ここにいるんですか?」

ノハ#;゚听)「名前はヒート……ここには、試練を受けるために……」

どうやら意識ははっきりしているらしい。
身体の自由は未だ利かないようだが。

52 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:47:13.67 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「とりあえず武器を置きましょう」

ノハ#;゚听)「は、把握」

ガシャン、と硬質な音を立てながら包丁刀が地面に落ちる。
それを確認したオワタは

\(^o^)/「気分はどうですか?」

対してヒートは

ノハ#;゚听)「あんまりよくないかな……こう、モヤモヤしたのが……」

胸の辺りを撫でながら言う。
未だ狂気の残骸が残っているらしい。

だが、こうやって会話が可能だということは、かなり理性が勝っているということだ。

53 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:48:12.70 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「成程……これは合格と言っても良いかもしれません」

ノハ#;゚听)「合格……?」

\(^o^)/「貴女は己の中に在った狂気に打ち勝っているようですね」

ノハ#;゚听)「う、うぃ?」

\(^o^)/「さて、とりあえず最終確認をしましょうか」

呆けているヒートを見下ろしながら

\(^o^)/「十、九、八、七、六、五、四、三、二、一、零」

ノハ#;゚听)「ちょ、え……!?」

オワタの口から放たれた高速カウントダウン。
直後、ヒートの身体がビクリと震えた。

\(^o^)/「で、こうするわけです」

声と共に槍を振る。
まだ状況を理解していない彼女目掛けて、高速の刺突を放った。

54 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:49:17.80 ID:s1iddvdt0
ノハ#;゚听)「うわぁぁぁぁあ!?」

ヒートの叫び声と共に響いたのは金属音。

ノハ#;゚听)「あぁぁぁぁ――……え?」

気付く。
彼女の左腕に握られた飛燕が、オワタの刺突を防いでいることに。

\(^o^)/「これが、貴女が得た力ですね」

ノハ#;゚听)「ど、どゆこと?」

\(^o^)/「戦闘感覚鋭敏化、とでもいうのでしょうか。
       カウントダウンを聞いた貴女の身体と脳が、戦闘という面に対してのみ活性化するんです」

ノハ#;゚听)「……何そのとんでも設定」

トラウマの上書き、とも言えるだろう。
彼女が先ほどまでカウントダウンを引き金に発していたのは、怯えによる狂気だった。
しかし、その狂気を理性で押さえ込んだ。
つまり怯えを理性で上書きするということ。

よって、カウントダウンを聞くことによるトラウマ発動の内容が変化したのだ。
それは中途半端な記憶を持っていたが故に成し遂げられたことだろう。

55 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:50:09.66 ID:s1iddvdt0
\(^o^)/「さっきの攻防を覚えていますか?」

ノハ#゚听)「えーっと……まぁ、断片的に……自分を抑えるので必死だったけど」

\(^o^)/「カウントダウン後の貴女は
       おそらくあのレベルの力を自由に引き出すことが可能でしょう。
       無論、狂気に身を縛られることなく、です」

ノハ#;゚听)「マジですか」

\(^o^)/「しかし多用は禁物でしょうね。
       あの状態では、身体の限界を感じられなくなると思います。
       故に、あまり多用すれば……戦士のとしての寿命が縮まっていくことになるでしょう」

ノハ#゚听)「救済措置?」

\(;^o^)/「何の話をしているんですか、貴女は」

56 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:51:05.17 ID:s1iddvdt0
ゴホン、と咳払い。
話を逸らしつつ、オワタは再度槍を構えた。

\(^o^)/「では、カウントダウン状態の身体と思考に慣れるために
       私ともう一度戦ってくれますか?」

その表情は笑み。
まるで御馳走が置かれている状況を前にしているような。
オワタの輝きそうな表情を見て、ヒートは理解する。

ノハ#゚听)(この人、ホントに戦いが好きなんだなぁ……)

とりあえず、よく解らないが強くしてくれた礼をしなければ。
今の彼に対して最上の礼とは何か。

答えはすぐに出る。

ノハ#゚听)「――はい! 御願いします!」

彼女の快活な返事が場に木霊した。

57 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:52:41.40 ID:P/QtBpB60
だんだん那須きのこっぽい文章になってるな。
否、とか

58 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:53:16.25 ID:s1iddvdt0
第四話終了
やりたい放題ゴメンナサイ

かなり読み難いだろうな、と思う
今作だけなので我慢して欲しい
ある意味、ストレス解消になっているんだ

次回の最終話は明日にでも投下

それが終われば、しばらくの冬眠後に『抗い護る』を投下しようと思う

59 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:54:09.57 ID:MJx99hupO
私怨

60 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:54:47.35 ID:EaTT1cYOO


61 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:55:24.39 ID:MJx99hupO
>>58



モナーとかシャキンは?

62 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 21:57:26.08 ID:P/QtBpB60
抗い護るへの伏線作品らしいけど・・・うーん。
なんかいかにも繋ぎって印象を受けました。


63 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 21:59:19.28 ID:s1iddvdt0
一つ言っておきたいことがある

ヒートミルナが遅れた理由
第一話が再投下出来ない理由


叩かれ覚悟で、正直に言います

ブーン小説保存していた外部HDが逝った\(^o^)/

あんな画像やあんな動画やあんなゲームが消えたのも痛いが
一番痛かったのは、ヒートミルナも抗い護るも、過去の恥部である戦い護るも全て消えたことだ

書き溜めもプロットも全部消えた

┗(^o^ )┓逃亡!!  ← 一時期、マジでこうなりかけてた

64 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:03:14.96 ID:P/QtBpB60
あれほどバックアップはとっておけと言ったのに・・・ご愁傷様としかいいようがない。
したらばに自分専用の保存場所を作ってそこに保存すればあぼーんは避けられるぞ。
今更言っても遅いが


65 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:06:19.05 ID:vqW+VwK80
…まあ、何というか、焦る必要はないから頑張ってくれ。

66 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:06:40.98 ID:5wvmS/1QO
>>1
乙〜

67 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 22:07:40.20 ID:s1iddvdt0
正直、プロットと設定の復旧で時間食ってました
あと気力が出なかった、ってのものある ゴメンナサイ

ヒートミルナは、過去話として出しても薄くなる可能性が高かったので
最後まで投下することにします

シャキンとEMAは、抗い護る中で補完したいと思います
機体やら何やらは出るので

ぶっちゃけ、シャキンは抗い護るのネタバレ要素をかなり含んでたので
ある意味助かったと言えば助かったのかもしれんが・・・

これはアレだ
神が、『シャキンとEMAは投下しない方がいいよ!』と言ってくれたと判断して
気を取り直していきたいと思いますです

長文スマソ また明日
本当に申し訳ありませんでした、色々と

68 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:15:31.47 ID:suVqIKzL0
期待して待ってるぜ!

69 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:20:43.88 ID:EaTT1cYOO
あの時外部HDD逝ったって嘆いてた奴は>>1だったのか

70 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 22:21:55.17 ID:s1iddvdt0
あれ
そういえば、ギコナビ使ってるんだけど
第一話からのスレが残ってら

・・・第一話の再投下、可能じゃないか、これ

>>69
それ違う
あれから10日くらいVIP見てないんだ、怖くて

71 : ◆BYUt189CYA :2007/02/01(木) 22:29:29.77 ID:s1iddvdt0
しかし時間が無い・・・
第一話の再投下は明日以降にします

ではでは

72 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 22:33:53.22 ID:suVqIKzL0
とりあえず色々あるだろうが
俺はあんたを目標に小説を書きはじめたくらいの信者だ
そんな人間も居るって事だけは覚えておいてくれ

73 :愛のVIP戦士:2007/02/01(木) 23:44:35.71 ID:TYRXsQUtO
>>72異世界…?

74 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 00:24:18.07 ID:CooKm85NO
h

75 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 01:12:04.09 ID:SFxq0CXsO
(゜∀゜)vs(´・ω・`)

76 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 01:35:46.84 ID:2/5V5MbUO
なんというかブリーチをパクるとはやりますね
虚化した一護が紐伸ばして攻撃っすか

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